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ウィーン・フィルがピュアトーンで勝負する!ノリントンを指揮者に迎えた2000年のシューマン、ブラームス

ノリントン

新世紀を迎えた2000 年、マリス・ヤンソンスのキャンセルを受けてノリントンがウィーン・フィルと共演した際のライヴ録音です。この頃のウィーン・フィルは積極的に新しい演奏法に挑んでいた時期でもあり、ガーディナーやアーノンクールといった古楽系指揮者を良く迎えていました。このノリントンとの共演でも指揮者の個性をウィーン・フィルが楽しみながら音楽に昇華しており、両者の持ち味が絶妙に溶け合った美しくも刺激的な空前の演奏が繰り広げられています。
異彩を放つのはシューマン2番。各声部の分離が非常に良く、ヴィブラートを抑えた弦楽器と強調された木管楽器のバランスも特徴的。弦に管が塗り重ねられるのでなく、木管が主体となり弦が薄くヴェールをかけるようなシューマンです。特にピュア・トーンによる第3楽章の美しさは絶品!加えて意外と大胆なテンポ設定が目を引き、第1楽章の序奏はゆったりと始まり、その後も引きずるようなリズムで怪しく揺れ動きます。また、終楽章のコーダ突入時の驚くほど濃厚なタメやクライマックスで大いに炸裂する金管も強烈。終始美しい音色でありながら最後まで予想の付かない怪演です。
ブラームスの二重協奏曲はウィーン・フィルの十八番であり、キュッヒル&バルトロメイのソロは死角なしの素晴らしさ。これぞウィーン・フィルという風情にあふれた技の応酬です。特にキュッヒルのこれでもかと言うほどのしたたる美音がたまりません。一方ノリントンは、ソリストに十分花を持たせつつ、明るく見通しの良い得意のサウンドで音楽を盛り上げており、そのコントラストが鮮烈な効果を上げています。
(キングインターナショナル)

【収録曲目】
ウェーバー:歌劇『オイリアンテ』序曲
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.92
シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61
【演奏】
ロジャー・ノリントン(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)
フランツ・バルトロメイ(チェロ)
【録音】
2000年6月16日、ムジークフェラインザール、オーストリア放送協会によるライヴ録音

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年10月28日 00:00