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インタビュー

ワールドワイド・ワイルド・ウィアードなサウンドを解剖

 

今回の『WORLD WILD 2010』のテーマは〈ワールド〉ということで、とりわけシンボリックなのは昨年あたりから一部で話題のファンキー・コタ(ファンコット)を導入していることでしょう。ファンキー・コタとはインドネシアのダンス音楽で、笑っちゃうほどアッパーでエネルギッシュで猥雑なローカル感に溢れた風情はポンチャックやタイ・ディスコなどにも通じるものです。今回参画したDJ JET BARONG aka 政所は先述の日本でファンコット布教に努めるそのスジの第一人者でありますね。で、それと並ぶ要素として重要なのはバイリ・ファンキです。TIGARAHのようなバイレクトロに通じるぶっ込み感もありつつ、ここでの取り上げ方はHNCが名作『CULT』で披露したようなふんわり感もあって、少しキッチュでウィアードな感じは、言ってみればケシャの“Tik Tok”なんかを連想させたりも。なお、S@dの“BABY tell me”で聴けるスウィンギーな加減速トロはケシャも含むUSのメインストリーム・ポップに通じていたり。ファンクな雰囲気を手繰るPerfumeの“ナチュラルに恋して”にも感じたことですが、一面的に捉えられがちなこのタイプのエレクトロ・サウンドが多様な形で推進されているのは頼もしいですね!

 

▼関連盤を紹介。

左から、TIGARAHの2009年作『The Funkeira goes BANG!』(ユニバーサル)、HNCの2009年作『CULT』(WHITE LILY)、ケシャの2010年作『Animal』(RCA)、Perfumeのニュー・シングル『不自然なガール/ナチュラルに恋して』(徳間ジャパン)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年05月18日 22:40

更新: 2010年05月18日 23:08

ソース: bounce 320号 (2010年4月25日発行)

文/出嶌孝次

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