ミシェル・ンデゲオチェロ、ニーナ・シモンを歌う
掲載: 2012年10月05日 18:59
更新: 2012年10月05日 19:54

真のソウル・ミュージックを表現する才女、ミシェル・ンデゲオチェロが、伝説的アーティスト、ニーナ・シモンの生誕80周年を記念したトリビュート・アルバムをリリース。
ジャンルと世代を超越し、いまだに現在の音楽シーンに大きな影響を与え続ける、偉大なる孤高のアーティスト、ニーナ・シモン。そのニーナを、深く理解し、敬愛し続け、その意志を受け継いだ、ニーナの子供たちのひとり、ミシェル・ンデゲオチェロが、ニーナ・シモンに捧げた渾身の1枚。ゲストには、リズ・ライト、トシ・レーガン、ヴァレリー・ジューン、シネイド・オコナー、コーディ・チェスナット、トレイシー・ワノマエらが参加。
ニーナ・シモンは他人には伺い知ることのできない深い闇心の中に抱え続けていたのだと思う。彼女の歌とピアノを聴くことは、その深い闇に触れ、“痛み ”を感じるということである。思えば、ミシェル・ンデゲオチェロの曲の中にも、“痛み”が感じられる曲がかなりある。とりわけ『ビター』(1999年)と『ウェザー』の中には。そうしたミシェルの曲を聴くたびにニーナ・シモンのことを思い出してきた人は、世界中にたくさんいるだろう。深夜、ニーナ・シモンの曲に耳を傾けていると、まるで自分が独りぼっちで海の底にいるような気分になり、胸が締めつけられ、瞳の奥が熱くなる。ミシェルが歌う「ターン・ミー・オン」、「フィーリング・グッド」、「フォア・ウィメン」を聴いて、僕は同じような感情を味わった。ミシェルの声が宿している“痛み ”に触れたからである。ただし、この歌声は、深い夜のようにやさしい。 (渡辺亨/ライナーより)