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カルロス・チャベス『自作自演集~コンプリート・コロンビア・アルバム・コレクション』(7枚組)~シェリングとのヴァイオリン協奏曲も復活!

チャベス

メキシコ音楽史上に残る作曲家カルロス・チャベスの歴史的な自作自演集。1938年~1973年のRCAとコロンビアへの全録音が最新リマスターで鮮やかに蘇る!交響曲全集、シェリングとのヴァイオリン協奏曲も復活!!

カルロス チャベスは1899 年にメキシコシティの近くで生まれ、9歳のときから作曲を始めました。 子供のころからメキシコの先住民族の豊かな文化に触れ、そのエッセンスを完全に吸収し、後年の作曲スタイルの本質的な部分になりました。1920年代の長く激しい革命の後、チャベスはアステカに触発された民族主義的な音楽語法を創生した初めての作曲家となりました。その活動ぶりは、同時代に米国で活躍したアーロン・コープランドに比肩するもので、欧州伝来のクラシック音楽の潮流に囚われないスタイルで自国の伝統を音楽に反映させたのです。チャベスは有能な指揮者としても知られ、1928年にメキシコ交響楽団を結成し、20年間その指揮者として活動。さらに自国の主要なオーケストラのみならず、トスカニーニの招きでNBC交響楽団に客演するなど、世界各地のメジャー・オーケストラを指揮しています。
チャベスは、自身の音楽や他の作曲家の音楽を数多く録音しています。最も初期のものの1つは1938年にRCAビクターで入れた最初の2つの交響曲「アンティゴナ」と「インディオ」、そしてブクステフーデのシャコンヌホ短調のオーケストレーションのSP録音です(メキシコ国立交響楽団/CD1)。
1940年、ニューヨーク近代美術館がスポンサートなって先駆的なメキシコ音楽による演奏会が開催され、その内容がコロンビア・マスターワークスによって録音されました。アメリカとメキシコの音楽家で組織されたオーケストラと合唱団による合同演奏で、伝統的なメキシコ音楽に加えて、チャベスのアステカ神話の音楽「ショチピリ」とバレエ音楽「4つの太陽」からのダンスが含まれています。これらは先史時代のメキシコの伝説に基づくもので、「メキシコ音楽のルネッサンス」と称される音楽運動の最も初期の作品です。SP盤で「メキシコ音楽集」としてリリースされたこの録音は、1949年には当時最先端のメディアだったLPでも再発売され、チャベスとメキシコ音楽の魅力をいち早く世界に届ける役割を果たしたのでした(CD1)。
チャベスは、このSP録音の曲目のほとんどを1961年にステレオで再録音しています(CD2)。このアルバムが1964年にコロンビアから「メキシコ」というタイトルで米国で発売された際、ハイフィデリティ誌は「曲目もオーケストラも素晴らしい」と称賛し、「ショチピリ」を「感動的でエキゾティックなアステカの再現」と絶賛しています。
チャベスの室内楽作品では、木管楽器と金管楽器のための3つの「ソリ」が収録され、1965年から1967年にかけて作曲家の指揮によってメキシコシティで録音され、1972年にコロンビアからリリースされました(CD6)。
そしてこのセットで最も重要な録音は、何といっても1966年8月にメキシコ国立交響楽団を起用して録音された交響曲全6曲でしょう(CD3・4/1964年に初演された第6番はレナード・バーンスタインとニューヨーク・フィルに捧げられています)。これら6曲は翌年LP3枚組でリリースされ、色彩的でエキゾティックなチャベス作品の魅力が鮮明なステレオ録音で刻み込まれ、高い評価を得ました。また、ポーランド系メキシコ人の偉大なヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリングをソリストに迎えたヴァイオリン協奏曲の録音も行っており、こちらも初CD化です(CD5)。
1973年には、ロンドン交響楽団とアンブロジアン・シンガーズを起用して、アビーロード・スタジオでオーケストラ、コーラス、磁気テープのための作品である1968 年のバレエ音楽「ピラミッド」からの抜粋と、バレエ作品「4つの太陽」全曲が録音されています(CD6)。
コープランドは、チャベスについて「メキシコの太陽に満ちた素朴なラテン魂を捉えた作曲家」と語っています。このCD7枚組をお聞きなる皆さんは、チャベスが単なる「メキシコの作曲家」以上の存在であったことにお気付きになるはずです。2015 年のニューヨーク・タイムズへのトリビュートの著者は、次のように述べています:「ハラベやフォックストロットからネオ・クラシカルを予感させる音楽や構えの大きな交響曲まで、チャベスの作品は、自国の音楽的エレメントに根差しながらもグローバルなアピールを欠かさない作曲家としての姿勢を刻み込んでいる」。
(ソニーミュージック)

