Naxos~2025年4月発売新譜情報(10タイトル)
CD(10タイトル)
■作品詳細
今回はポッペンが指揮するモーツァルトのミサ曲全集第5集に、ファジル・サイのヴァイオリン協奏曲第2番他、世界初録音3曲を含むアルバム、イタリアの現代作曲家ペトラッシの管弦楽のための協奏曲第1番-第3番、ウクライナ出身のアレクセイ・ショールの作品集第3集、マイケル・ドアティの『飛行』にまつわる作品集など、世界初録音を含むCD10タイトルがリリースされます。
モーツァルト:ミサ曲全集 第5集 - K. 139, 259, 337
クリストフ・ポッペン(指揮)ケルン室内管弦楽団、ケルン大聖堂声楽アンサンブル
クリストフ・ポッペンが指揮するケルン室内管弦楽団によるNAXOSのモーツァルトのミサ曲全集シリーズ。この第5集も第4集に続き、1996年設立のケルン大聖堂声楽アンサンブルが合唱を担当しています。アルバムには「孤児院ミサ」と呼ばれるモーツァルト12歳の大規模な作品を中心に3曲を収録。「孤児院ミサ」K.139はウィーンの孤児院の教会の献堂式のための作品で、父レオポルトの助言を受けながらもトロンボーンやトランペットを含む大規模な編成で書かれており、初演時はウィーナー・ツァイトゥング紙でも大絶賛されました。ハ長調ミサK. 259は1775年~76年の作品。「オルガン・ソロ・ミサ」と呼ばれるのは、短いクレドとサンクトゥスが終わると、曲がト長調に転じ、オルガンがソリストを華やかに先導することに由来します。荘厳ミサ曲 K. 337は1780年に書かれたザルツブルク大司教のための最後の作品。ファゴットを用いた優雅なオーケストレーションなど細部まで工夫が凝らされています。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
ファジル・サイ(1970-):ヴァイオリン協奏曲第2番、レパード、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、弦楽四重奏曲
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)、グロピウス・カルテット
2005年、サンパウロ生まれのヴァイオリニスト、ギド・サンタナ。2018年にユーディ・メニューイン国際コンクールに参加、聴衆賞と室内楽賞を受賞した後、2022年、フリッツ・クライスラー国際ヴァイオリン・コンクールで南米出身の奏者として初の優勝を果たしました。現在は、クロンベルク・アカデミーで学びつつ、ブラジル、ヨーロッパ、韓国ほか世界各国の主要オーケストラと共演しています。
このアルバムでは、2020年からサンパウロ交響楽団の音楽監督兼首席指揮者を務めるティエリー・フィッシャーとともに、メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏。名曲中の名曲とも言える王道レパートリーに向き合い、1874年製ジャン=バティスト・ヴィヨームのヴァイオリンを操り、張りのある美しい音色と豊な感性に支えられた演奏を披露します。
(ナクソス・ジャパン)
ゴッフレード・ペトラッシ(1904-2003):管弦楽のための協奏曲第1番 - 第3番
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)ローマ交響楽団
ゴッフレード・ペトラッシはイタリアの作曲家、教育者、指揮者。ローマのサルヴァトーレ教会で聖歌隊を務めた後、サンタ・チェチーリア音楽院で学び、後に教師となりました。1937年から1940年にかけては、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場の監督を務め、現代音楽のフェスティバルを主宰しました。
