こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

INTERVIW(2)——倍音成分が出る音程



倍音成分が出る音程



Yun*chi



――今回の作家陣ではどうでしょう。

「COR!Sちゃんっていう女の子のクリエイターは、デビューする前にTwitterで出会ったんです。よくリプライをくれる女の子だったんですよ。写真をTwitterにアップした時に〈かわいい!〉って言ってくれて。DTMをやってるっていうのは知ってて気になってたら、私のデビューが発表になった時期に曲のデモを送ってきてくれて。〈叶うことはないと思いますけど、Yun*chiさんの声が好きなので、歌ってもらうならこういう曲がいいなと思って作りました〉と言ってくださって。それが去年の9月なんですけど、11月にもう2回目のデモを送ってきてくれたんですよ。その曲がすごく良くて。作ってきてくれたっていうのも嬉しくて。あと、女の子なのにがんばり屋さんで諦めたくないっていう積極性が自分に重なって、すごく好きだなと思って。で、デモとして送ってきてくれた曲をスタッフみんなに渡したら、結構気に入ってくれて〈これはもう出すことにしよう〉っていう話になって。それが“Road*”なんです」

――なるほど、それはCOR!Sさんもすごいですね。

「そう、歌詞も書いてくれたんですけど、それもいいんですよ! 私の身体が小さいことも知ってるし、〈その小さな足で未来へ向かってがんばって歩いていこう〉みたいな曲にしてくれていて。そのわりに曲はすごいガーリーでドーリーな、妖精の世界のような可愛い曲だったりするんです」

――Avec Avecの細川拓久真さんはどんな感じですか?

「拓久真君も、去年のデビュー前ぐらいにMaltineから“おしえて”っていう曲をAvec Avecとして出していて。すごい好きだなって思っていたら、kzさんのCDに参加した時に、1曲目のリミックスで参加してらっしゃって。そこで、キャッチーな歌モノをこういうふうに破壊する人なんだと思って、すごい魅力を感じて。何かいっしょにできたらいいなと思って、そうしたら、彼は大阪の方なんですけど、たまたま東京でやるイヴェントがあったんで、そこに押しかけました(笑)。〈Yun*chiって言うんですけど〉〈あ、知ってます!〉って挨拶して。いつも、基本は特攻的な感じで行ってます(笑)」

――そうなんですね。

「で、全員に同じこと言われるんです。普段は焼き鳥が好きで、居酒屋が好きでおじさんみたいなんですけど(笑)、〈歌声だけはほんとに天使だよね〉って。〈可愛いよね、声は〉って言ってくれるっていう」

――あはははは。声に関しては自分でも昔から自信を持っていたところだった?

「いや、この声のせいでいじめられたりしましたからね、やっぱりアニメ声だし。でもいまは、武器になるものだし、使っていけたらいいなって思ってます」

――自分の声については、どういうところが武器だと思います?

「声質だけで表現力があるというか。普通に歌ってるんですけど、オートチューンがかかってるように聴こえたりするらしいんで、すごい不思議だなと思って。倍音成分が多いらしいんです。だから機械っぽい声に聴こえるのかな。だから、自分のそういう声を意識してからは、逆にそういうふうな声が出る音程みたいなのを作曲家の方たちみんなにそれぞれ探ってもらって」

――自分の声の表現力みたいなものをより広げていこう、と。

「たとえば“Shooting star*”を作ってくれたHUMさんは、いっしょにやるの初めてだったんですよ。で、ピアノやアコースティック・ギターやヴァイオリンとか生の音だけで音数が少ないから〈い、いいのかな?〉みたいな感じだったんです。でも、そういうところがあるから、あえて他(のトラック)を下げて生音の曲でバラードっぽくしたほうが目立つからってHUMのお二人が言ってくださって。あと、歌詞のなかに〈ぜんぶが叫ぶ Cry〉っていうところがあって、そこの時にそういう音になるんですよ、私の声が。だから、切ないバラードだけど、自分らしい感じになったと思うし」

――今作は、曲調の幅がやたら広いですよね。

「そう! “dual*”とかはトラップ・ミュージックなので、(デモのメロディー)を抜いちゃうと歌を歌えないぐらいのドタドタ感で(笑)」

――変なリズムですもんね。

「一昨日ぐらいに拓久真君に会って〈ライヴでやる時とかに何かコツないんですか?〉って訊いたら、〈ありません!〉って言われました(笑)」


カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2013年04月17日 18:01

更新: 2013年04月17日 18:01

インタヴュー・文/柴 那典