バッド・プラスの新ピアニスト=オリン・エヴァンスが率いる、キャプテン・ブラック・ビッグ・バンド(Orrin Evans and the Captain Black Big Band)
1999年のモンク・コンペティションで優勝、クリスクロス・レーベルでの録音からPosi-toneのようなコンテンポラリーなレーベルまでに幅広いレーベルに多くの録音を残し、ハードでダイナミック、力強いピアノタッチで人気のピアニスト、オリン・エヴァンス率いる〈キャプテン・ブラック・ビッグ・バンド〉の最新作。スモークセッション・レーベルからは4作目の作品となる。
本作は2016年6月と7月にオリン・エヴァンスが育ったホームタウン、フィラデルフィアの「Chris’Jazz Cafe」と「SOUTH Kitchen & Jazz Parlor」の2ヶ所のクラブでライブ録音された。「Chris’Jazz Cafe」は2008年にこのバンドがデビューを飾った記念すべき場所でもある。
ハード・バップ色とコンテンポラリーがミックスされたビッグ・バンド・サウンドは各自のソロもたっぷりとフィーチャーされ、圧倒的な音圧で聴き手を魅了する。地元での演奏だけに観客の反応もフレンドリーで、各自のソロに呼応し演奏者への刺激にうまくつながった圧巻のライブである。
スタジオであろうと、(特に)バンドスタンドであろうと、オリンは他のミュージシャンと音楽を作ることを楽しみの機会として捉えており、まさにディナー・パーティーの理想的なホストのように、参加者の会話を抽出、刺激して一人一人の持ち味を上手に引出しまとめていく、そんなオリンの鋭い感性がバンドを組み立てていきます。
特にNYを拠点に活躍している注目のアルトサックス奏者、カレブ・カーティスの参加も興味深い。まさにライブステージで起こったリアルな現実をそのまま捉えた注目作である。
Orrin Evans and the Captain Black Big Band『Presence』
収録曲:
1.The Scythe (David Gibson)
2.Question (Eric Revis; arr. Josh Lawrence)
3.Onward (John Raymond)
4.When It Comes (Orrin Evans)
5.Flip the Script (Orrin Evans, arr. John Raymond)
6.Trams (Troy Roberts)
7.Answer (Orrin Evans; arr. Josh Lawrence)
8.Presence (Josh Lawrence)
9.When It Comes (alternate take) (Orrin Evans)
メンバー:
piano: Orrin Evans
alto sax: Caleb Curtis, Todd Bashore
tenor sax: Troy Roberts
trumpet: John Raymond, Josh Lawrence, Bryan Davis
trombone: David Gibson, Stafford Hunter, Brent White
bass: Madison Rast
drums: Anwar Marshall, Jason Brown
掲載: 2018年10月03日 11:22