伝説の1950年放送ギーゼキングのバッハ演奏すべてを最新リマスタリングでBOX化(7枚組)
ヴァルター・ギーゼキング~DGバッハ録音全集
ギーゼキングの7枚組CDオリジナル・ジャケット・コレクション
ドイツ人の両親のもと、フランス・リヨンで生まれたヴァルター・ギーゼキング(1895~1956)は、ハノーファー音楽院で師のカール・ライマー(1858~1944)とともに編み出した完璧なテクニックと、19世紀的なロマン主義から脱却した「新即物的」な演奏により、20世紀のクラシック音楽界をリードした大ピアニストでした。
録音では戦前より長く英コロムビアの専属ピアニストとして活躍し、とくにモーツァルト、ドビュッシー、ラヴェルのピアノ作品全集は歴史的名盤として知られています。円熟の最中、60歳で亡くなったため、全曲録音を目指していたベートーヴェンのピアノ・ソナタ録音は未完に終わり、バッハ作品も戦後のレコード録音が残りませんでした。
ところがギーゼキングはレコード録音と並行して、各地の放送局にまとまった分量の放送録音を行っており、バッハの主要作品については1950年1月~6月、ザールブリュッケン放送局に録音していました。1970年、ドイツ・グラモフォンがレコード化の権利を獲得し、ヘリオドール・レーベルで次々とLP化し、一部は日本でも発売され、大きな話題を呼びました。CD時代になって、これらの録音から『平均律クラヴィーア曲集』と『パルティータ集』はCD化されましたが、その他の曲目はCD化が遅れていました。
今回ドイツ・グラモフォンはこのバッハ演奏の放送音源を新たにリマスタリングし、CD7枚組のオリジナル・ジャケット・コレクションとしてリリースすることとなりました。40ページのブックレットには、今まで英語で出版されたことのない彼の自伝からの抜粋、ギーゼキングの研究家Frank R. Latinoによる新しいライナーノーツ、未発表の写真が収められています。自伝の中ではバッハ演奏についてのアイディアも明かされているとのことで、期待が高まります。
ボーナス・トラックとして、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルと共演した1942年3月録音のシューマンのピアノ協奏曲が収録されています。
(タワーレコード)
【参考】1971年に発売されたバッハ:平均律のオリジナルLPジャケット
【収録予定】
J.S.バッハ:
《CD 1-2》クラヴィーア練習曲集第1巻:6つのパルティータBWV825-830、フランス風序曲ロ短調BWV831、トッカータ ハ短調BWV911
《CD 3-5》平均律クラヴィーア曲集第1巻 前奏曲とフーガ第1番BWV846‐第24番BWV869、第2巻 前奏曲とフーガ第1番BWV870‐第24番BWV893
《CD 6》イタリア協奏曲ヘ長調BWV971(クラヴィーア練習曲集第2巻から)、半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903、幻想曲ハ短調、カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」変ロ長調、10の小前奏曲BWV924、999、933、927、928、935、936、925、938、937、幻想曲とフーガ イ短調
《CD 7》2声のインヴェンションBWV772‐786、3声のインヴェンション(シンフォニア)BWV787‐791、793‐801
〈ボーナス・トラック〉
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54(CD 7)
【演奏】ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)(ボーナス・トラック)
【録音】1950年1月‐6月 ザールブリュッケン放送局(ドイツ)(J.S.バッハ)
1942年3月 ベルリン(ボーナス・トラック)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2017年06月07日 00:00