「管弦楽のための協奏曲 第1番」は、1933年に作曲を開始し、翌年に完成しました。1935年にベルナルディーノ・モリナーリの指揮で初演されています。第1楽章は鋭い音型によるテーマで始まり、金管楽器とピアノが主導します。アダージョでは、弦楽器の旋律をクラリネットとオーボエが引き継ぎ、トランペットとピアノが深みを加え、サクソフォンの印象的な旋律で曲を閉じます。終楽章では、金管楽器の壮大な響きとともに曲が締めくくられます。「第2番」は、1951年にパウル・ザッハーの委嘱で作曲され、1952年にバーゼルで初演されました。4つの楽章は連続して演奏されます。弦楽器のポリフォニーで始まり、木管楽器が躍動的に展開する第1楽章に続き、アレグレットでは、木管と弦楽の対話が突如として爆発的な響きへと発展、緩やかな楽章へ移行します。終楽章では速いテンポのもと、独奏楽器の掛け合いが続きます。「第3番」は、1952年から翌年にかけて作曲され、1953年に初演されました。第1楽章は、打楽器と金管楽器の導入で始まり、緊張感のある展開を見せます。間奏曲風の第2楽章を経て、終楽章は軽快に始まり、最後はシンバルの一撃で意外なほどあっさりと締めくくられます。
(ナクソス・ジャパン)
ヴィルトゥオーゾ - ユーフォニアムとブラスバンドのための作品集 - ツィゴイネルワイゼン、ヴェニスの謝肉祭、浜辺の歌 他
デイヴィッド・チャイルズ(ユーフォニアム)、ブラック・ダイク・バンド、ニコラス・チャイルズ(指揮)
【ユーフォニアムの名手デイヴィッド・チャイルズ、叔父ニコラスとともに名曲を演奏!】
英国の音楽一家に生まれたユーフォニアム奏者デイヴィッド・チャイルズ。高名なユーフォ二アム奏者ロバートを祖父に持ち、幼い頃からコーリー・バンドの指揮者を務める父、ロバート・チャイルズの指導を受け才能を発揮。2000年にBBCヤング・ミュージシャン・オヴ・ザ・イヤー・コンペティションでユーフォニアム奏者として初めてファイナリストになりました。父のバンドで10年以上にわたり首席奏者を務めた他、指導者としても活躍。英国とアメリカを中心に楽器の魅力を伝えています。
この“ヴィルトゥオーゾ”と題されたアルバムでは、オリジナル曲の少ないユーフォニアムのために、様々なアレンジャーが楽器の特質を生かしつつ、時にその限界に挑戦するかのような編曲を施した超絶技巧を駆使する作品が、彼の叔父であるニコラス・チャイルズが指揮する名門ブラック・ダイク・バンドをバックに披露されます。伝承曲から、モーツァルト、ロッシーニなどの古典的な名曲、そして見事なショーピースまで様々なレパートリーを集められており、「クリアでフォーカスされた音」とベルベットのように「柔らかくふくよかな音」を巧みに吹き分けるチャイルズの演奏を存分に味わえる1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
マイケル・ドアティ(1954-):ブルー・エレクトラ、サーフでのラスト・ダンス、新世界へ
デイヴィッド・アラン・ミラー(指揮)オールバニ交響楽団、アン・アキコ・マイヤース(ヴァイオリン)、エリッサ・ジョンストン(ソプラノ)
グラミー賞受賞作曲家、マイケル・ドアティの『飛行』にまつわる作品集。「ブルー・エレクトラ」 は、女性飛行士アメリア・イアハートの波乱に満ちた人生と、謎の失踪に着想を得たドラマティックなヴァイオリン協奏曲。イアハートは、1932年に女性として初めて大西洋単独横断飛行を成功させ、1937年には赤道上世界一周に挑戦しましたが、南太平洋上で消息を絶ちました。曲のタイトルは、彼女の愛機「ロッキード・エレクトラ10E」に由来し、4つの楽章では勇気や挑戦など、彼女のさまざまな心情が描かれています。独奏は名手アン・アキコ・マイヤース。見事なヴァイオリンを披露します。「サーフでのラスト・ダンス」 は、ロックンロールの伝説的シンガーソングライター、バディ・ホリーを題材にした作品です。ホリーは1959年、最後のツアー「ウィンター・ダンス・パーティー」の11日目にアイオワ州クレアレイクの「サーフ・ボールルーム」でパフォーマンスを行い、その数時間後、飛行機事故により悲劇的な死を遂げました。この曲はホリーの想い出に捧げられています。「新世界へ」 は、アポロ11号による人類初の月面着陸を記念した作品。トラック6冒頭にはケネディ大統領による「我々は月に行くという選択をした」というスピーチとアポロ11号発射の際のカウントダウンの記録音声、トラック7冒頭にはアポロ11号のニール・アームストロング船長の「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」という有名な記録音声が使われています。グラミー賞受賞指揮者デイヴィッド・アラン・ミラーが指揮するオールバニ交響楽団の演奏で。
