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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.119

キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)

CBBE

キャノンボール・アダレイ(as)
ビル・エヴァンス(p)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)

1961年1月27日、2月21日、3月13日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.ワルツ・フォー・デビイ
02.グッドバイ
03.フー・ケアーズ?
04.ヴェニス
05.トイ
06.エルザ
07.ナンシー
08.ノウ・ホワット・アイ・ミーン?

【アルバム紹介】
1.“チャーリー・パーカーの再来”と呼ばれたアルト・サックスのレジェンド
2.ピアノは『カインド・オブ・ブルー』セッションで共演したビル・エヴァンス
3.名曲“ワルツ・フォー・デビイ”はじめ楽曲構成が充実

ビル・エヴァンスの名曲“ワルツ・フォー・デビイ”をアルト・サックスでカヴァーすると?
そんな一枚がこのキャノンボール・アダレイのリヴァーサイド時代の名盤『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』です。

キャノンボール・アダレイは“チャーリー・パーカーの再来“とも呼ばれ、50 年代半ばにシーンに登場し、アルト・サックス奏者として活躍したレジェンドの一人ですが、このコーナーで過去に取り上げたマイルス・デイヴィスとの傑作『サムシン・エルス』(WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.11で紹介)や、マイルスの金字塔と言われる名作『カインド・オブ・ブルー』(WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.2で紹介)参加など、ジャズ史に残る“神”クラスのアルバムにその名を残しています。

本作はその『カインド・オブ・ブルー』セッションで共演したビル・エヴァンスがピアノで参加していることが人気の秘密にもなっているアルバムで、ベースにはパーシー・ヒース、ドラムスにはコニー・ケイという、モダン・ジャズ・カルテットのリズム・セクションとの粋なメンバーでの演奏になっています。

楽曲は1曲目にエヴァンスの代表曲“ワルツ・フォー・デビイ”を取り上げ、ゴードン・ジェンキンスの“グッドバイ”、エヴァンス自身のレパートリーでもあったアール・ジンダース作曲の“エルザ”、そして、コルトレーンが自身の傑作『バラード』で取り上げた“ナンシー”等のスタンダード曲に加え、最後にエヴァンス作曲のタイトル曲で締めるという、楽曲構成が充実した内容になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
サックス版“ワルツ・フォー・デビイ”。

本作のキー・トラックはやはりビル・エヴァンスのこの曲。しかもエヴァンス本人が参加しての演奏ですので、サックス版の同曲の演奏としては申し分のない出来になっています。
この時のレコーディングは1961年の3月であり、実はビル・エヴァンスの超名盤である『ワルツ・フォー・デビイ』でのテイクより3か月ほど早いことがわかります。
アレンジはビル・エヴァンスのバージョンとほぼ同じ構成感を持ち、まずエヴァンスのピアノにより、有名なテーマが提示された後、イン・テンポで4ビートとなり、そこではキャノンボールのアルトがテーマ・メロディを吹き始めます。そのままサックスのソロへと続いてゆき、歌心満点のフレージングで楽曲をエモーショナルに展開し、本作ならではバージョンとして完成度の高さをうかがわせます。その後ピアノ・ソロを経て再びアルト・サックスによるテーマ回帰があり、エンディングを迎えます。
キャノンボールのアルト・サックスの明るいトーンを聴いていると、心が晴れやかで爽快な気分になってくる、そんな“ワルツ・フォー・デビイ”の名演だといえます。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年03月12日 10:00