チャベス

収録内容
<CD1>
メキシコ音楽集(ニューヨーク近代美術館[MOMA]のスポンサーによる制作)
ブラス・ガリンド・ディマス:『ソネス・デ・マリアッチ』
Trad:『パロマ・アズール』(カルロス・チャベス編)
チャベス:『ショチピリ』(アステカ神話の音楽)
チャベス:『センテオトル舞曲』(バレエ「4つの太陽」より)
Trad:『ヤキの音楽』(ルイス・サンディ編)
Trad:『フアパンゴ』(ジェロニモ・バケイロ・フォスター編)
チャベス:交響曲第2番「インディオ」*
チャベス:交響曲第1番 「アンティゴナ」 *
ブクステフーデ:シャコンヌ ホ短調 BuxWV 160(カルロス・チャベス編)*
[演奏]アメリカとメキシコの演奏者によるオーケストラ、メキシコ交響楽団*、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1938年メキシコシティ*/1940年5月22日(モノラル)

<CD2>
チャベス:『センテオトル舞曲』(バレエ「4つの太陽」より)
チャベス:『ショチピリ』(アステカ神話の音楽)
Trad:『鹿』(ルイス・サンディ編)
Trad:『パロマ・アズール』(カルロス・チャベス編)
ブラス・ガリンド・ディマス:『ソネス・デ・マリアッチ』
Trad:『ラ・バンバ』
[演奏]メキシコ管弦楽団・合唱団、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1961年9月23日、メキシコシティ、国立音楽院(ステレオ)

<CD3>
チャベス:
交響曲第2番「インディオ」
交響曲第1番 「アンティゴナ」
交響曲第3番
[演奏]メキシコ国立交響楽団、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1966年8月7 & 10日、メキシコシティ(ステレオ)

<CD4>
チャベス:
交響曲第4番 「ロマンティック」
交響曲第5番(弦楽のための)
交響曲第6番
[演奏]メキシコ国立交響楽団、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1966年8月8-10日、メキシコシティ(ステレオ)

<CD5>
チャベス:
ヴァイオリン協奏曲 *
ブクステフーデ:シャコンヌ ホ短調 BuxWV 160(カルロス・チャベス編)
[演奏]ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)*、メキシコ国立交響楽団、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1966年8月6 & 8日、メキシコシティ(ステレオ)

<CD6>
チャベス:
ソリ I(オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペットのための)
ソリ IV(ホルン、トランペット、トロンボーンのための)
ソリ II(管楽五重奏のための)
[演奏]アナスタシオ・フローレス(クラリネット)、サリー・ヴァン・デン・ベルク(オーボエ)、ルイス・サロモンズ(ファゴット)、フェリペ・レオン(トランペット)、ビセンテ・ザルゾ(ホルン)、クレメンテ・サナブリア(トロンボーン)ルーベン・アイスラス(フルート)、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1965年8月、1966年8月、1967年10月、メキシコシティ(ステレオ)

<CD7>
チャベス:
バレエ音楽『ピラミッド』~第3幕:四元素(風・水・地・火)、第4幕:全員のダンス
バレエ音楽『4つの太陽』
[演奏]ロンドン交響楽団、アンブロジアン シンガーズ、カルロス・チャベス(指揮)
[録音]1973年3月16-19日、ロンドン、アビーロード第1スタジオ(ステレオ)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2023年05月26日 12:00