(ナクソス・ジャパン)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):オラトリオ「復活」 HWV 47(2枚組)
アッティリオ・クレモネージ(指揮)ハレ・ヘンデル祝祭管弦楽団
ヘンデルの「復活」は、1707年に作曲された彼の初の宗教的オラトリオ。キリストの受難から復活までの出来事を扱っており、劇的な音楽が特徴です。中でもキリストの死を悼む歌と天使とルシファーの激しい応酬が聴きどころ。ヘンデルはカペーチェの台本からインスピレーションを得て、多彩な楽器編成による輝かしくドラマティックな音楽を書きあげており、1708年4月の初演時にはアルカンジェロ・コレッリが指揮者を務め、聴衆や批評家の間でセンセーションを巻き起こしました。しかし、この上演に女性歌手マルゲリータ・ドゥラスタンティが参加したため、当時のローマの規則に反すると教皇クレメンス11世から戒告を受けています。とはいえ、ヘンデルはこの作品を気に入っていたようで、モチーフやセクションを後の歌劇やオラトリオに転用しています。ヘンデルをはじめとするバロック・オペラをレパートリーにするマッズーリやトムキェヴィチの生き生きとした歌唱に加え、指揮者アッティリオ・クレモネージが1708年にローマで行われたこの作品の初演について広範囲にわたる研究を行い、その成果を演奏に生かしています。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
ロベルト・シエッラ (1953-):室内楽とピアノ作品集 - 6つの介在期間、小品、ヴァイオリン・ソナタ他
シェリル・セルツァー、ジョエル・サックス(指揮)コンティニューム(アンサンブル)
ラテン・グラミー賞の受賞経験がある作曲家ロベルト・シエッラ。カリブ音楽と独創的なモダニズムが融合した作風は世界的に評価されています。このアルバムには彼のおよそ10年にわたる作品が収録されており、時間の概念やソナタ形式の革新的な応用、ラテン・アメリカ音楽のイメージ喚起といったテーマが探求されています。聴き手に「音楽は時間を刻むものなのか、それとも時間を変容させるものなのか」と問いかける「6つの介在期間」、シェリル・セルツァーとジョエル・サックスのために作曲された様々な音楽的アイデアが生かされた「小品集」、作曲者が過去10年間にわたって追求したソナタ形式によるヴァイオリン・ソナタ、その形式を更に発展させたヴィオラ・ソナタ第1番。どちらのソナタにもラテンのリズムが用いられています。ニューメキシコ州の地名“エンジェルファイア“からインスパイアされた「天使の炎」は、ルネサンス期や植民地時代のラテンアメリカの宗教画に見られるような、善と悪の天上の戦いを想起させます。1983年のプエルトリコでのツアー以来、シエッラとコンティニュームは良好な関係を保ち、数多くの彼の作品を初演、録音。またメンバーのチェリスト、クリスティーナ・レイコ・クーパーはデュオ「クリスティーナ・アンド・ローラ」での活躍も知られています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
アレクセイ・ショール(1970-):作曲家のノート 第3集 - 幼年時代の思い出、ヴェルディアーナ
マッシミリアーノ・カルディ、ダニエル・ライスキン(指揮)キーウ・ヴィルトゥオージ、レミ・ジュニエ(ピアノ)、ファブリツィオ・メローニ(クラリネット)
現在ニューヨークを拠点に活動するウクライナ出身のアレクセイ・ショール。彼の作品は、国際的に活躍する音楽家たちによって、多くの演奏や録音が行われています。この『作曲家のノート 第3集』にはショールの3作品を収録。「幼年時代の思い出」は、もともと14楽章で構成されていたピアノ曲を、オーケストラと共演するために9楽章の組曲にアレンジしたもの。幼少から青年、成人へと至る過程での思い出をたどりつつ心の成長も音で描く、物語的な構成です。冒頭の「ホタルを追いかけて」は、軽快なテンポと遊び心のあるやり取りが特徴で、好奇心と興奮を象徴。続く「花咲く五月」は、流れるようなメロディーと豊かなハーモニーで春の美しさを表現します。「砂場」は、活気あるリズムと鮮やかなオーケストレーションが子供の想像力を描き「砂時計」は時間の経過を象徴する内省的な雰囲気が漂います。「夏の終わりの日々」はメランコリックな雰囲気で、過ぎ去る日々への郷愁を表現。