『人魚伝説』池田敏春監督の伝説の傑作がブルーレイ化！

1980年代のATG映画の中でも、独特の位置で、熱狂的なファンを多く持つ傑作。それが、池田敏春監督の『人魚伝説』である。

1980年の、『スケバンマフィア・肉刑・リンチ』で監督デビューし、『天使のはらわた 赤い淫画』までにっかつに在籍。そして石井聰亙(現・石井岳龍)、井筒和幸、大森一樹、黒沢清、相米慎二、高橋伴明、根岸吉太郎、長谷川和彦が参加した映画製作会社ディレクターズ・カンパニーに参加し、その本格的映画製作進出作となったのが『人魚伝説』であった。

宮谷一彦の劇画が原作。原発建設が予定されている海辺の村を舞台に、夫を殺された、新妻の海女の、権力者たちへの復讐を壮絶に描く、大人のヴァイオレンス・ロマン。

脚本は『ガキ帝国』『ションベン・ライダー』『丑三つの村』の西岡琢也、撮影は同年は『お葬式』『メイン・テーマ』『ときめきに死す』も担当した前田米造、音楽は、日本のジャズ・シーンをリードし、のちに『マルサの女』で一躍フィルム・スコアでも知られるようになるサックス奏者の本多俊之。

鮮烈な印象を残すヒロインみぎわを演じたのは、時代劇を中心にテレビドラマで活躍していた白都真理、夫・啓介を1975年『祭りの準備』が衝撃だった江藤潤が演じた。

2004年に一度DVD化があったのみで、伝説の作品として、若い映画ファンの間でも知られていた『人魚伝説』が、今回、ATG映画の傑作を次々HDニューマスターで発売しているキングレコードが取り上げた! ブルーレイ、DVDの両方のフォーマットが発売になる。

関連作は、通称ディレカン出身の監督の最近のリリース作品とヴァイオレンス/アクションの傑作から紹介。