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アイスランドの双子ガールズ・デュオ、パスカル・ピノン、3枚目のアルバム

Pascal Pinon

photo by Mangus Andersen

 

アレックス・サマーズのプロデュースによるセカンド・アルバム『Twosomeness』(2013 年)から約3年ぶりとなる、アウスズヒルヅルとヨフリヅルの双子のアイスランド人ガールズ・デュオ、パスカル・ピノンが待望のサード・アルバムを完成。彼女たちのセルフ・プロデュースによる本作は、約1年半かけて書かれた素材で構成されている。

アルバムのタイトル『Sundur』は、アイスランドのことわざ“Sundur og saman”(“離れて”と“一緒に”)から引用されている。前作『Twosomeness』のリリース・ツアーの後、 アウスズヒルヅルはクラシック・ピアノと作曲の勉強のためアムステルダムとアイスランドを行き来し、その間ヨフリヅルは彼女の別プロジェクト、サマリスでワールドツアーを行っていて、2人は彼女たちの人生で初めて離れ離れに暮らす経験をした。この別々なるということは、アルバム全体のテーマだけではなく、これまでの彼女たちの作曲プロセスを大きく変え、楽曲やアルバム全体に影響を与えている。2014年初頭から2015年後期まで、彼女たちはオランダとアイスランドへ頻繁にお互いを訪ね、作曲の工程を終わらせた。「私たちが離れて長い間過ごした事で『Twosomeness』の頃とは全く違う楽曲間の繋がりが出来て、出来る限りのベストな方法でアルバムに多様性を生み出しています」(アウスズヒルヅル)。

録音はスケジュールとの戦いの中、2日間で行われた。彼女たちの父親で、作曲家でもあるAki Asgeirsson がエンジニアリングの手伝いや、ガラクタの金属などを用いたパーカッションでゲスト参加している。この詳細は表面的にはわからないかもしれないが、3人の家族による熱のこもった音楽のコラボレーションは本作ではとても重要な要素となっている。「3人での録音はアルバムのサウンドをよりありのままに感じさせてくれました。それがアルバムの本質なのです」「とても音数が少なく、アプローチにおいては私たちの一番最初のアルバムのサウンドにとても近いです。7年も経っているのに、なんだかおかしいですが、私たちは14 歳の時と同じ場所にもどったのかもしれません!」(ヨフリヅル)

これまでのフォークに影響されたローファイでミニマリスティックな美学に習いながらも、ヨフリヅルのしっとりと大人びた雰囲気の歌声と、2 人の息のあったハーモニー、生き生きとしたピアノ、ローファイなドラムマシーンやドリーミーなシンセなどを小さな箱庭のようにオーケストレートした、とてもシンプルでありながらも深みのあるサウンド。10 代を卒業して、音楽的にも成熟した2人の等身大のサウンドをキャプチャーしたアルバムとなった。

 

 

 

タグ : UK/US INDIE

掲載: 2016年07月13日 18:41