バロック・チェロの名手ガエターノ・ナジッロによる、ヴェネツィアのチェロ・ソナタ集『18世紀ヴェネツィアのチェロ・ソナタ~ヴィヴァルディの影で』
[Outhere Music 公式チャンネルより]
世界初録音曲も収録!
音楽大国ヴェネツィア共和国は、チェロ史上も「ヴィヴァルディだけ」ではなかった
キアラ・バンキーニやエンリーコ・ガッティらが絶大な信頼を置くバロック・チェロ奏者であり、イタリア17~18世紀のチェロ音楽史についての該博な知識をソリストとしての活動で活かしてきたガエターノ・ナジッロ。
2015年にはチェロ先進地としての18世紀ナポリに光をあてた2枚組アルバムが話題を呼びましたが、今度のテーマはヴェネツィア。「水の都」たる首都の活況だけでなく、内陸のパドヴァやアドリア海沿岸の現クロアチア領も含めたヴェネツィア共和国領内で、古典派時代初期へ向けてどれほど豊かなチェロ音楽が発達してきたか…入念な解釈、闊達にして味わい深い古楽器演奏で明らかにしてゆきます。
18世紀ヴェネツィアのチェロ音楽といっても、多くの場合はヴィヴァルディの作品ばかりが注目されてきたところ。しかしオペラや合奏など音楽目当ての観光客も詰めかけた当時のヴェネツィアだけに、低音を支えるチェロ奏者にも事欠きませんでした。
ヴィヴァルディが指揮したピエタ養育院でも教鞭をとった名手たちには、チェロ音楽揺籃の地ボローニャから来たヴァンディーニの姿も。
古典派への一歩をみせる作品も少なくなく、リ・インコーニティの鍵盤奏者フォンターナら頼れる通奏低音陣の活躍とあいまって、発見に満ちたガットの中低音世界に興味がつきません。
(ナクソス・ジャパン)
『18世紀ヴェネツィアのチェロ・ソナタ~ヴィヴァルディの影で』
【曲目】
1-4.ジローラモ・バッサーニ(17世紀後期-1740):ソナタ第3番 イ短調*
[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
5-8.ベネデット・マルチェッロ(1686-1739):ソナタ第6番 ト長調 Op1-6
[通奏低音=チェロ、チェンバロ]
9-12.ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ(1697-1763):ソナタ第1番 ト短調(1725)
[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
13-16.アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741):チェロ独奏[と通奏低音]のためのソナタ 変ロ長調 RV46
[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
17-20.ディオゲニオ・ビガーリア(1676-1745):チェロ・ソナタ ト長調*
[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
21-23.アントニオ・ヴァンディーニ(1690-1730):ソナタ イ短調(1730)*
[通奏低音=チェロ、チェンバロ]
24-27.アントニオ・マルティネッリ(1704-1782):チェロ[と通奏低音]のためのソナタ ニ長調*
[通奏低音=チェンバロ]
28-30.ミケーレ・ストラティコ(1728-1787):チェロと通奏低音のためのソナタ イ長調*
[通奏低音=チェロ、チェンバロ]
*=世界初録音
【演奏】
ガエターノ・ナジッロ(チェロ)
…ファブリアーノのアントニオ・ウンガリーニ1750年頃製作のオリジナル楽器
アンナ・フォンターナ(チェンバロ)
…メッシーナのカルロ・グリマルディ1697年製作楽器によるフィレンツェのトニー・キンネリー2002年製作の再現楽器
サラ・ベンニーチ(チェロ/通奏低音)
…ロンドンのバラク・ノーマン1717年頃製作のオリジナル楽器
エヴァンジェリーナ・マスカルディ(テオルボ)
…グラナダのフランシスコ・エルバス1997年製作楽器
【録音】
2018年9月19-22日
コッラールボ市庁舎ペーター・マイヤーの間、ボルツァーノ県、イタリア
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年07月17日 00:00