フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/伝説のコンサート(1950-53)(ターラ編)(6枚組)
ターラ原盤から集成した
フルトヴェングラー&ウィーン・フィルの真髄!
フルトヴェングラーは50年代に入ると、ウィーン・フィルとHMV(のちのEMI)に40タイトルを超える大量のスタジオ録音を行なう一方で、ヨーロッパの主要都市でコンサートを実施しました。1950-53年、6カ所でのコンサートのほぼ全曲をターラがCD化!巨匠とウィーン・フィルの深い結びつき、その偉大な名演の数々が廃盤となって久しいターラの原盤から最新リマスターで甦ります。キング関口台スタジオでのリマスタリングで、ターラならではの鮮明な音質にさらに磨きをかけた今回の6CD、永久保存盤としての価値あるCDと申せましょう。
(キングインターナショナル)
・1950年10月1日コペンハーゲン・・ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」(当日の「未完成」「ティル」は音が遺されていません)
・1951年10月22日シュトゥットガルト・・ハイドン:交響曲第88番「V字」(当日の「スペイン狂詩曲」、ブルックナー4番はターラでは未収録)
・1951年10月29日ミュンヘン・・ベートーヴェン:「コリオラン」序曲/シューマン:交響曲第1番「春」/ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(全曲目を収録)
・1952年11月30日ウィーン・・ベートーヴェン:交響曲第1番、第3番「英雄」/マーラー:さすらう若人の歌(全曲目を収録)
・1953年8月30日ザルツブルク・・シューベルト:交響曲第9番「グレイト」(当日の「世界の調和」はターラでは未収録)
・1953年9月4日ミュンヘン・・ベートーヴェン:「エグモント」序曲、交響曲第4番(当日の「英雄」は音が遺されていません)
<収録曲情報>
KKC4173/8(6CD)
モノラル
日本語帯・解説付
CD 1
(1)ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 作品21
(2)マーラー:さすらう若人の歌
(2)アルフレード・ペル(バス)
【録音】
1952年11月30日 ムジークフェラインザール、ウィーン(ライヴ)
原盤:Tahra (Furt 1076)(P)2002
この日の全曲目収録CDをターラが正規発売。後半のプログラム「英雄」はCD2に収録。ベートーヴェンの第1番はEMIへのスタジオ録音の2日後だけに基本的な解釈は同じだが、ライヴならではの凄みと音楽の流れの良さがある。「さすらう若人の歌」は5か月前のフィッシャー=ディースカウとのEMI録音が有名だが、フルトヴェングラーの指揮だけとれば、ウィーン・フィルを得てよりロマンティックな味わいの濃いこの録音が捨てがたい。
CD 2
(1)ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
(2)ベートーヴェン:「エグモント」序曲
【録音】
(1)1952年11月30日 ムジークフェラインザール、ウィーン(ライヴ)
(2)1953年9月4日 ドイツ博物館コングレスザール、ミュンヘン(ライヴ)
原盤:Tahra (Furt 1077/1091)(P)2003/2004
「英雄」はEMIの有名なスタジオ録音直後のライヴで、当然ながら解釈は酷似しているが、響きがいっそう生々しく暖かく、ライヴならではの緊迫感に満ちている。とくに第1楽章は緩急の振幅が大きく、内に秘めた燃える炎の表現が、聴く者の心をとらえて離さな
い。
CD 3
(1)ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 作品60
(2)ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」
【録音】
(1)1953年9月4日 ドイツ博物館コングレスザール、ミュンヘン(ライヴ)
(2)1950年10月1日 オッド・フェロウ・パレス、コペンハーゲン(ライヴ)
原盤:Tahra (Furt 1090)(P)2004
「第4番」は52年EMIへのスタジオ録音後のライヴで、気宇壮大にして、生命感に満ちている。「運命」は50年10月コペンハーゲンでのライヴ。同年、フルトヴェングラーは9月25日のストックホルムを皮切りに、ウィーン・フィルとの北欧楽旅を実施、「運命」はそのメイン・プロであった(このあと54年の有名なEMIへのスタジオ録音につながった)。冒頭と締めのアナウンス入り、終演後の歓声入りの実況録音で、臨場感たっぷりの音質。2曲とも正規盤としてTahraが初出。
CD 4
(1)ハイドン:交響曲 第88番 ト長調 「V字」
(2)ベートーヴェン:序曲「コリオラン」作品62
(3)シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調 作品38 「春」
【録音】
(1)1951年10月22日 シュトゥットガルト(ライヴ)
(2)(3)1951年10月29日 ドイツ博物館コングレスザール、ミュンヘン(ライヴ)
原盤:Tahra (Furt 1087)(P)2004
「V字」は2ヶ月後ベルリン・フィルとのDGGへのスタジオ録音があるが、ここで聴かれる音楽の張りと流れ、そしてウィーン・フィルの柔らかい音色はすばらしい。「春」はフルトヴェングラー唯一の録音。巨匠ならではの緻密で雄弁なシューマンとなっており、音質が大幅にアップしたこのCDで聴くと、彼の呪縛のなかに取り込まれていくようである。
CD 5
ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調「ロマンティック」(改訂版)
【録音】
1951年10月29日 ドイツ博物館コングレスザール、ミュンヘン(ライヴ)
原盤:Tahra (Furt1092) (P)2004
51年10月29日ミュンヘンでのコンサートの後半のプログラム。早めのテンポ、細かいフレージングの第1楽章。ウィーン・フィルの弦の持ち味を生かしたアンダンテ。エネルギッシュな爆発力を示すスケルツォ。魂の訴求力をみせるフィナーレ。そして最後の絶叫のコーダまで、巨匠の自在な指揮ぶり、偉大な技が光っている。音も鮮明。
CD 6
シューベルト:交響曲 第9番 ハ長調 D.944「グレイト」
【録音】
1953年8月30日、フェストシュピールハウス、ザルツブルク(ライヴ)
原盤:Tahra(FURT1095) (P)2005<ボーナス・トラック>
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
【録音】
1950年8月5日、フェストシュピールハウス、ザルツブルク(ライヴ)
原盤:Tahra(FURT1086) (P)2003
「グレイト」は以前にリリースされた他社盤とは異なり、フルトヴェングラーの友人アルフレート・クンツ秘蔵テープを元にしていて、情報量は多く、まろやかなウィーン・フィルの音色を堪能できる。「ライヴだけに51年のスタジオ録音よりは、42年の表現に限りなく近い」
(宇野功芳『フルトヴェングラーの全名演名盤』講談社α文庫より)
ボーナス・トラックに、50年8月5日の《フィデリオ》歌劇上演ライヴから「レオノーレ」序曲第3番、魔力的ともいえる凄絶名演を壮大な拍手込みでカップリング収録。
【演奏】
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2019年04月03日 12:00