Ethan Iverson(イーサン・アイバーソン)|ザ・バッド・プラスを離れた現代屈指のピアニストによる注目作『Bud Powell In The 21st Century』
現代屈指のピアニスト、イーサン・アイバーソンが、アレンジャーとしての才能もみせ、バド・パウエルの世界をラージ・アンサンブルで描いた注目作。21世紀のバド・パウエルと題する通り、作品全体は、ビッグ・バンドのダイナミズムを生かしながら絶妙に現代的でスタイリッシュ。イングリッド・ジェンセン、ダイナ・ステファンスらとの豪華クインテット+イタリア人アーティストの共演ウンブリア・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。
ザ・バッド・プラスのファウンダー・メンバーとしてジャズの新しい地平を切り拓くと同時に、歴史を重んじる研究者的な存在でもあるイーサン・アイヴァーソンは、“伝統” と“革新”、双方をつなぎ合わせ、表現するアーティスト。そしてザ・バッド・プラスを離れてからは、Monk@100 のキュレーションや、デューク大学でのモンク生誕100 周年記念イベント、アメリカン・コンポーザーズ・オーケストラのためのピアノ協奏曲など活動フィールドを拡張している。
本作は、イタリアのウンブリア・ジャズ・フェスティバルから委託を受けたプロジェクト。Blue Noteの録音を完全収録したMosaicボックス、またVerveの『The Genious of Bud Powell』を入口に人生を通してインスピレーションを受けて続けてきたバド・パウエル(ゆかり)の楽曲を選曲して、アレンジ、演奏するとともに、パウエルのソロ・フレーズなどからインスパイアされたオリジナル・コンポジション7も織り交ぜた1曲を収録。
バド・パウエルの楽曲を傷つけることなく、描きたいという思いを抱いたアイバーソンは、ソニー・ロリンズ、ファッツ・ナヴァロ、トミー・ポッター、ロイ・ヘインズと共演した1949 年のクインテットによるセッション演奏をもとに、4つの楽曲「Bouncing with Bud」「Dance of The Indels」「Wail」そして同セッションで演奏されたセロニアス・モンクの楽曲「52nd Street」をセレクト。ダイナ・ステファンス、イングリッド・ジェンセン、ベン・ストリート、ルイス・ナッシュをフィーチャーして再現するほか、パウエルの音楽の重要な核となったハーモニー、またメロディのアイデアをもとにアンサンブル・パートをアレンジ。楽曲がもともと持っているブルージーでファンキーなサウンドとともに、どこか危ういムードもにじませる。
Track List: 01. Bud Powell In The 21st Century, Part 1: Chorale 02. Bud Powell In The 21st Century, Part 2: Continuity 03. Celia 04. Tempus Fugit 05. Five Simple Spells: I. Chorale 06. Bouncing with Bud 07. Five simple Spells: II. Waltz 08. Wail 09. Five Simple Spells: III. Chorale 10. Dance of The Infidels 11. Five Simple Spells: IV. Moderato 12. 52nd Street Theme 13. Five Simple Spells: V. Ballad 14. I’ll Keep Loving You 15. Nobile Paradiso 16. Un Poco Loco
掲載: 2021年01月14日 11:41