オーストリアのピアニスト、アーロン・ピルザンがJ.S.バッハの“平均律クラヴィーア曲集第1巻”を不等分律にこだわって録音!(2枚組)
[Alpha Classics 公式チャンネルより]
アーロン・ピルザン、不等分律による『平均律』でALPHA初登場!
1995年オーストリア生まれのアーロン・ピルザンは、モーツァルテウムでカール=ハインツ・ケマーリングに学んだのち、ハノーファー音楽学校のラルス・フォークトのもとで研鑽を積みました。2014年19歳にしてNaïveレーベルよりベートーヴェンとシューベルトの作品を収めたアルバムでCDデビュー、2018年にはチェロ奏者キアン・ソルターニとのデュオで名門ドイツ・グラモフォンからもアルバムを発表しています。
バッハの『平均律クラヴィーア曲集』はドイツ語でDas Wohltemperierte Klavierといい、これはどの調も程よく美しく響くように調律された鍵盤楽器という意味になります。その調律法はそれぞれの音程差が均一ではない不等分律だったので、1オクターヴを十二等分する「平均律」とは、実は違うものでした。
アーロン・ピルザンがALPHAレーベルから初めてリリースする『平均律』では、この「不等分律」にこだわり、調律師と共に楽器を理想的な調律に仕上げています。
その効果は冒頭のハ長調のプレリュードから絶大で、たいへん美しいピュアな響きが生まれました。さらにこの調律によって、調によっては逆に特徴的に発生する音の濁りをバッハがどのように利用しているか、という点にも着目し意識的に解釈に取り入れた、画期的な演奏となっています。
メリハリが明快ですっきりとした中に聴く者を惹きつける細やかな表現力が持ち味の彼の演奏は、これまでも特にバッハに於いて高い評価を得ていますが、曲ごとに極端なテンポ設定を施すようなことなく曲間の繋がりを大切にしながらも、それぞれの個性を見事に引き出す瑞々しい音楽運び、そして美しいタッチは実に見事。多くは先に存在していた小曲を元に構成されたという成立過程を持つ曲集ながらも、彼の手に掛かれば当初から必然的に構築された巨大な作品を聴いているかのような、自然な説得力を帯びて響きます。天才の呼び声高く世界中で賞賛されるピルザンですが、ここに来てやっと本領発揮のCDアルバムが登場したといっても過言ではないでしょう。
日本語解説書には、ピアニストで録音プロデューサーの内藤晃氏書下ろしの解説と、アーロン・ピルザンのインタビュー邦訳を掲載しており、不等分律の意図と背景が説明されています。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
J.S.バッハ(1685-1750):平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV 846-869
[DISC 1]
平均律クラヴィーア曲集第1巻 第1番 ハ長調 BWV 846 - 第12番 ヘ短調 BWV 857
[DISC 2]
平均律クラヴィーア曲集第1巻 第13番 嬰ヘ長調 BWV 858 - 第24番 ロ短調 BWV 869
【演奏】
アーロン・ピルザン(ピアノ)
【録音】
2020年6月
ドイチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン
[日本語解説付き]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年02月12日 00:00