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トランペッター、アヴィシャイ・コーエンのECMリーダー・デビュー作が満を持して登場

Avishai Cohen

テルアヴィヴ生まれのトランペッター、アヴィシャイ・コーエンは、2014年リリースのマーク・ターナー作品『Lathe of Heaven』での演奏でリスナーの心をつかみ、2015年のTOKYO JAZZでも来日、その圧倒的パフォーマンスに魅了された方も多いはず。

本作『Into the Silence』は、全編アヴィシャイによるオリジナルで構成され、ジャズ・カルテット(トランペット、ピアノ、ベース、ドラムス)のための広大で印象主義の曲ばかり(数曲テナーサックスも入る)。アヴィシャイのお父様であるデヴィッドとの思い出に捧げられており、優雅さと制限を伴ったお父様の最期の日々を描いている。


アヴィシャイの優しいミュートされたトランペットがアルバムの最初の瞬間に全体の音楽の感情のトーンを決めているが、才能あるミュージシャンが一緒に音楽を探求を深め、より印象派的な世界を展開。

イスラエルのピアニスト、ヨナタン・アヴィシャイはこれまでもコーエンと様々なバンドやソロでも共演、コーエンの忘れられない曲に積極的に参加し、時にブルースのフレーズを用いてさらに曲を輝かせる。

コーエンとドラマーのナシート・ウェイツは、以心伝心の如くお互いを理解、瞬間瞬間に相互作用する、それは全盛期のマイルスとトニー・ウィリアムス、もしくはドン・チェリーとビリー・ヒギンスを髣髴させる、しかしながら、今の時代の音楽だというのが素晴らしい。

エリック・レヴィスは ブランフォード・マルサリス・カルテットで20年間要を務めたベーシストで、アルバム全体を通して見事に洗練されたサポートをしてくれている。

そして、サックス奏者ビル・マッケンリーは、これまでポール・モチアンやアンドリュー・シリルなどと共演してきているとても器用なモダニストで、コーエンの演奏の影の如く、感情を持って表現。

本作は南フランスのStudios La Buissonneにて2015年7月に録音、マンフレッド・アイヒャーによるプロデュース。

Avishai Cohen『Into The Silence』
Personnel:Avishai Cohen(tp), Yonathan Avishai(p), Eric Revis(double bass), Nasheet Waits(ds), Bill McHenry(ts)

 

掲載: 2016年01月14日 14:49