インタヴュー:ジョン・ロブ(『ザ・ストーン・ローゼズ・ストーリー 誕生と、解散と、復活と。』著者) /2
——レニとの出会いもリハーサル室が最初ですか?
「そうだね。別のリハーサル室だが。髪の毛がクルクルしていて小さな子どもみたいだったよ。自分の所持品からなにから、そこら中にバンドの名前を書いていてね。インターネットもない時代には、バンドの地名度を上げるにはそれが当たり前だったんだが、やりすぎて問題になったこともあったな」
——この書籍の刊行当時のメンバーからの反応は?
「喜んでくれていたよ。街で偶然マニがお父さんと歩いているところに出くわしたんだ。マニのお父さんのほうがじっくり読んで堪能してくれたらしい(笑)」
——一連のブームを知るものにとっては、“世界一のバンド”というイメージが焼き付いているのですが、アルバムチャートやセールスといった数字だけを見ると、ザ・ストーン・ローゼズというバンドの偉大さが分かりにくい部分があります。本書でも語られているバンドの偉大さや、彼らがUK音楽シーンにどう影響を与えたのか少しだけ教えてもらえますか。
「彼らはアンダーグラウンドとメジャーの垣根をとっぱらったんだよ。それまでは売れているといっても、インディーズは所詮アンダーグラウンドの世界の話だった。ところが彼らが道を切り開いたことで、インディーズの世界にとどまらず、世界のどこでも“売れている”メジャーバンドとしても認められるようになったんだ。オアシスがまさにその例さ。オアシスがあれだけ売れたのは、彼らがデビューしたときには、ローゼズが切り開き育てて来たファンベースがあったからだ。彼らの存在により誰もが“世界で一番売れているバンド”という意識を持つようになったんだよ」
ジョン・ロブ プロフィール
1961年ブラックプール生まれ。マンチェスターを拠点とする英国音楽ジャーナリストとして『サンデー・タイムズ』他メジャー新聞紙や『メロディ・メーカー』などの音楽紙に数々寄稿。“ブリットポップ”の命名者としても有名。インディーズのパンクロックバンド、ザ・メンブレインズやゴールドブレイドのメンバーとして音楽活動も続ける。2011年よりロック・ポップカルチャーウエブマガジン、Louder Than War(http://louderthanwar.com)を運営。ザ・ストーン・ローゼズの再結成ニュースやシークレットギグなども最初に発信し、UKミュージックシーンにおける重要なサイトとして急激なスピ−ドで注目を集めている。