「名作コンシェルジュ」掲載!イストミン「シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番」
2022年6月12日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に紹介されました
パリッと乾いた響き 異世界への扉開ける(鈴木淳史氏評)
作家の村上春樹氏が著書『海辺のカフカ』『意味がなければスイングはない』で2度にわたり取り上げたことで知られるLP時代の名盤、ユージン・イストミンが弾くシューベルトのピアノ・ソナタ第17番が 2022年6月12日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。
鈴木氏はシューベルトのピアノ・ソナタ第17番について「ちょっと風変わりな曲だなと思っていた。いわゆる作風の過渡期にあらわれがちな、アンバランスさも否めない」とし、「そんなぼんやりしたイメージに目鼻を与え、価値観の転換を促したのが、村上春樹の小説だった」と指摘。「このソナタの妙味を作家に気づかせたのは、ユージン・イストミンによる演奏だった」と紹介した上で、イストミンの演奏が「パリッと乾いた響きが心地いい。醒めているというより、超然としているといったらいいか。たとえば、ぐるぐると目が回るような展開部など、たとえ目の前で不思議なことが起きても、それに気づかずに巻き込まれているような立ち位置」と解説。「シューベルトの音楽の魅力は、日常から非日常への軽やかなダイブだ」とした上でイストミンの演奏は「流れの良さと、フレキシブルなバランス感覚。 シューベルトが仕掛けた異世界への扉を軽快な身ぶりで開け続ける」と評しています。
(タワーレコード)
ユージン・イストミン
【曲目】
シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 作品53 D 850
【演奏】
ユージン・イストミン(ピアノ)
【録音】
1969年6月23日、9月3日、コロンビア30丁目スタジオ、ニューヨーク
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(文藝春秋)
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カテゴリ : Classical
掲載: 2022年06月13日 12:00