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吉田誠&小菅優~ブラームス:クラリネット・ソナタ(全曲)、シューマン:幻想小曲集ほか(SACDハイブリッド)

吉田誠&小菅優


完璧なテクニックと芸術的成熟を合わせ持つふたりの音楽家の邂逅

吉田誠さん、小菅優さんよりメッセージをいただきました
このCDは、クララ・シューマンの孫フェルディナントの手記に基づき、1894年11月13日、フランクフルトにあったクララ・シューマン邸で行われた、ブラームスの晩年の傑作「クラリネット・ソナタ」の私的な初演の為のサロン・コンサートと同じプログラムを、再現する試みです。今回の録音は、約三年の歳月をかけて準備し、満を持して収録出来ることになりました。私にとって常に憧れる芸術家であり、これ以上ない共演者である小菅優さんと共に、ドイツ、フランス、スイス、オーストリア、日本各地で演奏を重ね、その都度試行錯誤を繰り返し、アンサンブルを成熟させて参りました。楽譜や歴史的背景を緻密に研究し、今、出来る限りの表現をし尽くした録音と、自負しております。そして有難いことに、最高の録音環境とチームに恵まれ、録音をさせて頂きました。リアリティ溢れる録音の細部に渡って、練りに練った1音1音を楽しんで頂けましたら幸いです。
偉大な芸術家達が集った、音楽と愛に満ちたクララ邸の小さなサロンへのトリビュートとして、この一枚のCDを通し、当時に思いを馳せて聴いて頂けましたらこれ以上無い幸せです!
吉田誠

すべては出会いで始まります・・・ブラームスはまだ青年の頃、ロベルトとクララ・シューマンに出会い、才能を認められ、ロベルトの死後もクララと終生深い友情で結ばれていました。そして晩年、ミュールフェルトという素晴らしい奏者に出会ったことによって、もう作曲は終わりにすると決めていたにもかかわらず、二つのクラリネットソナタを作曲しました。
今、人々が離れ離れになり、一人一人が孤立してしまっているこの時世で、仲間とのふれあいの大切さを痛感しています。このコロナ渦の真っ只中に、仲間と一緒に音楽で対話でき、一緒に素晴らしい作品に情熱を燃やすことがどれだけ幸せだったか、言葉では表せません。それは吉田誠さんのような感受性の豊かな、音楽にこのうえない愛情をもつ芸術家との、一期一会の対話です。一人では織りなすことのできない室内楽は、人間のかけがいのないふれあいの証だと思います。
19世紀ロマン派に巨匠達の絆が生んだ作品の数々を、今私達が一生懸命受け止め、全力を尽くした演奏が、このディスクに詰まっています。この録音を通して、暖かい、人情溢れる世界を感じていただけましたらとても嬉しいです。
小菅優

邦人演奏家の、それも気鋭の世代による特筆すべき成果
ブラームスとミュールフェルトという2人の芸術家の出会いから生まれた音楽世界を、ただ木管楽器的な美観に安住することなく描き出すアプローチ。そんな探究心と考察に基づく解答が、このアルバムには見事に刻印されている。吉田誠が手にするセゲルケは、いわゆる古楽器としてのクラリネットの研究成果にも通じた名工の製作する銘器だ。その特性を十二分に発揮させながら得られる三次元的なニュアンスの起伏が、ブラームス⼀流の細やかな動機作法を瑞々しくも縁取っていく。そして自らの透徹したピアニズムを、共演者への気配りに満ちた音楽的洞察性へ結びつけることのできる小菅優という弾き手をパートナーに得たことも成功の要因だろう。シューマンの「幻想小曲集」における、短いスパンで表情やダイナミックスを変転させながら、端正なフォルムを保ち続けるクラリネットとピアノのデュオともども、作品が生まれた時代の空気まで生き生きと立ち上るような思いにかられる。邦人演奏家の、それも気鋭の世代による特筆すべき成果だ。
木幡一誠(ライナーノーツより)

ソニー・クラシカルとSMJIから15枚ものアルバムをリリースし、現在はベルリンを拠点に世界的な活動を続けるピアニスト、小菅優。パリとジュネーヴで学び、多方面で活躍するクラリネット奏者吉田誠。数年前から折を見て共演してきたふたりの俊英が、温めてきたブラームス晩年の傑作である「クラリネット・ソナタ」と、シューマン全盛期の佳品「幻想小曲集」を満を持してレコーディング。音響的にも定評のある白寿ホールでのDSD録音で、サウンド面でも音楽面でも最高の仕上がりとなった。フィルアップに収録されたブラームスの5曲の歌曲(歌のパートをクラリネットで演奏)は、ブラームスのソナタの非公式な初演時に演奏されたとされるもの。このアルバムは、そんな初演時の雰囲気を伝える内容となっている。吉田の使用するセゲルケ製のクラリネットの鄙びた音色と、小菅の闊達自在なピアノ、ともに聴きものだ。
(ソニーミュージック)

1.ブラームス:5つのリート 作品105より第1曲「調べのように私を通り抜ける」
2.ブラームス:5つのリート 作品107より第3曲「乙女は語る」
3.ブラームス:5つのリート 作品106より第3曲「霜が降りて」
4.ブラームス:5つのリート 作品107より第5曲「乙女の歌」
5.ブラームス:5つのリート 作品105より第2曲「私の眠りはますます浅くなり」
6.ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調 作品120-1
7.ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 作品120-2
8.シューマン:幻想小曲集 作品73

