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新世代UKメタルコア・シーンの代表格=アーキテクツ(Architects)、約2年振りの新作『Holy Hell』

Architects

2004年にUKのブライトンで結成し、2006年にアルバム『NIGHTMARES』でデビューを果たし、その後Century Media~Epitaphへとレーベルを移動しながら、その強靭なポスト・ハードコア・サウンドで全世界のヘヴィ・ミュージック・ファンを飲み込みながら、エンター・シカリやブリング・ミー・ザ・ホライズンと並び、UKメタルコア・シーンの代表格として圧巻の存在感を持って活動を続ける、メタルコアの未来を担うバンド、アーキテクツ

新世代メタルコア・シーンの代表格でもある彼らが、前作『ALL OUR GODS HAVE ABANDONED US』に続く約2年振りとなる最新作『HOLY HELL』を完成させた。今作は彼らにとって通算8作目となる作品であり、Epitaphからの第3弾となるアルバム。前2作ではフレデリック・ノードストロムとヘンリック・ウッドをプロデューサに迎え、スウェーデンでレコーディングを行なってきた彼らだが、今作では地元イギリスにあるMiddle Farm Studiosにて、ドラマーのダン・サール(dr)とジョシュ・ミドルトン(g)によるセルフ・プロデュースという形で制作された作品だ。

この新作を語る上で避けて通れないのが、前作発売直後に彼らを襲った悲劇だ。2016年8月、バンドの創立メンバーであり、ドラマーのダンとは双子の兄弟でもあるトム・サールが、癌のためこの世を去ってしまったのだ。その後予定されていたオーストラリアとUK/ヨーロッパ・ツアーは、トムが生前望んでいたようにキャンセルされることなく行われたのだが、その後悲しみと喪失感によって、しばらく苦悩の日々を過ごしていく。

しかし、兄弟のダン、そしてバンド・メンバーは、この悲しみを乗り越え、トムのためにバンドとして歩み続けることを決意したのだ。トムと共に既に新作用の楽曲の準備を進めていた彼らは、トムの意志を継ぎ、ツアーを再開し、新作のレコーディングに取り組んでいく。
「彼が亡くなった後、俺は全てに絶望して、不幸のどん底に落ち込んでしまっていた。なんとかその痛みを無視して、なんとか生活していこうとも考えたけど、ある日、この痛みから何かを学ぶべきなんじゃないかと思うようになったんだ」 ─ ダン・サール
「常に自問自答していたよ、俺たちには何が残ってるんだ?ってね。グループとして、そして友人として、俺達は何かを見つけなくちゃいけなかった」 ─ サム・カーター(vo)「究極的に言えば、俺たちには二つの選択肢があった。自分自身を嘆き、世界は恐ろしい場所で、俺達はこの世界に飲み込まれるしかない、と考えるか、この悲しみを力に変えて、トムが望んだであろう人生を生き続けていくか。そこで俺達は前に進むことに決めた。痛みというものは価値のあるものさ、そこから俺達は何かを学び、そして成長していけるんだ」 ─ ダン・サール

この痛みと悲しみを乗り越え、未来を見据えて作り上げられたこの最新作『HOLY HELL』。強靱で硬派なメタルコア・スタイルはそのままに、さらなる広がりと聴く者の感情に訴えかける力強さをも手に入れたサウンドを提示するこのアルバムは、全ての人の人生に光を灯す、ダークでありながらポジティヴな精神性が溢れ出る、メタル・シーンに生み落された新たな名作なのだ。

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2018年10月25日 12:12