中世音楽集団「ディアロゴス」の好企画!『「バルラームとヨサファト」~ブッダはキリスト教の聖人?』
[Outhere Music 公式チャンネルより]
宗教史の大きな謎に迫る好企画!
クロアチアという隠れた古楽の宝物庫から現れ、世界的な活躍を続けている中世音楽集団ディアロゴスの最新盤のテーマは「釈迦物語」。
驚くべきことに、仏教の開祖ゴータマ・シッダルタ=ブッダの生涯はマニ教の書物を介してアラビア語圏に伝わり、そこから東方正教やローマ・カトリックの世界に伝わった結果なぜかブッダが「老人バルラームとの出会いでキリスト教に目覚め、父王の怒りを買いながらも改宗した聖人ヨサファト」として扱われるようになったとのこと。
ディアロゴスはイタリアやスラヴ語圏・ギリシャなどの中世写本、あるいは南仏吟遊詩人の物語歌などから関連する詩歌を精選、簡素な中世楽器を伴奏に用いながら、独特の朗誦でその実像を浮き彫りにしてゆきます。
ごくシンプルな器楽伴奏による歌の響きは、それを聴くだけでも心が中世へと誘われる美しいもの。
音だけでは伝わりにくい詳細な諸問題点にも配慮は万全で、ダウンロードによるマルチメディアe-book(英語版とフランス語版)が付属しており、200ページにも及ぶ解説文と豊富な図版、解説と演奏の動画などを楽しむことが出来、この興趣の尽きない伝説を俯瞰する興味深い内容となっています。
※e-bookはブラウザを使用してお楽しみいただけますが、映像が支障なく再生できる環境(Windows10とMicrosoft Edgeの組み合わせなど)が奨励されています。
(ナクソス・ジャパン)
『「バルラームとヨサファト」~ブッダはキリスト教の聖人?』
【曲目】
1.ERA IN QUEL TEMPO D’INDIA SIGNORE それはインドに、異教のアヴェニレ王がいた頃
~ネーリ・パリアレージ(14世紀)によるイタリア語八行連詩「聖ジョサファの伝説」より
2.QUINSAINNE APRIES 2週間の後
カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
~エリナン・ド・フロムンドゥス(12世紀):VERS DE LA MORT 死に向かい
MOLT EST DOLANS LI FILS LE ROI 王の息子は大いに苦しみ
~カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
3.NEMPE SENEX QUIDAM,VIR SANCTUS NOMINE BARLAAM ある老人、すなわち聖人バルラームの名を唱えよ
~ラテン語による「聖バルラームとヨサファトの言葉」(12世紀) より
4.I POYDE BARLAAM NA URATA OD PALACA バルラームはホサファトの宮廷を訪れ
~クロアチア語による「聖ジョサファトの伝説」(ザグレブ18世紀の編纂) より
5.E SI TU AGUESSAS HUELHS ESPERITALS 夜啼鶯のお話
~南フランス語による「バルラムとジョザファス」(パリ14世紀の編纂) より
6.IVIRON INCANTATIONS (I) イヴェロンの朗誦(I) …器楽による演奏
~イヴェロン修道院(ギリシャ・アトス山)17世紀の写本より
7.BAPЛAM ЖE ГЛAГOЛA バルラームは語った(一角獣のたとえ話)
~スラヴ古語とロシア語による「バルラームとヨアサフの物語」(16世紀編纂) より
8.LI FILS LE ROI LI RESPONDI 王の息子は答えた
~カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
9.I CHADA CHRAGL BISE RAZUMI 王は息子がキリスト教を奉じることを認め
~クロアチア語による「聖ジョサファトの伝説」(ザグレブ18世紀の編纂) より
10.TAÛTA OŪN ΠÁNTA
~ギリシャ語による「バルラームとイオアダフ」(パリ14世紀の編纂) より
11.IVIRON INCANTATIONS (II) イヴェロンの朗誦(II) …器楽による演奏
~イヴェロン修道院(ギリシャ・アトス山)17世紀の写本より
12.KE FOL SONT LI EGYPTIIEN 奇妙なエジプト人たち
~カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
【演奏】
ディアロゴス
カタリーナ・リヴリャニチ(歌、音楽監督)
アルブレヒト・マウラー(フィドル、レベック、楽器復元製作)
ノルベルト・ローデンキルヒェン(各種笛、ハープ)
【録音】
2016年12月3-6日
クンスト=スタツィオーン・ザンクト・ペーター、ケルン
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年04月09日 00:00