米RCAのステレオ・レア盤『ヘンリク・シェリング・イン・リサイタル』がLP復活!
ヘンリク・シェリング・イン・リサイタル
名手ヘンリク・シェリング(1918~1988)が、同郷ポーランドの大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタイン(1887~1982)との出会いにより1954年に本格的な演奏活動を開始した直後、米RCAへ行った一連の録音の中でも最もレアな『ヘンリク・シェリング・イン・リサイタル』(米初出品番:LSC-2421)がLPレコードで復活します。
この録音はシェリングのディスコグラフィの中では比較的目立たないもので、CD化も遅く、日本のBMG(当時)から2002年1月にでたBVCC-37334が世界初CD化でした(現在の品番はSICC-2098)。
シェリングというとバッハの無伴奏やヴァイオリン協奏曲の大曲といったイメージが付いていますが、生前のリサイタルでは前半で大曲を弾いて、後半とアンコールで小品を熱っぽく弾いて締めくくる、という構成をとっていました。とくに母国ポーランドや、第2の母国メキシコを含むラテン系の作曲家の作品を弾く時の情熱の迸りは、多くの聴衆に感動を与えました。
このLPの構成も、SIDE 1でバロックの大きな構成の作品を弾いて、SIDE 2で小品を弾き、最後の2曲はラテン系作品とポーランド作品で締めくくっていて、彼のリサイタルを彷彿とさせるものとなっています。
シェリングが弾くバッハの無伴奏やベートーヴェンやブラームスの協奏曲に親しんでいる方には、ぜひこの小品集にも接していただき、シェリングの芸術の幅広さと熱い情熱を感じていただきたいと思います。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
【収録曲目】
SIDE 1
1. ヴィターリ:シャコンヌ_9:57
2. タルティーニ(クライスラー編):悪魔のトリル_14:54
SIDE 2
1. タルティーニ(フランチェスカッティ編):コレッリの主題による変奏曲_4:33
2. グルック(クライスラー編):メロディ_3:05
3. クライスラー:ボッケリーニの様式によるアレグレット_2:19
4. シューマン(ハイフェッツ編):予言の鳥_3:24
5. アルフテル(ハイフェッツ編):ジプシーの踊り_3:20
6. ヴィニヤフスキ:スケルツォ=タランテラ_4:23
【演奏】
ヘンリク・シェリング (ヴァイオリン)
チャールズ・ライナー(ピアノ)
【録音】
Recorded: 16-17.lll(SIDE 1: 1-2, SIDE 2: 1, 5, 6), 15-17.l(SIDE 2: 2-4).1959, タウン・ホール,ニューヨーク
Producer: John Pfeiffer
Recording Engineer: John Crawford
Original LPs: RCA Living Stereo LM/LSC-2421
(p)1960 RCA (c)2018 Sony Music Entertainment.
Manufactured by Machang Music & Pictures Co., Ltd. Project Designed & Sleeve Made by KHIOV.
Made in Korea.
ヘンリク・シェリング
ヴァイオリニスト。1918年ポーランドのワルシャワ近郊で生まれる。レオポルド・アウアー門下のモーリス・フレンケルに師事。9歳の時フーベルマンに認められ、ベルリンでカール・フレッシュに師事。ヨーロッパ演奏旅行で成功するも、さらに作曲や哲学に打ち込む。46年にメキシコの市民権を得、教育に専心するが、56年にルービンシュタインと出会い、再び第一線で活躍する。思索に富んだ厳しい演奏で、戦後を代表するヴァイオリニスト。
(音楽出版社)