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Travis (トラヴィス)|メランコリックに鳴り響く美しいメロディ・ラインの英国ロック、約4年振り通算9作目となる最新作

Travis (トラヴィス)

90年代のブリットポップ・ムーヴメントで世界中から再び大きな注目を集めることとなった英国ロック・シーン。そのブリットポップの盛り上がりが落ち着きを見せ始めた1997年にデビューを果たし、その内省的な歌詞とメランコリックに鳴り響く美しいメロディ・ラインとで、その後の英国ロック・シーンの新たな潮流を生み出していくこととなった重要アクト=トラヴィス。

レディオヘッドやコールドプレイ、オアシスらと並び英国を代表するロック・バンドとなったこのトラヴィスは、現在までに8枚のアルバムを発表し、何百万枚ものアルバム・セールスを記録(99年発売のセカンド・アルバム『THE MAN WHO』は英国のみで約300万枚のセールスを打ち立てている)。バンドの中心人物であるフラン・ヒーリィは、ポール・マッカートニーやエルトン・ジョン、そしてグラハム・ナッシュといった、時代を超えた美しいメロディ・ラインを生み出すアーティスト達に並ぶ存在として絶賛されるほど。

そんな彼らが、2016年の前作『EVERYTHING AT ONCE』に続く、約4年振りとなる最新作『10 SONGS』を完成させた。フランと、コールドプレイなどを手掛けるロビン・ベイントンとの共同プロデュースにより、2019年から2020年にかけてRAKスタジオにてレコーディングが行われたこの作品は、人生がどのように愛と出会い、そしてその愛によって困難な時を乗り越える力を持つことができるのか…、そんな想いをメロディとサウンドで綴った、非常に美しいアルバムに仕上がっている。約25年の間同じメンバーで活動を続けてきたその結束力が生み出す魔法のような音空間が、ここに存在している。

今作には、非常に印象的なゲスト陣も参加。グランダディのジェイソン・ライトルのシンセや、ベックやブルース・スプリングスティーンらとも活動するグレッグ・リースのラップ・スティール、そしてバングルスのスザンナ・ホフスもゲスト・ヴォーカルとして参加、トラヴィスの創り出す音空間に素晴らしい彩を加えてくれている。その制作過程もファンのために届けるべく、通常盤のCDに加え、アルバム収録曲全曲のデモ・ヴァージョンをボーナス・ディスクに収録した2枚組デラックスCD、そして通常盤アナログと同じくデモ音源を収録した2枚組デラックス・アナログという4形態でのリリースとなる。

最近のポップ/ロック・シーンにあるような、10人のライターが書いた10曲をいいとこどりして収録するのではなく、自分から生まれてくるメロディをしっかりと見つめ、一人で10曲を創り上げるそのスタンスは、真のアーティストだからこそなしえる偉業だと言えるのかもしれない。どんな状況にも動じることなく自分たちの道を、自分たちのサウンドを積み上げてきたこのトラヴィスは、この通算9作目となる最新作で、英国が誇る最も素晴らしいメロディ・メイカーとしての存在感をより強くし、そのサウンドを世界に鳴り響かせることとなるのだ。


CD


LP


■収録曲
01. Waving at the Window
02. The Only Thing (feat. Susanna Hoffs)
03. Valentine
04. Butterflies
05. A Million Hearts
06. A Ghost
07. All Fall Down
08. Kissing in the Wind
09. Nina's Song
10. No Love Lost

タグ : UK/US INDIE

掲載: 2020年06月16日 15:55