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リコーダー奏者モーリス・シュテーガーの新録音はヘンデル!『ヘンデル氏の夕食会~協奏曲、ソナタとシャコンヌ』


[Maurice Steger 公式チャンネルより]

“リコーダー界のパガニーニ”モーリス・シュテーガー。待望の新録音はヘンデル!

“リコーダー界のパガニーニ”、モーリス・シュテーガー。シュテーガーはこれまでのディスクでも、演奏そのものの鮮やかさはもちろん、プログラミングの妙で世界の聴衆をあっと言わせてきましたが、今回彼がとりあげたのは、ヘンデルです。
「Mr. Handel’s dinner(ヘンデル氏の夕食会)」と題し、ヘンデルのオペラの幕間に繰り広げられた豪華な夕食会での音楽を集めた1枚。
当時ヘンデルの周りには、ロンドンでもトップクラスの音楽家や、海外からヘンデルを訪ねてやってきた各国の人気作曲家たちが常にいました。にぎやかできらびやかなディナー会場が目に浮かぶようです。

(1)のリコーダー協奏曲は、HWV369のリコーダーと通奏低音のためのソナタと、それをもとにヘンデルがオルガン協奏曲に仕立てたHWV293のオルガン協奏曲 ヘ長調 op.4-5 の両ヴァージョンを合わせたかたちで演奏したもの。
ほかにも、ヘンデル自身も当時行っていたような、様々な楽曲からの舞曲をよりすぐってひとつの「組曲」にしたてたもの(2)、ヘンデル自身が通奏低音の教材として使用するためにも作曲したもの(5)が収められています。
(6)のパッサカリアはもともとは歌劇「ラダミスト」(1720年初演)の第3幕の終盤で演じられるバレエの楽曲で、1737/38年頃に出版されたトリオ・ソナタ op.5-4の第3楽章にもなっています。当時のこの楽曲のコピー譜の中に、4声のため(ヴィオラが加わっている)の編成の譜面も見つかっており、これは原曲のオペラの楽曲をかなり忠実に編曲したものとなっています。
(8)のハ短調のトリオは、ヘンデルの初期のロンドン・オペラからの楽曲の楽章をアレンジした最初の作品。
他にも、モラヴィア出身でおそらくはロンドンにおけるヘンデルの前任者であるフィンガー、ヘンデルの数少ない作曲の弟子と言われているバベル、そしてヘンデルより2歳年下で友人でもあったジェミニアーニの作品など、どこをとっても盛りだくさんの内容となっています。

シュテーガーは、1971年スイスのヴィンタール生まれ。チューリッヒ音楽大学にてパドロ・メメスドルフとケース・ブッケに、シュトゥットガルトではマルクス・リードに師事し、1995年にソリスト・ディプロマ“With Highest Honors”を、2002年にはカラヤン賞を受賞するなど、輝かしい経歴を遺しています。ウィグモアホール、ゲヴァントハウス、コンセルトヘボウなどで演奏会を重ねているほか、ベルリン古楽アカデミーなどの古楽アンサンブルやモダン・オーケストラとも共演。来日演奏も行っており、その技量と、舞台を縦横無尽に駆け回って演奏するパワー溢れるパフォーマンスで聴衆を魅了しました。これまでにも「ナポリのフォリア~ 1725年」と題し、クヴァンツがナポリを訪れた1725 年以降、ナポリでもさかんにリコーダー音楽が書かれるようになった当時の音楽を集めたディスク[HMC902135] など、歴史的にも興味深い切り口のプログラミングでCDをリリースしています。
(キングインターナショナル)

『Mr. Handel’s dinner(ヘンデル氏の夕食会)~協奏曲、ソナタとシャコンヌ』
【曲目】
1.ヘンデル:リコーダー協奏曲 ヘ長調
2.ヘンデル:組曲~「アルミーラ」HWV1の舞曲とオーボエ協奏曲 ト短調 HWV 287終楽章(アレグロ)(シュテーガー編)
3.ジェミニアーニ(1687-1762):フルート協奏曲 ト長調
4.ゴットフリート・フィンガー(c.1660-1730):グラウンド ニ短調
5.ヘンデル:フルート・ソナタ イ短調 HWV 362
6.ヘンデル:パッサカリア ト短調 HWV 399
7.ウィリアム・バベル(c.1690-1723):6 本のフルートと4 つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 op.3-1
8.ヘンデル:トリオ ハ短調 HW 386a
9.ヘンデル:シャコンヌ ト長調 HWV 435
【演奏】
モーリス・シュテーガー(リコーダー)
ラ・チェトラ(バロックオーケストラ・バーゼル)
【録音】
2018年8月&9月

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2019年03月11日 00:00