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ズヴェーデン&香港フィル/マーラー:交響曲第10番(メンゲルベルク版)&ショスタコーヴィチ:同第10番


[Naxos Music公式YouTubeページより]

ズヴェーデンと香港フィルによるマーラーとショスタコーヴィチの交響曲第10番という重量級カップリング
マーラーは近年出版されたメンゲルベルク版の世界初録音!

2019年12月13日と14日、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの指揮する香港フィルは「"9番"の呪縛を越えて」と題するコンサートを行いました。前半がマーラーの交響曲第10番よりアダージョ(第1楽章)とプルガトリオ(通常は第3楽章、メンゲルベルク版では第2楽章と表記)、後半がショスタコーヴィチの交響曲第10番という重量級のプログラムで、特に注目を集めたのがメンゲルベルクの校訂版を使ったマーラー。
マーラーが未完成で遺した第10番について、アルマ・マーラーはベルクとクシェネクのサポートを受け、アダージョとプルガトリオはほぼ演奏可能な状態と判断、クシェネクに補筆を依頼しました。アルマはメンゲルベルクに初演を託したかったようですが、実際は1924年10月12日にフランツ・シャルク指揮ウィーン・フィルにより初演されます。同年11月27日にはメンゲルベルク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団がオランダ初演を行いましたが、この際にメンゲルベルクはマーラーの遺した資料に加えてシャルクが初演に使ったスコアを提供され、アルマから独自の改訂を行う同意を得ました。メンゲルベルクは、コンセルトヘボウ管の副指揮者で作曲家だったコルネリウス・ドッパーをアシスタントとしてスコアをブラッシュアップ。そのスコアはハーグのメンゲルベルク・アーカイヴに、パート譜はコンセルトヘボウ管のライブラリーに保存されています。大手楽譜出版のショット社はメンゲルベルク財団及び音楽学者マリヌス・デーヘンカンプとの共同作業で、この「メンゲルベルク版」を校訂して出版。その初演を託されたのがアムステルダム生まれで、コンセルトヘボウ管のコンサートマスターを務めたズヴェーデンでした。彼は香港での初演の翌2020年1月8日に、メンゲルベルク自身がこの曲を指揮したコンセルトヘボウ管とともにアムステルダムで演奏しました。

注目度という点ではマーラーが勝ってしまいますが、地元紙が「正確無比な演奏が非情さと恐怖さえ呼び覚ます」と評したショスタコーヴィチの第10番の演奏も素晴らしい出来栄えで、このコンビのベスト・ディスクの一つとなることでしょう。ちなみにショスタコーヴィチは1942年にマーラーの10番の補筆を依頼されましたたが断っています。

1924年、マーラーの交響曲第10番の第1、第3楽章(クシェネク版)をシャルクが初演した直後、メンゲルベルクもまた、作曲家ドッパーとともに独自のバージョンを作り、両楽章を演奏していた。当盤はその楽譜による世界初録音だ。随所に加えられた改編は大胆で、特に第3楽章は、クック版を聞き慣れた人なら衝撃を受けるだろう。この曲の演奏史においても、メンゲルベルクのマーラー観を知るうえでも興味が尽きない録音だ。(増田良介)
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
グスタフ・マーラー(1860-1911):
交響曲第10番 嬰ヘ長調(1910)
(W. メンゲルベルク&C. ドッパー、による演奏会用版)…世界初録音
1. I. Adagio 24'44
2. II. Purgatorio 4'19

ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲第10番 ホ短調 Op. 93(1953)
3. I. Moderato 22'14
4. II. Allegro 4'32
5. III. Allegretto 12'01
6. IV. Andante - Allegro 13'35

【演奏】
香港フィルハーモニー管弦楽団
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン (指揮)

【録音】
2019年12月13-14日(ライヴ)

輸入盤

 

輸入盤:国内流通仕様

※国内仕様盤には増田良介氏による日本語解説が付属します

 

カテゴリ : ニューリリース | タグ : GUSTAV MAHLER

掲載: 2022年10月07日 18:00