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“湾曲弓”を用いたテルマニーのバッハ無伴奏ヴァイオリン全曲がLPレコードで復活!

エミール・テルマニーのバッハ無伴奏

いわゆる‘バッハ弓’、湾曲弓(Modern Curved Bow)、通常の弓では同時に鳴らすことが不可能な四重音を弾くために、毛がゆるめに張られた曲弓を用いてのバッハ録音。この英デッカによるモノラル録音は、バッハ弓の考案者アルベルト・シュヴァイツァー(1875-1965)に協力していたロルフ・シュレーダー(1900–1980)による米コロムビア盤(1953年発売)に続く2組目の全曲録音です。

ヴァイオリンのエミール・テルマニー(1899-1991)は、ハンガリーのヴァイオリン奏者で、フバイらに薫陶を受け、バロック演奏法の研究にも熱心な人物でした。バッハ弓を用いたバッハ/無伴奏録音はいくつか存在しますが、演奏はこのテルマニー盤が最高と言えるでしょう。この録音が行われたのは1953~54年。バロック・ブームが起き、レオンハルト(1928-2012)、アーノンクール(1929-2016)など時代考証派の奏者も活動をはじめ、アーノンクールはウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを設立、バッハ演奏についての時代考証が盛んになり始めていたときにあたります。

シュヴァイツァーはバッハについての評伝を遺していますが、その中でもヴァイオリンの弓について言及しており、「このバッハ弓を用いたソナタとパルティータの演奏を聴いたものは誰でも、バッハの作品中でその素晴らしい素材の喜びがいかに失われてしまったか、ということに気づくだろう」、と述べています。通常の弓では、4つの弦を同時に鳴らすことはできないためアルペッジョ的な弾き方をせざるを得ませんが、このバッハ弓では4つの弦を同時に鳴らすことができ、独特なオルガン的な和音の響きを聴くことができます。いかにもオルガニストだったシュヴァイツァー好みの響きと言えるでしょう。

シュヴァイツァーの弓についての時代考証や主張は、現代では完全に否定されているため、バッハ弓での無伴奏演奏を聴くことはほぼできませんが(以前、Arte Novaからルドルフ・ゲーラーのデジタル録音が出ていましたが現在廃盤です)、1950年代に一定の評価を得ていたスタイルによる演奏が、当時と同じLPレコードで復活する意義は大きいと思います。

上記展開写真にあるように、3枚の個々のジャケットにもデザインが印刷されている、凝った作りとなっているのも嬉しいところです。

※ページ下部の「関連商品」には現在入手可能なヴァイオリン、チェロの「無伴奏」全曲のLPレコードを各10種類、展示しています。この機会にぜひお求めください!
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

LP1-A
ソナタ第1番ト短調BWV1001
LP1-B
パルティータ第1番ロ短調BWV1002
LP2-A
ソナタ第2番イ短調BWV1003
LP2-B
パルティータ第2番ニ短調BWV1004
LP3-A
ソナタ第3番ハ長調BWV1005
LP3-B
パルティータ第3番ホ長調BWV1006

【演奏】
エミール・テルマニー(ヴァイオリン/弓:VEGAバッハ・ボウ)

【録音】
LP1/1953年11月19,20,25,27日(プロデューサー:ジョン・カルショー)
LP2/1953年9月24,25,28,29日(プロデューサー:ジョン・カルショー)
LP3/1954年4月1,2&5-7日(プロデューサー:ジョン・カルショー)
マスタリング:ライナー・マイヤール(エミール・ベルリナー・スタジオ)
180gLP盤プレス:パラス(ドイツ)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : クラシックLP

掲載: 2019年09月26日 00:00