サッチャル・ステューディオズ・オーケストラ待望のスタジオ録音作
2011年にリリースされたサッチャル・ステューディオズ・オーケストラのファースト・アルバムは、故デイブ・ブルーベックをして「私が今まで聴いた中でも最も面白く最も異なるカヴァー!」と言わしめた南アジア古典音楽スタイルの「テイク・ファイヴ」はじめ、ジャズやボサノーヴァ等の有名スタンダード曲 を、シタールやタブラといった伝統楽器をフィーチュアーしつつ総勢50名近いオーケストラで演じ、世界をびっくりさてくれました。
2012年にはオーケストラ選抜メンバーによるロンドンにおけるライヴ録音2枚組アルバムを発表。シタール、サーランギ、サロード、バンスリ、タブラ、ドーラックといったインド~パキスタン / 南アジアの伝統楽器群が繰り広げる即興プレイの変幻自在さ、そして、たなびくような生ストリングスの素晴らしさ、加えて英国人ミュージシャン達とのスリリングな共演も臨場感たっぷりに見せつけてくれました。
そんなサッチャル・ステューディオズ・オーケストラが待望のスタジオ録音作!録音は地元ラホールのサッチャル・スタジオと、 ロンドンのアビーロード・スタジオで行われています。変わらずヴァイオリン、チェロ、ヴィオラほかによる流麗なストリングス・アンサンブルに各種金管や ベース、ギター、ピアノ等を配し、南アジアの伝統楽器群をメインに据えたこだわりの大編成生音オーケストレーションにおいて、新たなカヴァー・ナンバーをたっぷり聞かせてくれる内容となっています。スピード感あるタイトな演奏の中、煌めくようなシタールのプレイが印象的なデイブ・ブルーベックの「ブルー・ロンド・ア・ラ・ターク」をはじめ、ハギレ良いストリングスの中、タブラ&シタールのコンビネーションをフィーチュアーしたレノン=マッカートニーの「エリナー・リグビー」、南アジアのフルート、バンスリの音色が夢心地を誘うアントニオ・カルロス・ジョビンの「ウェイヴ」のまろやかさ、あるいはサーランギの幽玄なイントロが導くR.E.M. の「エブリバディ・ハーツ」の深みある演奏、そして、両面太鼓ドーラックのファンキーなビートに乗せて演じられるスティーヴィー・ワンダーの「ユーヴ・ガット・イッ ト・バッド・ガール」、シタールとピアノが溶け合うようなプレイを聞かせるパット・メセニー「トゥ・ジ・エンド・オヴ・ザ・ワールド」、沈痛なメロディーをバンスリとサーランギで歌うように表現したジャック・ブレルの「ヌ・メ・キット・パ(イフ・ユー・ゴー・アウェイ)」などなど、カラフルさとグルーヴ感を増した全13曲のジャズ&ポピュラー曲のカヴァーが、いっそう緻密なアレンジと、奔放かつ華麗な伝統楽器演奏によるサッチャル・ステューディオズ・オーケストラならではのマジカルな世界を繰り広げます。なお、この作品は2012年末に逝去したデイブ・ブルーベックへの追悼アルバムと銘打たれました。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2013年10月28日 15:44