ワーナーの古楽廉価盤Veritas x 2シリーズ最新作~フィリップ・ジャルスキー、エマニュエル・アイム
ワーナークラシックスが所有する往年の古楽名盤を2枚組廉価盤化している「Veritas x 2シリーズ」の新作2タイトルです。今回はフィリップ・ジャルスキーの『カルダーラ・イン・ウィーン』&『マザランの音楽会』、エマニュエル・アイム&ル・コンセール・ダストレのヘンデル:オラトリオ「時と悟りの勝利」がリリース。
(タワーレコード)
ジャルスキーの2枚のアルバムが、お買い得価格でセット化!
フィリップ・ジャルスキー/「カルダーラ・イン・ウィーン」「マザランの音楽会」
《CD1》
ジャルスキーによる、バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディの同時代人メタスタージオとゼーノのリブレットに初めて作曲したアントニオ・カルダーラ(1670-1736)の男声高音用のアリア集。「手稿に直接触れるのは歴史に触れるようなもの。私にとって大事なのは自分でリサーチして、素材と直接に触れ合うこと」と語り、忘れ去られた作品に再び光を当てることに執心するジャルスキーによるアルバムで、アイムとは2度目の共演。ヴェニス生まれで、マントヴァ、バルセロナ、ローマ、最後にはウィーンでキャリアを残したカルダーラ。すべてメタスタージオ(1698-1782)のリブレットによるオペラからのアリアで、『皇帝ティートの慈悲』はモーツァルト作品の初演(1791)より60年前に演奏され、1733年に初演された『デモフォーンテ』は、グルック、パイジェッロ、ピッチーニ、グラウン、ケルビーニなど70作以上の舞台作品にインスピレーションを与えた作品と言われています。
《CD2》
17世紀フランス王国の政治家、枢機卿であった「ジュール・マザラン」(1602-1661)は、イタリア中部ピッシーナに生まれ、外交の能力を認められてローマ教皇に仕えました。1639年にフランスに帰化し、1641年にルイ13世の推挙によりウルバヌス8世によって枢機卿に就任。1642年にリシュリュー、1643年にルイ13世が相次いで死ぬと、摂政となった大后アンヌ・ドートリッシュの相談役兼ルイ14世の教育係となり、実質的な宰相であったようです。5歳で即位したルイ14世の愉しみのひとつがダンスで、作曲家として、また、ダンス教師として王の心を捉えたのがリュリで、贅を尽くした王の生活を支えたのがジュール・マザランであり、芸術に関してもその時にフランスへイタリア音楽を普及させました。イタリアの作曲家や演奏家や歌手らをパリに呼び寄せ、ルイ14世をもてなしたのです。ここに収録された音楽は、そうしたマザランが企画したコンサートのために書かれた、イタリアの作曲家の作品が収録されています。
※歌詞対訳は付いておりません。
(ワーナーミュージック)
【収録予定曲/演奏】
《CD1:カルダーラ・イン・ウィーン》
アントニオ・カルダーラ:
1) 歌劇「オリンピアーデ」~ Lo seguitai felice
2) 歌劇「デモフォーンテ」~ Misero pargoletto
3) 歌劇「皇帝ティートの慈悲」~ Numi assistenza…Opprimete I contumaci
4) 歌劇「オリンピアーデ」~ Mentre dormi Amor fomenti
5) 歌劇「テミストークレ」~ Non tremar vassallo indegno
6) 歌劇「皇帝ティートの慈悲」~ Se mai senti spirarti sul volto
7) 歌劇「スペインのスキピオ」~ O mi rendi il bel ch'io spero
8) 歌劇「オーリードのイフィゲニア」~ Tutto fa nocchiero esperto
9) 歌劇「シリアのアドリアーノ」~ Tutti nemici e rei
10) 歌劇「ルキオ・パピリオ・ディッタトーレ」~ Son io Fabio…Troppo e insoffribille fiero martir
11) 歌劇「テミストークレ」~ Contrasto assai piu degno
12) 歌劇「エノーネ」~ Vado o sposa
13) 歌劇「シーロのアキッレ」~ Se un core annodi
[演奏]
フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)
エマニュエル・アイム(指揮)
コンチェルト・ケルン
[録音]2010年7月12-19日、ドイツ、ケンペン、
《CD2:マザランの音楽会》
1) マウリツィオ・カッツアーティ:Acclamate de terra
2) ジローラモ・フレスコバルディ:Capriccio
3) 作者不詳:Bienheureuse est une ame - フランチェスコ・フォッジャ:O quam Clemens
4) 作者不詳:Madre, non mi far monaca - フランチェスコ・トゥリーニ:Sonata a tre sopra la Monica
5) フランソワ・ロベルデ:Fugue a quatre parties sur un sujet italien
6) クラウディオ・モンテヴェルディ:Sancta Maria
7) ロドヴィコ・ヴィアダーナ:Canzon per cornetto e violino in risposta
8) ジョヴァンニ・パオロ・チーマ:Surge, propera, amica mea Echo Motet
9) ニコロ・フォンテイ:Laudate pueri
10) マウリツィオ・カッツアーティ:Capriccio e ciaccona
11) ルイージ・ロッシ:Passacaille pour le clavecin
12) ジョバンニ・バッティスタ・バッサーニ:In caligine umbrosa
[演奏]
フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)
ジャン・テュベリ(指揮、コルネット、選曲)
エンリコ・オノフリ(ヴァイオリン)
アンサンブル・フェニーチェ
[録音]
2003年6月25-28日、フランス、ティエラシュ、サン=ミッシェル修道院
ナタリー・デセイも参加、エマニュエル・アイムによるヘンデルの性格付けされた名作
エマニュエル・アイム&ル・コンセール・ダストレ/ヘンデル:オラトリオ「時と悟りの勝利」
1707年、ヘンデルがローマに到着間もなく、パトロンのベネデット・パンフィル枢機卿の言葉(ペトラルカの詩『勝利』に触発されている)に付曲された高度のテクニックが要求される作品で、『美』『快楽』『悟り』『時』が4人のソリストに性格付けされています。ヘンデルはこの作品を非常に気に入って、タイトルもわずかに変えながら2回の改訂を行っています。2004-2006年にナタリー・デセイを起用しセッション録音したもので、2005年3月、ロンドンのバービカン・ホールでの演奏は大絶賛された演奏です。
※歌詞対訳は付いておりません。
(ワーナーミュージック)
【収録曲】
ヘンデル:オラトリオ「時と悟りの勝利」HWV.46a (全曲)
【演奏】
ナタリー・デセイ(ソプラノ:美)
アン・ハレンベルグ(メゾ・ソプラノ:快楽)
ソニア・プリーナ(アルト:悟り)
パーヴォル・ブレスリク(テノール:時)
ル・コンセール・ダストレ
エマニュエル・アイム(指揮)
【録音】
2004年3月9-14, 2006年1月12-19日、
パリ、フランス国立音響音楽研究所
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年11月27日 12:00