注目アイテム詳細

VINTAGE COLLECTION +plus 特別編~生誕100年記念ヴォルフガング・シュナイダーハン名盤選

ヴォルフガング・シュナイダーハン名盤選

ユニバーサルミュージックのご協力による『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション"』シリーズの最新作として、ウィーンに生まれ、ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めた後の1950年代以降はソリストとしてその地位を確立した、日本でも人気の高いヴァイオリニストのひとりであるヴォルフガング・シュナイダーハンを取り上げます。

「シュナイダーハンは世にも優雅な音色をもつヴァイオリニストである。(中略)オペラや交響曲演奏会で、ヴィーナー・フィルハーモニカーのヴァイオリン独奏のところでシュナイダーハンが奏するのを、われわれは魅せられたように聞き入ったものだった」(渡辺護著「現代演奏家事典」全音出版社、昭和27年刊)

ウィーン出身のヴォルフガング・シュナイダーハン(1915~2002)は神童として早くから活躍したあと、1937年からはウィーン・フィルのコンサートマスターを務め、戦中戦後の困難な時期に、ウィーンの音楽界を支えた一人でした。1949年、ソリストとして独立するためにウィーン・フィルのコンサートマスターを辞任。1950年代にはヨーロッパを中心に演奏活動を行い、1960年代からは世界に活躍の場を拡げました。彼が残した録音をあたってゆくと、そうした環境の変化が、彼の演奏スタイルにも影響を与えていたことが判ります。
(1)神童時代から1950年代前半では、冒頭の渡辺護氏の記述にあるとおり、音色が甘美で柔らかく、旋律を歌い、格調高くもロマンティックな演奏を示しています。(2)1950年代後半から1960年代前半では、ヴィブラートを抑えた清潔な音色や引き締まった造形が演奏に反映され、ロマンティックな感情との相克が含羞の風情漂う演奏を生んでいます。そして(3)1960年代後半になると、瑞々しい音楽性はそのままに、形式的にも精神的にもより自由度を増した境地へと至ります。
生誕100年という記念の今年、世界的な名盤やこれまでCD化に恵まれていなかった作品も含め、オリジナル・ジャケット・デザインを使用した5タイトルを厳選しお届けします。世界初CD化や日本初発売も含む貴重な音源の数々です。

【特報】シュナイダーハンの生誕100年を記念して、「シュナイダーハンの芸術」シリーズも22タイトルが再プレスされます(2015年4月22日発売予定)。ページ最下段の「関連商品」を併せてご確認いただければ幸いです。

~新しくなった『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション・プラス"』(TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION+plus)では、これまでのコンセプトを踏襲しつつも、さらなるご愛顧に応えることを目指し、「+plus(プラス)」を末尾に付け加えました。デザインを一新し、オリジナル重視(アートワーク使用の増加、古いマスター音源はできる限り新規に)の姿勢はそのままに、音質の向上(ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド*を採用)と価格の見直しを行い、セットものはこれまでよりお求め安い価格設定としました。
(*ルビジウム・クロックは人口衛星や超高精度レーザーなどに採用されており、従来のデジタル・オーディオに使用されていた水晶発振の1万倍の精度を誇ります。これをデジタル・プロセスに使用することにより、従来のCDでは得られなかった鮮明、且つ自然な音を実現するものです。)
*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集/ヴォルフガング・シュナイダーハン、ヴィルヘルム・ケンプ
【収録曲】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:
<DISC1>
1.ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調作品12の1
2.ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品12の2
3.ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調作品12の3
4.ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調作品30の3
<DISC2>
5.ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調作品23
6.ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調作品24《春》
7.ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47《クロイツェル》
<DISC3>
8.ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調作品30の1
9.ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調作品30の2
10.ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調作品96
【演奏】
ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)、ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
【録音】
1952年9月ウィーン
【原盤】
Deutsche Grammophon

シュナイダーハンのもう一つのベートーヴェン/ソナタ全集。巨匠ケンプと共演した含羞の風情漂う名演!
このベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は上記(1)の時期の録音で、ロマンティックな芸風をもつ巨匠ケンプと組んで、実に情緒豊かな演奏を示しています。ケンプとのコンビネーションも抜群で、第6番の終楽章など長くパウゼをとりあい、まるで顔を見合わせているような掛け合いが、愉悦のひとときを生んでいます。ゼーマンと組んだ古典的な晴朗感漂うステレオの全集と併せて聴けば、シュナイダーハンの芸風の移り変わりを感じていただけることでしょう。
※モノラル録音
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット中にも一部採用)
※オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用
※解説:平野昭氏、柴田克彦氏、福本健氏、解説書合計11ページ