吉田 誠(クラリネット) 小菅 優(ピアノ)

<録音>2020年7月 白寿ホール

吉田誠&小菅優
(C)Goro Tamura (RamAir.LLC)

吉田誠
クラリネット・ソリスト。5歳からピアノを、15歳からクラリネットを、22歳から小澤征爾、湯浅勇治の各氏のもとで指揮を学ぶ。東京藝術大学入学後、渡仏。フランス地⽅国立リュエル・マルメゾン音楽院を審査員満場⼀致の最優秀賞ならびにヴィルトゥオーゾ賞を得て高等課程を最短⼆年で卒業。文化庁海外新進芸術家派遣員として、パリ国立高等音楽院に首席入学し、ミシェル・アリニョン、パスカル・モラゲス両氏のもとで研鑽を積み、ジュネーヴ国立高等音楽院では、ロマン・ギュイヨ氏に師事した。第19回欧日音楽講座に於いて、ミシェル・アリニョン特別賞を特設され授与。第5回東京音楽コンクール木管部門第1位及び聴衆賞。サイトウ・キネン・フィスティバル松本(現セイジ・オザワ 松本フェスティバル)+松本市民芸術館共同企画「兵⼠の物語」に2011年から毎年出演。2014 年「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン」のソリストに抜擢され、全国ツアーに参加し、巨匠ペーター・シュミードル氏とクロンマー:2台のクラリネットのための協奏曲を演奏。同年テビューアルバムをリリース。2016 年、2ヶ月連続でテレビ朝日「題名のない音楽会」に出演し、音楽業界の注目を集める。同年10月にはウィーンフィル首席奏者、ダニエル・オッテンザマーの代役として神戸国際芸術祭(音楽監督:ヘーデンボルク・直樹)へ鮮烈デビュー。2017年、若き巨匠、小菅優氏とのデュオ公演で欧州ツアーを成功裏に終える。2018年2月にはロンドンの名門ウィグモアホールへデビュー。2019年6月にはサントリーホールでキュッヒル・クァルテットとブラームス:クラリネット五重奏曲を共演。2019年2月に王子ホール(東京)で⾏われた小菅優氏とのリサイタルは、朝日新聞「回顧2019音楽クラシック」で取り上げられ、絶賛された。2020年には、文部科学省学習指導要領令和2年度改訂版教育芸術社小学校音楽教科書準拠の副教材「小学生の音楽鑑賞・表現」で演奏が紹介された。これまでにサイトウ・キネン・フィスティバル松本、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン、ルツェルン・フェスティバル・アークノヴァ、サントリホール チェンバー・ミュージック・ガーデン等の⾳楽祭や国内外のオーケストラにソリストとして招かれる他、⽇本、フランス、ドイツ、オーストリア、イギリス、スイス、中国でリサイタル、室内楽公演を重ねている。テレビ朝⽇「題名のない⾳楽会」、NHK「クラシック倶楽部」等メディア出演も多数。パリと東京に在住。

小菅優
高度なテクニックと美しい音色、若々しい感性と深い楽曲理解で最も注目を浴びている若手ピアニストの一人。2000年にドイツ最大の音楽評論誌「フォノ・フォルム」より、ショパンの練習曲全曲録音に5つ星が与えられた。9歳より演奏活動を開始、2005年ニューヨークのカーネギーホールで、翌2006年には、ザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタルデビューを行い、大成功を収めた。
これまでにドミトリエフ、デュトワ、小澤、大植、ノリントン、オラモ等の指揮でベルリン響、フランクフルト放送響、シュトゥットガルト放送響、ハノーファー北ドイツ放送フィル、サンクトペテルブルク響、フィンランド放送響、最近ではノットスイスロマンド管と共演。ザルツブルクをはじめラインガウ、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン等の国際音楽祭にも出演し着実に活躍の場を広げている。2010年ザルツブルク音楽祭で、イーヴォ・ポゴレリッチの代役としてフィリップ・ヘレヴェッヘ指揮カメラータ・ザルツブルクと共演し、絶賛を博した。2012年4~5月、紀尾井シンフォニエッタ(指揮:ティエリー・フィッシャー)のアメリカ・ツアーに参加、10~11月にはハンスイェルク・シェレンベルガー指揮カメラータ・ザルツブルクの日本ツアーに参加、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第27番までの全8曲を共演し、高い評価を得た。2013年2月、服部譲二指揮ウィーン室内管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノム」を共演、ウィーンデビュー。そしてロンドンのウィグモアホールでリサイタルを行いロンドン・デビューを果たした。2010年から15年にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会(全8回)を東京、大阪で行い各方面から絶賛を博した。さらに現在はソロだけでなく室内楽や歌曲伴奏を含む、ベートーヴェンのすべてのピアノ付き作品を徐々に取り上げる新企画「ベートーヴェン詣」に取り組んでいる。
録音はソニーから発売している「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5巻『極限』を含む15枚のCDをはじめ数多い。
第13回新日鉄音楽賞、2004年アメリカ・ワシントン賞、第8回ホテルオークラ音楽賞、第17回出光音楽賞を受賞。2014年に第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞、2017年に第48回サントリー音楽賞受賞。2016年秋、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集完結記念ボックスセットをリリース。2017年秋より取り組んでいる4つの元素「水・火・風・大地」をテーマにした新リサイタル・シリーズ『Four Elements』が今秋で最終回を迎える。

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)

掲載: 2020年10月07日 00:00

更新: 2020年10月26日 17:30