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セルゲイ・ラニマニノフ (1873.4.1-1943.3.28) 生誕150年・没後80年 記念特集

ラフマニノフ特集

2023年4月1日は、ピアノ協奏曲第2番や「パガニーニの主題による狂詩曲」で名高いピアニスト、作曲家、セルゲイ・ラフマニノフの生誕150年の誕生日にあたります。

作曲家ラフマニノフ

ラフマニノフはロシア北西部ノヴゴロド州のオネグ出身。貴族の家庭で育ち、9歳でペテルブルク音楽院に入学。従兄でリストの高弟ジロティの勧めでモスクワ音楽院に転じ、ピアノをジロティとスヴェレフに、作曲をアレンスキーとタネーエフから学びました。生前のチャイコフスキーにその才能を愛され、1891年、18歳でモスクワ音楽院ピアノ科を大金メダルを得て卒業しました。彼の作品はピアノ曲が飛びぬけて有名ですが、交響曲や室内楽曲、オペラなど多岐にわたっています。ここにご紹介する英デッカが発売したCD-BOX『ラフマニノフ作品全集』は、自社のアシュケナージ、プレトニョフ、コチシュ、ボレットら名ピアニストによる名盤だけでなく、他のレコード会社、シャンドス, オンディーヌ, ペンタトーン, エクストン, マーキュリーの音源も借りることによって完成した全集で、実にCD32枚を要しています。いかにラフマニノフが多方面に作曲したかがわかるBOXで、ラフマニノフの音楽が無ければ夜も日も明けない、という方に真っ先にオススメしたいBOXです。


ピアニスト・ラフマニノフ

ロシア革命でスイスに亡命した後は、ピアノのヴィルトゥオーゾとして活躍しました。当時開発されたばかりのレコードにもCDに直して約10枚分の録音を残しています。また、同時代のヴァイオリンの名手フリッツ・クライスラーと仲が良く、お互いの曲をお互いの楽器に編曲したり、ベートーヴェンやシューベルトのヴァイオリン・ソナタを共演録音したりしています。ここに挙げた5月24日発売予定のCD-BOX『セルゲイ・ラフマニノフ全集』はピアニスト、指揮者としてのラフマニノフの全録音を収録したもので、前記したクライスラーとの共演録音も入っています。1919~1942年の古いモノラル録音なので、ノイズなどもありますが、実際のラフマニノフの演奏が聴けるということで、世界遺産的な価値をもった10枚組と言えるでしょう。

1939年に第2次世界大戦が勃発すると、ヨーロッパを離れアメリカへ渡り、1942年にはビバリーヒルズに居を構えますが、1943年3月28日、70歳の誕生日を目前にして悪性黒色腫のための亡くなりました。

ここではラフマニノフの有名曲5曲を選び、その美しさについてご紹介いたします。
(タワーレコード 商品統括部 板倉重雄)

(1)ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 (1900~01年作曲)

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がクラシック・ファンだけでなく、一般に広く知られるようになったのはラフマニノフ没後、1945年のデヴィッド・リーン監督のイギリス映画『逢びき』によってです。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の切なく甘美な旋律が、中年の淡い不倫の恋を描いたメロドラマのムードをいやが上にも高め、多くの映画好きを魅了しました。この映画は1946年のカンヌ国際映画祭のグランプリと批評家賞を受賞。日本でも1948年に公開され、人気を呼びました。


【参考映像】藤田真央(ピアノ)/ピアノ協奏曲第2番より
シャイー指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団 2022年収録

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(2)パガニーニの主題による狂詩曲 イ短調 作品43 (1934年作曲)

ヴァイオリンの伝説的なヴィルトゥオーゾ、パガニーニ(1782~1840)はソロ・ヴァイオリンによる「24のカプリース」を作曲。この作品は後世の作曲家にインスピレーションを与え、とくに第24番はリスト、ブラームス、ルトスワフスキなど多くの作曲家が、その素材を使った作品を創造しました。ラフマニノフも、このテーマをもとに万華鏡のように色彩的な24の変奏曲を作曲。たいへん技巧的な作品ながら、ラフマニノフらしい抒情的なメロディーの美しさもあり、とくに第18変奏は単独で演奏されるほと有名です。この第18変奏も、その後のクリエイターをインスパイアし続けています。特に映画での使用は「三つの恋の物語」「ラプソディー」「ある日どこかで」「愛と死の間で」「恋はデジャブ」など枚挙にいとまがないほどです。


【参考映像】ルガンスキー(ピアノ)/パガニーニの主題による狂詩曲~第18変奏
ソヒエフ指揮 ベルリン・フィル 2016年収録

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(3)24の前奏曲 (1892~1910年作曲)(前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2“鐘”)
ラフマニノフは19歳のとき「幻想的小品集」作品3という5曲からなるピアノ独奏曲集を発表しました。このうち第2曲の「前奏曲」嬰ハ短調“鐘”が抜きんでた人気を獲得し、ラフマニノフのような作品となりました。そこで、彼はバッハやショパンのように24の長短各調に「前奏曲」を作曲することを思い立ち、1903年に「10の前奏曲」作品23、1910年に「13の前奏曲」作品32を発表し、全24曲を完成しました。“鐘”は、ピアニストのアンコール・ピースとしても有名ですが、日本では浅田真央さんが“鐘”の管弦楽編曲版を、2009-10シーズン(バンクーバー五輪含む)のフリープログラムで使用し、一躍広く知られるようになりました。


【参考映像】リシッツァ(ピアノ)/前奏曲 Op.3-2“鐘”2020年収録

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(4)交響曲第2番 ホ短調 作品27 (1906~07年作曲)

ラフマニノフといえば、ピアノ曲の作曲家というイメージがついて回ります。彼は楽器編成にピアノを含まない交響曲を3曲残していたのですが、長くクラシック・ファン以外に知られることはありませんでした。
ところが、1994年フジテレビのドラマ『妹よ』の中で、唐沢寿明が演じる高木雅史の愛好する曲として交響曲第2番の第3楽章が流れ、一躍この甘美な旋律をもつ作品が広く知られることとなりました。このテレビドラマが平均視聴率24.6%の超人気ドラマだったからです。当時はインターネットが普及する前の時代で、翌日から「ラフマニノフの2番」の問い合わせがレコード店に殺到することとなりました。


【参考映像】山田和樹指揮/交響曲第2番~第3楽章
モスクワ市交響楽団 2013年収録(下記CDとは別の機会の演奏)

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(5)ヴォカリーズ (1915年作曲)

「ヴォカリーズ」とは歌詞を伴わずに母音のみによって歌う歌唱法を指します。ラフマニノフは1912年にロシア語の歌詞をもつ「13の歌曲集」を完成。その後、1915年に続編として歌詞を持たない「ヴォカリーズ」を作曲し「14の歌曲集」作品34としました。この美しい歌曲は、ロシア語の制約を受けないためもあって、ラフマニノフの歌曲の中でも、最も有名になっています。 また、作曲者自身による管弦楽版をはじめとして、さまざまな楽器のために編曲され広く演奏されています。


【参考映像】エルザ・ドライジグ(ソプラノ)/ヴォカリーズ
ジョナサン・ウエア(ピアノ) 2020年収録

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左から歌曲版、管弦楽版、ヴァイオリン版、ピアノ版


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カテゴリ : Classical

掲載: 2023年04月01日 00:00