アーク&ノルマンディ・ルーアン歌劇場管~生誕200年!オッフェンバック:知られざる序曲と歌曲集
若き日からの知られざる活動歴をたどるオッフェンバック秘曲集、演奏陣は気鋭の新世代
2019年が生誕200周年にあたるフランス随一の喜歌劇作曲家オッフェンバック。記念年にふさわしいリリースが相次ぐ中、世界的に知られたフランスの気鋭レーベルAlphaが世に問うさらなる新録音は、単に稀少なレパートリーを集めただけで終わってはいません。演奏陣の選択も的確ならプログラムの厳選度にも舌を巻く、これまで知られてきたオッフェンバック像のあり方に一石を投じる充実盤に仕上がっているのです。
1858年の『地獄のオルフェ(天国と地獄)』の成功に代表されるとおり、フランスの作曲家オッフェンバックの傑作喜歌劇は第二帝政期、つまり1850~60年代に最も多く書かれていますが、実はこのドイツ生まれの作曲家、ショパンやドニゼッティ同様、早くも1830年代にはパリに来ていました。
本盤にはその初期の意欲作『六つの寓話』(独唱はここ数年躍進めざましいカリーヌ・デエー!)ほか、青年オッフェンバックに日々の糧をもたらした舞曲作品なども収録。珍しい序曲の数々も含め、活動歴を辿る絶好のプログラムとなっています。
新たな取り組みで近年ますます注目されるルーアン(パリの北、ノルマンディ地方)の歌劇場のオーケストラとともに、ピリオド解釈も横目に見据えた快調演奏でどうぞ。
(ナクソス・ジャパン)
『オッフェンバック:知られざる序曲と歌曲』
【曲目】
ジャック・オッフェンバック(1819~1880):
喜歌劇『雪合戦』より
1) 序曲
2) 離婚のワルツ
ラ・フォンテーヌの六つの寓話(管弦楽編曲:ジャン=ピエール・アーク…世界初録音)
3) 羊飼いと海
4) カラスと狐
5) 蝉と蟻〔=蟻とキリギリス〕
6) 乳搾り女と牛乳缶
7) 都会のネズミと田舎のネズミ
8) 木靴職人と金貸し
喜歌劇『おしゃべりな連中』より
9) 序曲
10) 「これぞスペイン」
11) 喜歌劇『二人の盲人』序曲
12) 喜歌劇『ファヴァール夫人』序曲
13) 喜歌劇『シュフルーリ氏』序曲
14) 学者のポルカ
【演奏】
ジャン=ピエール・アーク(指揮)
ノルマンディ・ルーアン歌劇場管弦楽団
カリーヌ・デエー(メゾ・ソプラノ独唱)…2-8、10
【録音】
2018年12月、スタジオRIFFX-1、パリ
[日本語解説付]
解説・歌詞日本語訳:白沢達生
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年08月30日 00:00