古楽器アンサンブル「ガリレイ・コンソート」の新録音はカヴァッリの“1660年の大ミサ”
巨匠モンテヴェルディの高弟としてヴェネツィアで頭角をあらわし、すぐにイタリア・オペラ史を最先端でリードする大作曲家となった名匠カヴァッリ。その豊かな実績は諸外国まで知れわたり、後年フランス王ルイ14世が隣国スペイン・ハプスブルク家との抗争にひとたび終止符を打った1659年には、講和祝典のための音楽提供者として白羽の矢が立ちます。
翌1660年1月にパリで披露されたその祝典ミサ曲の演奏には、ヴェネツィアから随行した演奏陣のみならずパリ随一の歌手たちも集い、きわめてみごとな音楽と絶賛された記録が残っています。
ここではリュリによるフランス叙情悲劇創出の前、この歴史的音楽イベント(詳細は解説参照、国内仕様は日本語訳付)を振りかえるべく、フランスきっての声楽・器楽勢が集うガリレイ・コンソートが当時の様子をしのぶプログラムを編作。
管・弦入り混じっての壮麗なヴェネツィア様式の音楽を、ヴェルサイユ宮殿の旧王室礼拝堂に緻密な解釈で響きわたらせます。
往年の「三大カウンターテナー」盤でも名高いパスカル・ベルタンはじめ演奏陣の充実度も見事。フランス音楽はイタリアから何を受け取ったのか?ヴェネツィア楽派とのかかわりを解き明かしながら「リュリ前夜」のフランス王室における教会音楽の真相に迫る、多声合唱と古楽器の交錯を十全に楽しめる注目盤です。
(ナクソス・ジャパン)
『カヴァッリ:1660年の大ミサ~フランス=スペイン和平成立を祝うヴェネツィア音楽~』
【曲目】
フランチェスコ・カヴァッリ:1660年の大ミサ
1.金管合奏*
2.トッカータ*
3.キリエ(MS)
4.グローリア(MS)
5.おお、善きイエスさま(SC)
6.クレド(MS)
7.カンツォーナ*
8.サンクトゥス(MS)
9.聖体奉挙の奏楽*(作曲者不詳)
10.アニュス・デイ(MS)
11.誉め讃えよ、歌えよ(SC)
12.金管合奏*
13.神を讃えよ、イェルサレムよ(VP)
「出典」
MS:『聖曲集 Musiche Sacre』(1656)より
SC:『聖なる冠Sacra Corona』(1656)より
VP:『詩篇曲集Vesperi』(1675)より
* は歌い手なしの器楽
【演奏】
[独唱]
ステファニー・レヴィダ(ソプラノ)
パスカル・ベルタン(アルト=カウンターテナー)
マルシャル・ポリア(テノール)
ルノー・ブレス(バス)
バンジャマン・シェニエ(指揮)
ガリレイ・コンソート(合唱&合奏/古楽器使用)
オディール・エドゥアール(コンサートミストレス)
フレディ・エシェルベルジェ(オルガン)
【録音】
2018年2月9~11日
ヴェルサイユ宮殿旧王室礼拝堂
日本語解説付き
[解説・歌詞日本語訳:白沢達生]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年01月24日 00:00