ヴィオラの名手、アントワーヌ・タメスティの美しい小品集『ベル・カント~ヴィオラの声』
1979年生まれのヴィオラの名手、アントワーヌ・タメスティ2017年最新盤が、HMFから初登場。「ヴィオラ=深くあたたかみのある、いぶし銀のような」といったイメージを越えた次元で鳴り響く美しい音色、そして心地よく効いたドライヴ、あらゆる表現を可能にする完璧なテクニックに圧倒される1枚です。
ピアノはHMF久々の登場となるティベルギアン。タメスティが描くエレガントな世界を、ほどよく引き締まった、時に甘さも薫る音色で彩ります。
本CDのプログラムは19世紀パリのコンサートホールやサロンで聴衆を魅了し続けた作品で構成されています。ヴュータンはヴァイオリンで有名ですが、ヴィオラにも名曲を残しています。歓迎すべき新録音の登場といえるでしょう。カシミール・ネイ(本名ルイ=カシミール・エスコフィエ)はサン=サーンス、ヨーゼフ・ヨアヒムらとも音楽的交流があった当時のヴィオラの名手。1849年頃にヴィオラのための24の前奏曲を出版。これは、ヴィオラ奏者にとって、ヴァイオリニストにとってのパガニーニの24のカプリースのような存在の曲集。タメスティは超絶技巧のフレーズの数々を難なく、エレガントに弾きこなしています。他にもオペラの名アリアの旋律に酔いしれ、弦楽器の美しい音色に魅了され続ける65分です。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ヴュータン(1820-1881):
ピアノとヴィオラのためのソナタ 変ロ長調 op.36
ドニゼッティ:
歌劇『連隊の娘』よりマリーのアリア「さようなら」
ヴュータン:
ヴィオラとピアノ伴奏のためのエレジー へ短調 op.30
ドニゼッティ:
歌劇『ラ・ファヴォリータ』よりレオノーレのアリア「私のフェルナンド」
ジャック=フェロル・マザ(1782-1849):
夢~ドニゼッティのラ・ファヴォリータに基づくエレジー op.92
カシミール・ネイ(1801-1877):
無伴奏ヴィオラのためのプレリュード第15番
ベッリーニ:
歌劇『ノルマ』よりアリア「清らかな女神よ」
ヴュータン:
無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ ハ短調op.55
【演奏】
アントワーヌ・タメスティ(ヴィオラ/ストラディヴァリウス「マーラー」1672年製)
セドリック・ティベルギアン(ピアノ/スタインウェイ)
【録音】
2016年10月、テルデックス・スタジオ・ベルリン
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2017年04月18日 00:00