MEMBRAN『ヴラド・ペルルミュテール(ピアノ)名演集』(10枚組)
フランスの名ピアニスト、ヴラド・ペルルミュテール(1904~2002)と言えば、私が以前、ジャン=マルク・ルイサダ(1958~)にインタビューしたときに直接うかがった下記のエピソードが忘れられません。
「17歳のときシャンピ先生(マルセル・シャンピ:1891~1980)のお宅でショパンのピアノ・ソナタ第1番のレッスンを受けていたときの話です。午後7時に家のベルがなって、ヴラド・ペルルミュテールさんが訪ねてきました。ペルルミュテールさんは当時70歳。シャンピ先生は85歳でした。二人は兄弟のように仲が良かったのですが、ペルルミュテールさんはロンドンでショパンの練習曲集を演奏するというので、レッスンを受けにきたのです!それを見て自分はまだ17歳で、一生勉強なのだと思いました」
ご承知のようにペルルミュテールは若い頃、ショパン弾きとして名高いアルフレッド・コルトー(1877~1962)、そして大作曲家のモーリス・ラヴェル(1875~1937)に教えを受け、ショパン、ラヴェルの名演奏家として知られています。彼の類まれな才能、センスに加え、一生学び続ける姿勢が彼を歴史に名を残す大ピアニストとし、その録音が今日なお名盤として尊ばれていることに繋がっているのでしょう。
このBOXには作曲家直伝の解釈によるラヴェルのピアノ作品全集(VOX原盤、モノラル)と、彼が得意としたもう一人の作曲家、モーツァルトのピアノ・ソナタ全集(VOX原盤、モノラル)を中心としたもので、10枚組でレギュラー盤1枚程度の価格が設定されている超廉価BOXです。
カップリングのシューベルトの「ます」(コンサートホール原盤、ステレオ)や2枚のショパン・リサイタル(コンサートホール原盤、ステレオ)、シューマンのクライスレリアーナと幻想曲(VOX原盤、モノラル)も名盤の誉れ高いもので、非常にお買い得な内容となっています。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
ヴラド・ペルルミュテール(pf)名演集
Disc. 1~Disc. 3
ラヴェル:ピアノ曲全集
鏡、夜のガスパール、水の戯れ、古風なメヌエット、亡き王女のためのパヴァーヌ、ソナチネ、前奏曲、高雅で感傷的なワルツ、クープランの墓、ハイドンの名によるメヌエット
ピアノ協奏曲ト長調、左手のためのピアノ協奏曲
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮、コンセール・コロンヌ管弦楽団
1955年録音
シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」D.667
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」D.703
パスカル弦楽四重奏団、ハンス・フライバ(Cb)
1960年録音
Disc. 4、Disc. 5
ショパン・リサイタル
幻想曲Op.49、タランテラOp.43、スケルツォ第2番Op.31、舟歌Op.60、子守歌Op.57、練習曲Op.10-12、バラード第2番Op.38、24の前奏曲Op.28、前奏曲Op.45
1961年録音
Disc. 6~Disc. 9
モーツァルト:ピアノソナタ全集、幻想曲K.475
1956年録音
Disc. 10
シューマン:クライスレリアーナOp.16、幻想曲Op.17
1955年録音
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2019年01月29日 00:00