ソーレイ (Soley)、2年振りのアルバム『Endless Summer』

アイスランドの女性シンガー・ソングライター、ソーレイの2年振りとなるサード・アルバム『Endless Summer』がリリース。前作『Ask The Deep』が「自分自身のなかの悪魔」と対峙したダークでメランコリックな作品だったのに対し、長年のコラボレーターである友人のアルバート・フィンボガソン（グリスラッパリサ、ソーズ・オブ・カオスなどのメンバーでもある）とともに1年間をソングライティングに費やしたという本作は、太陽が降り注ぐようなこれまででもっとも明るい作品に仕上がりました。

長い冬のおわり、雪のしたにある確かなぬくもり、そして春の芽吹きを待つ種。希望に満ちたやさしさでいっぱいでありながらも、より繊細さを増したかのような本作は「おわらない夏」というタイトルが冠せられていますが、「希望と春」がテーマになっています。ある冬の真夜中に目が覚めた彼女が、「希望と春について書きなさい」と自らに書き留めたことが本作のスタートでした。「まずスタジオをイエローとパープルに塗って、新しく買ったグランドピアノの前に座って演奏し、歌いはじめたの」。

彼女の幼い娘の名前からとったタイトルの「Úa」でアルバムは幕を開けます。先行シングル「Never Cry Moon」からラストを飾るタイトル・トラック「Endless Summer」まで、アルバム全体を通して彼女のメイン楽器であるピアノと愛らしい歌がかつてないほど夢見心地の世界へ誘い、さらにクラリネットやトロンボーン、チェロなどスモール・オーケストラ然としたきらめくようなアレンジがカラフルな輝きを与えています。

アートワークはこれまでと同様、シガー・ロスのヨンシーの妹でもあるインギビョルグ・ビルギスドッティルが担当。マスタリングは前作にひきつづき、シン・ファン、ア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルンなどを手がける気鋭のエンジニア、フランチェスコ・ドナデッロが担当。

アイスランド内だけでなく、ヨーロッパでも指折りの才能の持ち主であること証明する、紛れもなく、現時点でのキャリア最高傑作。

Morr Musicレーベルサンプラー／歌詞対訳のダウンロード・コードつき

【バイオグラフィー】
元シー・ベアのキーボード奏者であり、現在はシンガーソングライターとして活動する女性アーティスト、ソーレイことソーレイ・ステファンスドッティル。2010年にソロデビューとなる『Theater Island』をリリース。そして翌年2011年には彼女の評価を世界的に押し上げた傑作『We Sink』をMorr Musicより発表する。ドリーミーなメロディーと彼女独特の雰囲気から生まれる歌声は優しさと芯の強さを感じさせる作品を作り上げる。2015年に『Ask The Deep』をリリースし、シン・ファンとともに来日ツアーもおこなった。