「ブラジル版タキシード」はたまた「21世紀のケン・エ・ケン」!? ジョアン・ドナート (Joao Donato) 新作は息子ドナチーニョ (Donatinho) とのコラボ作
ジョアン・ジルベルトやアントニオ・カルロス・ジョビンに並ぶボサノヴァ/ジャズボサの名ピアニスト/作曲家であり、1970年代以降はプロデューサー/アレンジャーとして数々の傑作を送り出してきたブラジル音楽の巨匠ジョアン・ドナート。アメリカ西海岸で活動していたこともありカル・ジェイダー、ティト・プエンテ、エディ・パルミエリ、モンゴ・サンタマリア、スタンリー・クラーク、ハービー・マン、ジャック・マクダフらとも共演するなど、セルジオ・メンデスやエウミール・デオダードとともにブラジル音楽の魅力を世界に広めた第一人者である。近年では彼の残したレコードも値段が高騰。ブラジリアン・レアグルーヴの名盤として名高い1973年の『ケン・エ・ケン』ではディスコ/ヒップホップ的なフィーリングをすでに感じさせるなど、ドナートの先見性はいま再評価されている。
そんな生きる伝説ジョアン・ドナートが、息子でありプロデューサー/鍵盤奏者として活躍するドナチーニョとの連名でリリースした作品が本作『シンテチザモー』である。父への敬意、そして並々ならぬシンセサイザーへの偏愛をみせるドナチーニョの手腕により、父ジョアン・ドナートが再びブラジリアン・グルーヴの表舞台へとカムバック。「21世紀のケン・エ・ケン」はたまた「ブラジル版タキシード」とも言えるようなブリブリなシンセをフィーチャアしたブギー・アルバムに仕上がっている。
タグ : ソウル/R&B
掲載: 2017年07月13日 10:38