注目アイテム詳細

クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)による新グループ、ニュー・ジョーン(New Jawn)のアルバムが登場

Benny Green

photo Anna Webber

 

チック・コリア、パット・メセニーのグループの一角として活躍し、自身のグループ/ プロジェクトでも話題の尽きないクリスチャンは、今や、1 ベーシストという枠を越え、クリエイターとして大きな存在感を見せますが、本作の登場によって、またその魅力が証明されます。

本グループは、コード楽器を排したカルテット。近年のクリスチャン・マクブライドの活動では、ピアノ・トリオ、ヴィブラフォン、ピアノを加えたインサイド・ストレート、そして、ビッグ・バンドというのがおなじみで、この編成は演奏機会が極めて少なかった類のもの。しかしだからこそ、クリスチャン自身も、このフォーマットで何が起こるか好奇心も抱いて、挑んだといい、結果は、見事にここに結実!

クリスチャンのベースをコアとして、ディープなスウィング・ナンバーからブルース演奏あり、アグレッシヴで大胆な抽象的な表現あり、また美しく上品なバラードあり。一言でいえば、メンバー4 人がピアノレスならではの化学反応を起こし、最大公約数的な音楽を描き上げたと言えそうな演奏の数々!伝統と革新、統制のとれた美しいアンサンブルと、即興のスリルが混然一体となるこのユニットは、21 紀の注目グループといっても過言でないものを感じさせます。

グループのきっかけは、2015年12月、毎年恒例となったヴィレッジ・ヴァンガードの2週間公演の機会にて。クリスチャン・マクブライドは、今やおなじみのピアニストとなったクリスチャン・サンズを迎えたトリオを結成して2 枚の作品を録音しながら、評判高まる“サンズ自身の活動の自由”を考えて新しい方向性も考えていたとのこと。そんな時、ジャッキー・マクリーンの薫陶を受け、若くしてラシッド・アリ、オリバー・レイク、ビリー・ハーパーといったレジェンドのグループにも参加し、ケニー・バロン、マーク・ターナーといったアーティストとも録音歴を持つトランペッター、ジョシュ・エヴァンスと“邂逅”。そこにクリスチャン・マクブライド自身“ブランフォード・マルサリスの後継者”と評するマーカス・ストリックランドを迎えて、フロント二管を設定。そしてリズムを共に担うドラマーには20 年以上という長年の知り合いでありながら、共演歴が少なく、リスペクトし続けていた未知数のナシート・ウェイツを迎えて結成!クリスチャンは、そんなナシートを“いつ何時もクリエイティヴで、旋風を巻き起こすようなドラマー”と評していますが、その意味は、M2, 4, 7あたり数曲を聴けば納得といえます。

酔っ払いが列をなして歩く様子を音楽で表現したというユニークなリズムを配したオープニング曲に始まり、コードレス・カルテットのスリルが炸裂するM4.5、ジョシュ・エヴァンスがセロニアス・モンクへのオマージュを曲にしたM3、ビリー・ストレイホーンの美学を彷彿とさせるM6、そして、ウェイン・ショーターのコンポジションへのメンバーのリスペクトと演奏力が炸裂するM9 まで、駄作、駄演なし、ヴァラエティにも富んだ9 曲!!年6月に来日もした本グループ。その公演に共感された方はもちろん、伝統に則る現代ジャズに注目する全ての方にお薦めの最高の作品です!

日本盤仕様:帯・解説付
2LP(180g 重量盤) ダブルジャケット

 

【収録曲】
1. Walkin’ Funny (2:48) [SideA]
2. Ke-Kelli Sketch (9:54) [SideA]
3. Ballad of Ernie Washington (5:34) [SideA]
4. The Middle Man (4:59) [SideB]
5. Pier One Import (7:44) [SideB]
6. Kush (5:35) [SideC]
7. Seek The Source (7:21) [SideC]
8. John Day (5:19) [SideD]
9. Sightseeing (8:30) [SideD]

【メンバー】
Christian Mcbrid(b), Josh Evans(tp), Marcus Strickland(ts, b-cl), Nasheet Waits(ds)

掲載: 2018年10月01日 16:11