Profil『ムソルグスキー:歌劇全集』(17枚組)~ゴロワノフをはじめ大半がメロディア音源による1946-1963年のボリショイ劇場黄金期の名演が収録!
ゴロワノフはじめ最高の演奏陣!
ありそうでなかったムソルグスキー歌劇全集!!
ムソルグスキーは類のない天才ながら、完成された作品は歌曲やピアノ曲を除けば多くありません。ことにオペラは自身でオーケストレーションまで終えたのは「ボリス・ゴドゥノフ」のみで、それも含め他人の手の入った版で演奏されることが主流となっています。
「ボリス・ゴドゥノフ」「ホヴァンシチナ」をはじめとするムソルグスキーの全オペラを17枚組でProfilレーベルが実現。これまでありそうでなかった好企画です。大半がメロディア音源による1946-1963年のボリショイ劇場黄金期の名演によるのも大歓迎。
リムスキー=コルサコフ版「ボリス・ゴドゥノフ」は1948/9年のゴロワノフによるセッション録音。ボリス役はゴロワノフの指名で名バス歌手マルク・レイゼンが務めていますが、一説にはユダヤ人レイゼンが皇帝ボリスを演じることにスターリンが不服で、ゴロワノフの罷免につながったとも言われます。また完全版ではなく、6場は録音しなかったのと7 場にもカットがあるため、ボーナストラックとしてメリク=パシャーエフとボリショイ劇場、クリュイタンスとソフィア国立歌劇場による音源で補完しているのもありがたい限り。
ゴロワノフは「ボリス」以外にも、「ソロチンツィの定期市」から「前奏曲」「禿山の一夜」、「ゴパーク」、「ヨシュア」の「リビア人の戦いの歌」などで凄まじい怪演を聴かせてくれます。
「ボリス・ゴドゥノフ」と「ホヴァンシチナ」はリムスキー=コルサコフ版とショスタコーヴィチ版がそれぞれ全曲収められていて、違いを堪能できます。ショスタコーヴィチ版では「ボリス」がセルゲイ・エリツィン指揮キーロフ(マリインスキー)、「ホヴァンシチナ」がスヴェトラーノフとボリショイという豪華さ。さらに「結婚」「サランボー」など聴く機会の少ないものももれなく収録。サランボー役は大指揮者ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーの実母ナタリヤ・ロジェストヴェンスカヤの伝説的な歌唱を味わえます。
Disc17 はボーナス巻で、不世出のボリス歌手シャリヤピンの至芸をまとめました。いずれもイギリスで行った録音や公演で、最後の1928年コヴェントガーデンの上演はシャリヤピンのみロシア語、カロージオとバダはイタリア語という不可思議なことになっているのも珍品。
(キングインターナショナル)
『ムソルグスキー:歌劇全集』
【収録内容】
ムソルグスキー:
[Disc1-3](76'17" 68'49" 64'39")
歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》
1.(リムスキー=コルサコフ版+8場:イッポリトフ=イワーノフ版)
ボーナス
2.6場のカット部分
3.7場のカット部分
[演奏]
ボリス・ゴドゥノフ:マルク・レイゼン(バス)、クセニヤ:エリザヴェタ・シュムスカヤ(ソプラノ)、フョードル:ブロニスラヴァ・ズラトゴロワ(コントラルト)、乳母:エフゲニヤ・ヴェルビツカヤ(メゾソプラノ)、グリゴーリー:ゲオルギー・ネレップ(テノール)、ピーメン:マクシム・ミハイロフ(バス)、マリーナ:マリヤ・マクサコワ(ソプラノ)ほか、ニコライ・ゴロワノフ(指揮)ボリショイ劇場管弦楽団、同合唱団[1]
マリーナ:マリヤ・マクサコワ(ソプラノ)、ランゴーニ:アレクセイ・イワーノフ(バリトン)、アレクサンドル・メリク=パシャーエフ(指揮)ボリショイ劇場