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番・第2番/シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番
/ヴォルフガング・シュナイダーハン、フリードリヒ・ヴューラー、カール・ゼーマン
【収録曲】
1.ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調作品78《雨の歌》
2.同:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品100
3.ロベルト・シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調作品105
【演奏】
ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
フリードリヒ・ヴューラー(ピアノ)(1,2)
カール・ゼーマン(ピアノ)(3)
【録音】
1952年1月10-11日ウィーン、コンツェルトハウス、モーツァルトザール(1,2)
1955年12月18日ハノーファー、ベートーヴェンザール(3)
【原盤】
Deutsche Grammophon

シュナイダーハンのモノラル時代のブラームスを世界初CD化。シューマンのソナタも日本初CD化!
このCDには同じウィーン出身のピアニスト、フリードリヒ・ヴューラーと組んだブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1&2番を世界初CD化で収めています。ヴューラーとのデュオは戦前から組んでいて、戦時中の放送録音も残っています。一方、ゼーマンとのシューマンのヴァイオリン・ソナタ第1番は7インチのEP盤で発売されたもので、日本初CD化となります。何れも上記神童時代のシュナイダーハンの魅力がたっぷりと味わえる、深く、ほの暗いロマンを湛えた演奏です。
※世界初CD化(1,2)
※日本初CD化(3)
※モノラル録音
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット中にも採用)
※オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用
※解説:歌崎和彦氏、篠田保道氏、柴田克彦氏

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/マルタン:ヴァイオリン協奏曲
/ヴォルフガング・シュナイダーハン、フルトヴェングラー、ベルリン・フィル、アンセルメ、スイス・ロマンド管
【収録曲】
1.ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
2.フランク・マルタン:ヴァイオリン協奏曲
【演奏】
ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1)
スイス・ロマンド管弦楽団(2)
エルネスト・アンセルメ(2)
【録音】
1953年5月18日ベルリン、ティタニア・パラスト(ライヴ録音)(1)、1955年5月ジュネーヴ、ヴィクトリアホール(2)
【原盤】
Deutsche Grammophon(1)、Decca(2)

フルトヴェングラー、アンセルメという20世紀の大指揮者と共演したヴァイオリン協奏曲2曲!
当CDにはフルトヴェングラー、アンセルメといった20世紀の大指揮者と共演したヴァイオリン協奏曲が2曲収録されています。フルトヴェングラーと共演したベートーヴェンは1953年のライヴ録音で、フルトヴェングラーの没後10年の1964年に初発売されました。シュナイダーハンは同曲を3回セッション録音したほか、ライヴ録音も数種残していますが、この世紀の巨匠との共演盤は最も厳しく、最も燃え立った演奏として知られています。
アンセルメと共演したマルタンは、シュナイダーハン唯一の英デッカへのセッション録音です。1952年にヨーゼフ・シゲティのヴァイオリン、アンセルメ指揮で初演されたこの作品の世界初録音盤でした。伝統的語法と前衛的手法の折衷が見られる作品に対し、シュナイダーハンは官能的な音色と艶やかな節回し、安定した技巧、後期ロマン派の延長線上にある様式感を見事に表現しています。
尚、この音源はタワーレコード「ユニバーサル・ヴィンテージ+plus」シリーズでは初めてのフルトヴェングラー発売音源となります。これまでのシリーズ同様、オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用していますので、今まで何度もCDで発売されてきたこの名盤の音質がどのように改善するか、その点でも興味は尽きません。
※モノラル録音
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット中にも採用)
※オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用
※解説:福本健氏、柴田克彦氏、中村靖氏

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番/J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ブランデンブルク協奏曲第1番
/ヴォルフガング・シュナイダーハン、ロスバウト、ベルリン・フィル、ザッハー、チューリヒ・コレギウム・ムジクム、
バウムガルトナー、ルツェルン音楽祭弦楽合奏団
【収録曲】
1.ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
2.ヨハン・セバスティアン・バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
3.同:ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046<ステレオ録音>
【演奏】
ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
ヘルムート・ヴィンシャーマン(オーボエ)(3)
チェーザレ・エスポジト、ギュンター・シュルント(ホルン)(3)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1)、ハンス・ロスバウト(指揮)(1)
チューリヒ・コレギウム・ムジクム(2)、パウル・ザッハー(指揮)(2)
ルツェルン音楽祭弦楽合奏団(3)、ルドルフ・バウムガルトナー(指揮)(3)
【録音】
1956年3月14,15日ベルリン、イエス・キリスト教会(1)、1953年11月4日チューリヒ、トーンハレ(2)、
1959年5月3-9日チューリヒ、ノイミュンスター教会(3)
【原盤】
Deutsche Grammophon(1)、Archiv(2,3)