「純真さ」はシンプルなテクスチャと和声で子供時代の無邪気さを強調し「成人」ではドラマティックなクライマックスを展開。「憂鬱」は組曲の中で最も内省的な楽章となり、最後の「初恋」でロマンティックで情熱的な結末を迎えます。「マリオネット・ワルツ」 は、組曲のアンコールとして機能し、ワルツのリズムを基に親しみやすいメロディーを展開。軽やかながらも抒情的であり、聴き手の心に余韻を残します。2013年のエリザベート・コンクールでギルトブルグに次ぐ第2位となり、国際的に活躍、日本でも人気のあるレミ・ジュニエが作品にふさわしい洒落っ気と抒情味のある演奏を聴かせます。ラテンアメリカ・ツアーの際に作曲された「ヴェルディアーナ」はジュゼッペ・ヴェルディへのオマージュ作品。ヴェルディの《イル・トロヴァトーレ》《仮面舞踏会》《ドン・カルロ》《リゴレット》から有名なメロディーのいくつかを、サンバ、ボサノバ、タンゴなどのラテンスタイルにアレンジ。クラシック音楽の愛好家にも一般のリスナーにも同様にアピールする、親しみやすい作品が生まれました。かつてミラノ・スカラ座管弦楽団の首席クラリネットを務め、ヴェルディの旋律に人一倍親しんでいるメローニが歌心のあるソロを聴かせます。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
ルイス・ウンベルト・サルガード(1903-1977)::室内楽作品集 第2集 - ヴァイオリン・ソナタ、ピアノ五重奏曲第2番、小品集
カンザス・ヴィルトゥオージ
ルイス・ウンベルト・サルガードは、エクアドル出身のピアニスト兼作曲家です。ピアノ・リサイタルを行いながら、キトの国立音楽院で音楽理論を教えるなど教育活動にも尽力しました。また、新聞のコラムではヨーロッパの音楽シーンを紹介し、作曲家としてはエクアドルを離れることなく独学で作曲を学んでいます。彼の作品には、十二音技法を取り入れた先駆的なものがあり、民族主義とモダニズムを融合させた作風が特徴です。エクアドルの民俗音楽に基づく作品や、無調で複雑な和声言語を持つモダニズム的な作品も手がけました。生前は作品が演奏される機会は稀でしたが、近年では録音の機会が増え、再評価が進んでいます。アルバムの最初の2曲は、エクアドルを代表する音楽ジャンルであるサンフアニートで、ヴァイオリン2、チェロ、コントラバス、クラリネット、フルートの六重奏版で演奏されています。次に収録されている「未来派のサンフアニート、ミクロダンサ」はピアノのための小品で、十二音技法を用いながらも民族音楽の要素を保持した、彼の代表作の一つです。そのほか、ヨーロッパのワルツから派生したパシージョに基づく「夜に」、作詞家としても卓越した才能を発揮したソプラノのための歌曲、親交のあったチェリスト、ボグミル・シコラに捧げられた「スペイン狂詩曲」、さらにヴァイオリン・ソナタと小品、エクアドルの民族舞踊を取り入れた「ピアノ五重奏曲第2番」など、個性的な作品を楽しむことができます。
(ナクソス・ジャパン)
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):ソナタ全集 第30集
ファン・リーシャン(ピアノ)
ドメニコ・スカルラッティの555曲の鍵盤ソナタは、ポルトガルのマリア・バルバラ王女のために書かれたと考えらており、18世紀スペインの宮廷音楽の魅力を伝えるとともに、その芸術性によって今なお演奏家や愛好家を惹きつけています。各々のソナタの正確な作曲年代を特定するのは困難で、一般的にはカークパトリックによる分類が用いられています。このアルバムには17曲のソナタを収録。活気に満ちたリズミカルなK. 298をはじめ、オーケストラを思わせる豊かな響きを持つK. 356や、スペイン風のリズムが強調されたK. 366、シンコペーションや抒情的表現を特徴とするK. 489などが演奏されており、スカルラッティの鍵盤音楽の多面性が明確に示されています。演奏するファン・リーシャンは中国出身。スタインウェイ アーティストとして認められる傍ら、教育者としても活躍。カリフォルニアのエンパイアミュージックアカデミーの創設者兼芸術監督を務めるほか、幅広く活動しています。
(ナクソス・ジャパン)
2025年3月発売タイトル
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2025年03月19日 18:00