管弦楽団、同合唱団[2]
グリゴーリー:ディミタル・ウズノフ(テノール)、マリーナ:イヴリン・リアー(ソプラノ)、ランゴーニ:アントン・ディアコフ(バス)、アンドレ・クリュイタンス(指揮)ソフィア国立歌劇場管弦楽団、同合唱団[3]
[録音]
1948-49年(モスクワ・セッション)[1]、1948年(ライヴ)、1962年(セッション)[2]、1962 年(パリ・セッション)[3]
[Disc4-6](65'17" 66'54" 52'50")
歌劇《ボリス・ゴドゥノフ(ショスタコーヴィチ版)》全曲
[演奏]
ボリス・ゴドゥノフ:ボリス・シトーコロフ(バス)、クセニヤ:ヴァレリヤ・リュバーヴィナ(ソプラノ)、フョードル:エラ・クラユーシキナ(アルト)、乳母:リュドミラ・グルディナ(メゾソプラノ)、グリゴーリー:フセヴォロド・プチコフ(テノール)、ピーメン:ミハイル・チェルノジュコフ(バス)、マリーナ:リムマ・バリノワ(ソプラノ)ほか、セルゲイ・エリツィン(指揮)キーロフ劇場管弦楽団、同合唱団
[録音]
1960年12月14日キーロフ(マリインスキー)劇場(ライヴ)
[Disc7-9](42'14" 67'11" 70'08")
1.歌劇《ホヴァンシチナ(リムスキー=コルサコフ版)》全曲
2.ボーナス:マルファの予言の歌(第2幕)/マルファの恋の歌(第3幕)
[演奏]
イワン・ホヴァンスキー:アレクセイ・クリフチェーニャ(バス)、アンドレイ・ホヴァンスキー:アレクセイ・ボリシャコフ(テノール)、ゴリーツィン公:ニカンデル・ハナーエフ(テノール)、シャクロヴィトィ:アレクセイ・イワーノフ(バリトン)、マルファ:マリヤ・マクサコワ(ソプラノ)ほか、ワシーリー・ネボリシン(指揮)ボリショイ劇場管弦楽団、同合唱団[1]
ザーラ・ドゥルハノワ(メゾソプラノ)、アレクセイ・コヴァリョフ(指揮)モスクワ放送交響楽団[2]
[録音]
1953年(モスクワ・セッション)[1]、1953年[2]
[Disc10-11](62'36" 68'01")
歌劇《ホヴァンシチナ(ショスタコーヴィチ版)》全曲
[演奏]
イワン・ホヴァンスキー:アレクセイ・クリフチェーニャ(バス)、アンドレイ・ホヴァンスキー:アントン・グリゴリエフ(テノール)、ゴリーツィン公:ウラジーミル・ペトロフ(テノール)、シャクロヴィトィ:エフゲニー・キプカロ(バリトン)、マルファ:キラ・レオノワ(ソプラノ)ほか、エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)ボリショイ劇場管弦楽団、同合唱団
[録音]
1959/62年(モスクワ・セッション)
[Disc12-13](52'19" 56'56")
歌劇《結婚(イッポリトフ=イワーノフ版)》全曲
[演奏]
ポドコリョーシン:ダニイル・デミヤーノフ(バリトン)、ステパン:ゲオルギー・アブラモフ(バス)、フョークラ:アンナ・マチューシナ(メゾソプラノ)、コチャカリョフ:パヴェル・ポントリャーギン(テノール)、アガーフィヤ:アレクサンドラ・ヤコヴェンコ(ソプラノ)ほか、アレクセイ・コヴァリョフ(指揮)モスクワ放送交響楽団
[録音]
1952年(モスクワ・セッション)
[Disc14-15](72'56" 68'34")
1.歌劇《ソロチンツィの定期市(シェバリーン版)》全曲
ボーナス:
2.前奏曲(リャードフ版)
3.グリツィコのドゥムカ(キュイ版)
4.アファナシーとヒーブリャの二重唱(サフノフスキー版)
5.禿山の一夜(リムスキー=コルサコフ版)