ロマンティックな感情が羽ばたいたシュナイダーハンの名演。バッハの協奏曲第1番は世界初CD化!
当CDのモーツァルトの第4番とバッハの第1番は(1)の時期、ブランデンブルク協奏曲は(2)の時期に録音されています。注目はバッハのヴァイオリン協奏曲第1番です。1953年にアルヒーフ・レーベルに録音され7インチのEP盤でのみ発売されていたもので、1957年に同じアルヒーフに共演者を変えて再録音した(POCG-90173)ことで、長くその存在が忘れられていました。新古典主義的な様式に傾いた1957年盤に対し、この1953年盤は旋律を甘美な音色でレガートに歌ったもので、今日的感覚からすると極めてロマンティックに聴こえます。シュナイダーハンは1944年にクナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルと有名なライヴ録音を残していますが、この1953年盤は様式的に非常に近く、彼の芸術的なルーツをはっきりと示しています。
ブランデンブルク協奏曲第1番は、彼と弟子のバウムガルトナーが組織したルツェルン音楽祭弦楽合奏団との共演です。ステレオ初期の名盤として知られるバウムガルトナーの全集盤に含まれるもので、第1番にだけシュナイダーハンが参加しました。今日まで続く第1級のアンサンブルの誕生の時を記録した貴重な録音です。
※世界初CD化(2)
※モノラル録音(1,2)
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット中にも一部採用)
※オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用
※解説:歌崎和彦氏、篠田保道氏、近藤憲一氏、柴田克彦氏

J.S.バッハ:結婚カンタータ/モーツァルト:ディヴェルティメントK.136/ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
/ヴォルフガング・シュナイダーハン、イルムガルト・ゼーフリート、バウムガルトナー、ルツェルン音楽祭弦楽合奏団他
【収録曲】
1.ヨハン・セバスティアン・バッハ:結婚カンタータ第202番《しりぞけ、もの悲しき影》BWV202
2.オットリーノ・レスピーギ:夕暮れ
3.ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:ディヴェルティメントヘ長調K.138
4.クロード・ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタト短調
【演奏】
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)(1)
ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)(1,2,4)
アンドレ・ラルドロー(オーボエ)(1)
クロード・スターク(チェロ)(1)
カール・ゼーマン(ピアノ)(4)
ルツェルン音楽祭弦楽合奏団(1-3)
ルドルフ・バウムガルトナー(指揮)(1-3)
【録音】
1959年8月ザルツブルク、シュロス・クレスハイム城(1-3)、1957年11月ハノーファー、ベートーヴェンザール(4)
【原盤】
Deutsche Grammophon

名ソプラノ、ゼーフリートとの夫妻共演のステレオ盤を世界で初めて完全復刻。ドビュッシーは日本初発売!
このCDには彼の妻で、ウィーン国立歌劇場の花形ソプラノだったイルムガルト・ゼーフリートとの共演LPが、世界で初めて完全復刻されています。
録音は1959年で、彼と弟子のバウムガルトナーが組織したルツェルン音楽祭弦楽合奏団が共演しています。シュナイダーハンとゼーフリートのデュエットが聴かれるのがバッハの『結婚カンタータ』の第5曲、アリア「春風吹き渡るとき」です。温かい音色と甘美な節回し、憂いを秘めた表情をもったシュナイダーハンのヴァイオリンが左チャンネルに、愛を深める恋人の姿を歌うゼーフリートのソプラノが右チャンネルに配され、美しいデュエットを聴かせてくれます。レスピーギの『夕暮れ』はウィーンの演奏家たちが好んで取り上げるロマンの陰り深い名作で、同じウィーン国立歌劇場で活躍したユリナッチとバリリ四重奏団による名盤も当シリーズで復活しました(PROC-1646)。ゼーフリートの歌はオペラの名花ならではの艶やかな声の美しさとドラマティックな表現性、そしてリートとしての格調や節度を示したもので、聴きごたえのある名演となっています。このLPは夫妻が初来日した1965年に、日本でも来日記念盤として発売されました。ブックレットの裏表紙にその際の帯付きジャケット写真が入っています。
余白には、LPでは未発売に終わり、2008年に海外盤CDで初発売された1957年録音のドビュッシー/ヴァイオリン・ソナタを収録しました。ソリストとして20世紀作品までレパートリーを拡大した彼の姿を捉えた貴重な録音です。バルトーク、ヒンデミット、ストラヴィンスキーの作品を収めた1枚(POCG-90183)と併せて聴けば、彼の近現代作品へのアプローチを確かめることができるでしょう。
※日本初発売(4)、歌詞対訳付(1,2)
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用
※解説:篠田保道氏、長谷川勝英氏、寺西基之氏、柴田克彦氏、近藤憲一氏、杉山好氏訳、鈴木国男氏訳