映画音楽ファン要注目・SF&ファンタジーの人気作CD化を得意とし、ドラマ、ゲーム・サントラにも挑むレーベル、それがララランド!
<映画音楽ファン要注目・SF&ファンタジーの人気作CD化を得意とし、ドラマ、ゲーム・サントラにも挑むレーベル、それがララランド>
『スーパーマン』『スター・トレック』といったSFの大御所から、DCのドラマ・シリーズのサントラまで、まさにファンタスティック映画を得意とする、歴史の長いアメリカのサウンドトラック専門レーベル、ララランド。名作初音盤化から、新作まで、膨大なカタログから、おすすめのタイトルを紹介。
『エアポート'77 バミューダからの脱出』
音楽 ジョン・カカヴァス
『エアポート'80』
音楽 ラロ・シフリン
サウドトラック、カップリング2枚組
公開当時は、サウンドトラック盤が発売されなかった、スリリングかつメロディアスなサウンドで展開するパニック映画ヒット作2作のカップリング!『エアポート'77』は、ハリウッドの至宝級俳優たちが、美術品も載せた富豪のプライベート・ジェットの乗客として登場。ハイジャックされた機はバミューダ海域に落下!海底からの決死の救助活動が描かれる。パニック映画サントラの金字塔『エアポート'75』で充実のキャッチーなサスペンス・スコアを聴かせた、テレビドラマ・シーンの職人、ジョン・カカヴァスが再登板、<75>の続編を思わせる重厚なメロディで、大人のパニック映画スコアを聴かせる。
そして、一転して、当時のフランス航空界の華、コンコルドが謎の何者かに攻撃される『エアポート'80』は、御大ラロ・シフリンが登板、アラン・ドロン、シルヴィア・クリステルといった華やかなメンツのアドベンチャーを盛り上げるスピーディでゴージャスなテーマ。こちらは、ラウンジ的ナンバーなども用意し、60年代アクション的な遊びも聴かせて往年のシフリン・サウンド的に楽しめる。70年代、アクションスペクタクル・スコア・ファン必聴タイトル!
『風の向こうへ』
音楽 ミシェル・ルグラン
70年代に伝説の巨匠オーソン・ウェルズが撮影を完了するも、資金難のために編集・完成に至る前にウェルズが他界し、幻の遺作となっていた『風の向こうへ』が、17年にネットフリックスが挙手したことにより、完成および配信となった話題作。壮大な企画を持ちながら、新作を進めることができない、かつての名匠監督の物語を映画内映画も交えつつ、という作品そのものの状況と合い重なるようなストーリー。未作成だった音楽は、遺されたウェルズの「ルグランに相談」なるメモを頼りに、ルグランに依頼。結果、実質的な遺作をルグラン自身も思っていたであろうばかりの、オーケストラとビッグバンドが絡み合い、クラシックからジャズまで、今までのルグラン・エッセンスの集大成的な超大作スコアとなった。今回、ご本人が演奏に関わることはできなかったが、まるでルグラン自身が引いたかのような、遊び心満載のピアノプレイ他、まさにルグラン・スコアそのものの華やかさ。これは驚き。
『未知との遭遇』40周年記念サウンドトラック
音楽 ジョン・ウィリアムズ
『ジョーズ』で一躍注目監督となったスピルバーグ監督が早くも手掛けたライフワークの実現的なSFスペクタクル。宇宙生命体とのコンタクトに選ばれた人間たちの時間を追いつつ、感動的なUFOとの交流シーンまでエキサイティングに見せていく。ジョン・ウィリアムズの音楽は、不安感と期待の心情、そして神秘などが表された印象的なフレーズを中心に、オーケストラとコーラスで躍動感あふれるスコアとなり、実験音楽的要素もありつつ、ワクワクしながらじっくり聴ける丁寧なスペクタクル・スコアの傑作。
『戦争の犬たち』
音楽 ジェフリー・バーゴン
フレデリック・フォーサイスのベストセラーの映画化のハードアクション。音楽はクラシック作品やテレビドラマ音楽の仕事も多いジェフリー・バーゴン。この、かなりデンジャラスな素材を、壮大なオーケストラで描写していく。決してパーカッシヴなアプローチに依ることなく、ストリングスのメロディの推移でスリリングな雰囲気をまとめていく徹底さがかっこいい。
『レス・ザン・ゼロ』
音楽 トーマス・ニューマン
ロサンゼルスの上流社会の若者のパーティ、セックス、ドラッグに明け暮れる日々の快楽と地獄。ベストセラー作家ブレット・イーストン・エリスの衝撃的なデビュー作を『アナザーカントリー』のマレク・カニエフスカ監督が映画化。音楽はトーマス・ニューマン。シンセやストリングスの波の上に、幻想的に舞うアンビエント的なメロディ。80年代的デカダンスなスコアと考えれば、なるほど的な、きらびやかだが実体を見せないサウンド。
『地獄の黙示録』
デヴィッド・シャイアによる不使用スコア
映画史の1ページ、『地獄の黙示録』の、デヴィッド・シャイア作曲による、不使用スコア音源!その内容は、完璧なエレクトロ・サウンド。コッポラが当初、冨田勲氏にムーグを使用してのスコア作りを希望していたということで、まさに、そのサウンドへのオマージュとでもいうべき、シンセならではの音色をふんだんに聴かせての、かなり暴力的スコア(ノイズすれすれ)。タンジェリン・ドリーム『恐怖の報酬』ともイメージ被る箇所もあり、エレクトロ・スコア好きはぜひどうぞ。
『ゼンダ城の虜』
音楽 ヘンリー・マンシーニ
これが5度めの映画化となった、ヒロイック・コメディ古典。王そっくりの男が、城中の騒動を解決。主演はピーター・セラーズで、当時の奥様リン・フレデリックも、主人公と結婚することになる隣国の王女役で。監督は『パリで一緒に』『女房の殺し方教えます』のリチャード・クワイン。音楽はヘンリー・マンシーニだが、いつものジャジーなイージーリスニングではなく、このコスチュームプレイに則ったストリングスの室内楽的ナンバー他、おごそかなタッチ。時にマンシーニというよりモーリス・ジャール的なアプローチのナンバーも。
『リオ・ロボ』
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
『リオ・ブラボー』『エル・ドラド』と快作を見せたホークス監督、ウェイン主演の最終作。南北戦争末期、金塊輸送列車が強奪され、大佐は捜査に乗り出す...。ゴールドスミスのスコアは、ギターの音色をポイントで使いながらも、陽性にキャッチーで豪快なメインメロディを軸に、鋭い切れ味のパーカッシヴなオーケストラ・スコアを繰り出す。西部劇ならではの爽快さもあるが、それよりもジェリーの男のアクション・スコアというイメージの方が多し。