6.パラーシャのドゥムカ(リャードフ版)
7.ゴパーク(リャードフ版)
[演奏]
チェレヴィク:ラトコ・コロシェツ(バス)、ヒーヴリャ:ボグダナ・ストリタル(メゾソプラノ)、パラーシャ:ヴィルマ・ブコヴェツ(ソプラノ)ホカ、サモ・フバード(指揮)スロヴェニア国立リュブリャナ歌劇場管弦楽団、同合唱団[1]
グラフィラ・ジュコフスカヤ(ソプラノ)[6]、ニコライ・ゴロワノフ(指揮)モスクワ放送交響楽団[2,5-7]
ゲオルギー・ヴィノグラードフ(テノール)、サムイル・サモスード(指揮)ボリショイ劇場管弦楽団[3]
ヴェラ・マカロワ(メゾソプラノ)、セルゲイ・ストレリツォフ(テノール)、レフ・シテインベルク(指揮)ボリショイ劇場管弦楽団[4]
[録音]
1955年[1]、1950年[2,5,7]、1948 年[3]、1938年[4]、1940年[6]
[Disc16](47'02")
1.サランボー(6つの断章)
2.ヨシュア~リビア人の戦いの歌(リムスキー=コルサコフ版)
3.ヨシュア~古典様式による間奏曲(リムスキー=コルサコフ版)
4.ムラダ~公と僧侶たちの行進(リムスキー=コルサコフ版)
[演奏]
サランボー:ナタリヤ・ロジェストヴェンスカヤ(ソプラノ)、マトー:ウラジーミル・サハロフ(バス)、バレアレス島民:ボリス・クリストフ(バリトン)、アレクセイ・コロリョフ(指揮)、アレクサンドル・ラビンスキー(ピアノ)[1]
マリヤ・マクサコワ(メゾソプラノ)、ニコライ・ゴロワノフ(指揮)モスクワ放送交響楽団、同合唱団[2]
ボリス・ハイキン(指揮)モスクワ放送交響楽団[3]
ワルター・ジュスキント(指揮)フィルハーモニア管弦楽団[4]
[録音]
1957年[1]、1939年[2]、1955年[3]、1952年[4]
[Disc17](67'41")
シャリヤピン、ボリス・ゴドゥノフを歌う(リムスキー=コルサコフ版)
1.戴冠式の場
2.第2幕 ボリスのモノローグ「私は最高権力を握った」
3.第2幕 時計の場「ああ苦しい」
4.第4幕 ボリスの別れ「わが子よ、さらば」
5.第4幕 ボリスの死「鐘だ、弔いの鐘だ」
6.第1幕2場 ヴァルラムの歌「カザンの城で」
7.第1幕1場 ピーメンのモノローグ「あとひとつ物語を」
8. 第4幕 ピーメンのアリア「ある晩のこと」
9.第2幕 ボリスとフョードルの場~モノローグ「私は最高権力を握った」~時計の場
10.第4幕第2場 クレムリン宮殿の大広間の場(ピーメンの語りのみ欠)
[演奏]
フョードル・シャリヤピン(バス)
ユージン・グーセンス(指揮)管弦楽団[1,4]、マックス・スタインマン(指揮)ロンドン交響楽団[2,3]、ローレンス・コリングウッド(指揮)コリングウッド管弦楽団[5]、ロザリオ・ブルドン(指揮)管弦楽団[6]、ジョージ・ビング(指揮)管弦楽団[7]、指揮及び管弦楽団不明[8]、フョードル:マルガレータ・カロージオ(ソプラノ)、シュイスキー:アンジェロ・バダ(テノール)、ヴィンチェンツォ・ベレッツァ(指揮)コヴェントガーデン歌劇場管弦楽団[9,10]
[録音]
1926年5月21日[4], 27日[1](ロンドン)、1931年6月6日[2,3]、1926年6月13日(ロンドン、スモール・クィーンズ・ホール)[5]、1926 年5月31日[6]、1922年10月23日[7]、1911年11月26日[8]、1928年7月6日(コヴェントカーデン・ライヴ)[9,10]
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2021年06月02日 00:00