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Art Blakey & The Jazz Messengers『ライヴ・イン・アムステルダム 1959』

カテゴリ
o-cha-no-ma LONG REVIEW
公開
2013/12/23   10:00
ソース
intoxicate vol.107(2013年12月10日発行号)
テキスト
text : タワーレコード本社 馬場雅之


フレッシュで切れ味抜群、26歳のウェイン・ショーターに注目!

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アムステルダムの名コンサート・ホール、コンセルトヘボウでの伝説の未発表ライヴ音源ぞろいのアーカイヴ〈ジャズ・アット・ザ・コンセルトへボウ〉シリーズの最新盤。これまでマイルス・デイヴィス、サラ・ヴォーン、J.J.ジョンソン、チェット・ベイカーらの50年代を中心とした貴重なライヴ音源を発表してきた同シリーズに新たに加わったのがアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの59年11月14日のミッドナイト・パフォーマンス。この翌日のパリのシャンゼリゼ劇場でのライヴは仏RCAからリリースされたことがあるが、本作はまったくの初出音源であり、この時期のジャズ・メッセンジャーズの欧州での活気あふれるステージの様相を伝えるものである。

メンバーはトランペットにリー・モーガン、テナー・サックスにウェイン・ショーター、ピアノにウォルター・デイヴィスJr、ベースにジミー・メリットという布陣。  注目すべきはこの時26歳だったウェイン・ショーターだろう。ジャズ・メッセンジャーズ参加直後のショーターの若き日の姿であり、この日の4日前、ニュー・ジャージーにあるルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオでブルーノート・レーベルにジャズ・メッセンジャーズとして初レコーディングを行ったばかりだった(そのアルバムはお蔵入りし、約20年後にBNLTシリーズで『アフリケイン』としてリリースされた)。

さて、話を元に戻して、こちらのパフォーマンスだが、まずはレイ・ブラウンのナンバー《レイズ・アイデア》で軽快にスタート。《アロング・ケイム・ベティ》《ブルース・マーチ》そしてお馴染みの《モーニン》などジャズ・メッセンジャーズの代表的なナンバーを快演。モーガン、ショーターのフロント勢のソロも切れ味抜群であり、それをアーシーで躍動感にみちたドラミングでグイグイ引っ張ってゆくブレイキーのプレイも最高だ。ハードバップに沸く時代の、熱い記憶を伝えてくれる。



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