ジャック・ディジョネットの冒険的な新しいトリオの第1弾作品

50年前にジョン・コルトレーンのグループにゲスト参加、そこで今回一緒に組んでいるラヴィ・コルトレーンの父と、マシュー・ギャリソンの父であるコルトレーン黄金カルテットを最後まで支えた名ベーシストのジミー・ギャリソンと演奏していたディジョネット。

本作はコルトレーンによる哀切な演奏から始まる。ジョン・コルトレーン作の「Alabama」でスタート。他にもマイルスの「Blue In Green」、ビル・エヴァンスの「Serpentine Fire」に取り組んでいる。（ディジョネットはマイルスとエヴァンス両方のバンドで活躍した数少ないミュージシャンの一人）

そして 2016年2月に逝去したモーリス・ホワイトへ奇しくもトリビュートのみならず追悼にもなってしまったが、アース、ウインド&ファイアーの「Serpentine Fire」を収録。（アースの初期にディジョネットはコラボしている ）

「The Two Jimmys」は、ディジョネットのオリジナルでジミ・ヘンドリックスとジミー・ギャリソンへのオマージュ、さらに「Rashied」は 同じくコルトレーンのバンドに参加していた偉大なドラマー、ラシッド・アリへのトリビュートとなっている。

アルバム・タイトル楽曲を聴くと実感するが、このバンドはまだまだ前身していく要素のあふれたバンドでとてもパワフル。ラヴィ・コルトレーンとマシュー・ギャリソンにとって本作はECMデビュー作品で2人ともディジョネットのだライヴ感あふれるドラミングに見事に応えており、ラヴィのソロは素晴らしいし、マット・ギャリソンによるベースと創造力あふれるエレクトロニックのループも新鮮。

ディジョネット曰く、「僕たちはパーソナルな部分も含めとてもつながりが深く、それは音楽にも表現されてくると思うんだ。」とのこと。

本作品は2015年10月にNYのAvatar Studiosでマンフレート・アイヒャーのプロデュースの下に録音。

パーソネル：
Jack DeJohnette (drums, piano, electronic percussion)
Ravi Coltrane (tenor, soprano and sopranino saxophones)
Matthew Garrison (electric bass, electronics)

収録曲：
1. Alabama
2. In Movement
3. Two Jimmys
4. Blue In Green
5. Serpentine Fire
6. Lydia
7. Rashied
8. Soulful Ballad