VELTZ、未発表を多数含むアーカイヴ集
オメガポイントからのアルバム「アナログテレビに捧ぐ」から2年半。今作はVELTZの幅広い実験性を更に広範に渡り収録した、未発表を多数含むアーカイヴである。
表題作である「Secret Performance」は、2011年初来日を果たしたパワーエレクトロニクスの雄RAMLEH、cuthands、 インキャパシタンツが出演した東京/代官山unit でのイベント出演時の完全収録。覆面に加え全身黒づくめ衣装でのオープニングアクトとしての演奏で、当時、名前も一切公表されずの完全にシークレットで あったため、そのパフォーマンスの完成度の高さに問い合わせが相次いだ。
このアーカイブ盤は、無音トラックである「World is Loud」で幕を開ける。しばしば無音によるアプローチを見せるVELTZであるが、このトラックは、あまりの情報過多、不穏な空気に満たされる現代の状況へ向けてのVELTZならではのアーティスティックな返答である。
また「アナログテレビに捧ぐ」には収録されなかった非常にポップかつパルステ クノイズ的なアプローチでアナログテレビを演奏する「Voltage controlled broken TV music」、サックス6人とバイオリンによるドローンオーケストラ「VELTZ/OR」、村井啓哲や西原尚などとのコラボレーション「Endless Summer」、カセットテープレコーダー自体が発する微細なノイズのみによる「Tape recorders orchestra」など多才な実験性に溢れる実験結果を収録。
VELTZの掲げるテーマである「廃棄物による音楽の再構築」が如実に表れていると共に、今後のよりPOPな方向への架け橋として重要なアーカイヴ盤になっている。
掲載: 2015年12月04日 15:25