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カール・ベーム+ケルン放送響~最晩年の大熱演ステレオ・ライヴ録音集1976~1980(3枚組)

ベーム&ケルン放送響ライヴ3枚組

カール・ベーム+ケルン放送響~最晩年の大熱演ステレオ・ライヴ録音集1976~1980(3枚組)

ドイツの古式ゆかしいホールのサウンドも注目!
ヨーロッパを知る愛好家は御存知のヴッパータル市立劇場とデュッセルドルフ・トーンハレ!

「カール・ベーム&ケルン放送交響楽団
ステレオ・ライヴ録音集1976~1980」

【収録曲目】
CD1)
1.ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92
 (13:16/10:11/8:55/8:04)
2.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
 (10:07/11:02/9:19)

CD2)
3.ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」
 (10:04/12:21/8:30/8:04)

CD3)
4.ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
 (13:24/10:01/4:36/17:15)
5.モーツァルト:交響曲第29番イ長調K.201
 (6:50/5:47/3:41/4:53)

【演奏】
カール・ベーム(指揮)ケルン放送交響楽団
2.クリスチャン・アルテンブルガー(ヴァイオリン)

【録音】
1.2.1978年6月23日ヴッパータル市立劇場
3.1980年11月9日デュッセルドルフ・トーンハレ
4.5.1976年9月21日ヴッパータル市立劇場

全てライヴ録音
※~ライナーノート~より
ベームはカラヤンと同等の地位にある20世紀の指揮者の中の覇者であるが、カラヤンと最も異なる点は、カラヤンがベルリンフィルとウィーンフィルの指揮台にのみ活動を限定したのに対し、ベームは最晩年まで世界中の多岐にわたるオーケストラを指揮し続けたことである。
ドイツ国内の放送オーケストラ(そのいずれもが優秀であることは言うまでもない)に繰返し客演したベームの演奏は、最も密接な関係を保つと言われたウィーンフィルとの演奏と全く異なる表現を取ることもあり、興味が尽きない。

ベートーヴェンの交響曲第7番を例に取ってみよう。この曲などベームは生涯で何度指揮したかわからない程であろう。当ケルン盤(1978年6月23日ライヴ)では、隅々まで血が通っている。正しく人間が奏でる音楽である。
そして何よりも、オーケストラの反応がベームに対して実に素直なのである。聴衆を前にしたベームの高揚、推進力、気迫。ゴツゴツとした無骨さ。そうした長所だけでなく、時折見せる微かな造形の乱れや迷いといったものも全て白日のもとにさらされるような演奏である。
カプリングのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」も、艶やかな音色で知られるアルテンブルガーのソロに、モーツァルトの泰斗、ベームの伴奏という贅沢な一品で、モーツァルトの天才を聴き手に余すところなく伝えている。

ドヴォルザークの交響曲第9番は、ベームが指揮した唯一のドヴォルザークの交響曲である。しかし、この曲をベームは度々愛奏した。
やはりウィーンフィルと1978年にスタジオ録音しているが何だか元気のない演奏である。当CDの演奏は、1980年の11月である。実にベームの死の9か月前である。しかし、そのエネルギッシュさに聴き手は圧倒されるだろう。
唸るような低弦、ティンパニの強打、金管の意識的な強調など、聴衆を意識してエンターテインメント志向すら感じるではないか。フィナーレのテンポアップも凄絶なもので鳥肌をもよおす。これはデュッセルドルフにオーケストラを率いての客演で、ここのトーンハレも名ホールとして名高い。

ブラームスの第1交響曲もベームが生涯愛した曲である。
冒頭から晩年のベームらしい威容を誇り、遠くの山から聞こえるこだまのようなティンパニの静謐な音色も心打たれる。
ベームはフルトヴェングラーのように、これ見よがしなアッチェルランドは禁忌にしている指揮者である。しかし、より繊細に自然に行われるテンポアップ、テンポダウンの妙にこの指揮者の腕というものがある。その腕に実演ならではの活力の注入があり、まるで力瘤が浮き上がるような逞しさを兼ね備えるのである。
モーツァルトの交響曲第29番もベームが偏愛した曲である。
綺麗ごとで終わらない現実的というか、手で触れるリアルな鑑賞物のような逞しさがある。
この2曲が演奏されたのも前述のヴッパータルの市立劇場(1976年9月21日の演奏)である。温かみのある響きが心地よいのも全く同じである。

※英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付
(東武トレーディング)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2015年12月02日 16:00