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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.96

フレディ・ハバード『オープン・セサミ』(1960)

FH

フレディ・ハバード(tp)
ティナ・ブルックス(ts)
マッコイ・タイナー(p)
サム・ジョーンズ(b)
クリフォード・ジャーヴィス(ds)

1960年6月19日録音

曲目:
01.オープン・セサミ
02.バット・ビューティフル
03.ジプシー・ブルー
04.オール・オア・ナッシング・アット・オール
05.ワン・ミント・ジュレップ
06.ハブズ・ナブ

【アルバム紹介】
1.若干22歳、ブルーノート・レーベルでの初リーダー作
2.表現力が豊か、キレのいいトランペットが特徴
3.オリジナル曲、スタンダード曲、R&Bカヴァー曲で構成された本格ハードバップ作

ブルーノート名盤ということでは前回のトニー・ウィリアムスと同じですが、アーティストとしてもトニー・ウィリアムスと関わりの深かったトランぺッターの同レーベルでのリーダー作を取り上げます。

フレディ・ハバードは50年代の終わり頃から音楽活動を始め、60年代に入ってソロ・アーティストとして活躍、その初リーダー作となったのが、若干22歳の時にレコーディングした本作でした。
表現力が豊かでキレのいいトランペットが特徴で、ハードバップ、フリー・ジャズ、そして後にはクロスオーヴァーの路線でも素晴らしいプレイを聴かせました。
70年代になると、テナー・サックスのウェイン・ショーター、ピアノのハービー・ハンコック、ドラムスのトニー・ウィリアムスとの“マイルス抜きの黄金のクインテット”であるアコースティック・ジャズ回帰のV.S.O.P.クインテットの活動で一世風靡したのはよく知られています。

初のブルーノート・レーベルで、初のリーダー作となった本作は、テナー・サックスのティナ・ブルックス、同年代のピアニストであるマッコイ・タイナーら実力派が顔を揃え、オリジナル曲、スタンダード曲、R&Bカヴァー曲で構成された本格ハードバップ作といえる内容になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
「開け、ゴマ!」タイトル・チューン“オープン・セサミ”。

快速スイング・ナンバーであるタイトル曲で快調にトランペットを吹きまくるフレディ・ハバードの若々しく熱いプレイが聴けます。
作曲はテナー・サックスのティナ・ブルックスで、哀愁のメロディとハードバップ臭が漂うフロント2管のサウンドが見事です。
イントロに導かれ、トランペットとテナー・サックスのハーモニーでテーマを提示、ブレイクを挟んで、フレディのソロが始まります。
歌い上げつつ、滑らかなフレージングで、高揚感溢れるソロをきめてゆきます。続いてテナーにソロが渡り、最後はピアノ・ソロへと流れ、勢いそのままテーマに回帰します。
エンディングでは、フレディによるきれいに伸びた最後の1音がいい余韻を残します。
本作を皮切りに1966年までにブルーノートにリーダー作を9作分レコーディングし、その後インパルス、コロムビアなどのレーベルからアルバム・リリースを経て、80年代半ばから再びブルーノートでのリーダー作を出す等精力的に活動を続けました。
マイルス・デイヴィス以降、ウィントン・マルサリス以前の世代から出た、最も才能溢れるトランペッターでしたが、2008年、心臓発作でその生涯を閉じました。

国内盤UHQCD(一般普及盤)

 

輸入盤CD

 

輸入盤LP

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2020年09月25日 10:00