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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.132

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年06月11日 11:30

チック・コリア『フレンズ』(1978)

CC

チック・コリア(p, el-p)
ジョー・ファレル(reeds, fl)
エディ・ゴメス(b)
スティーヴ・ガッド(ds, per)

1978年1月、カリフォルニア州バーバンクにて録音

曲目:
01.ザ・ワン・ステップ
02.ワルツ・フォー・デイヴ
03.チルドレンズ・ソング #5
04.サンバ・ソング
05.フレンズ
06.シシリー
07.チルドレンズ・ソング #15
08.カプチーノ

【アルバム紹介】
1.ピアニスト、作編曲家として充実期を迎えていた70年代後半の傑作
2.メンバーはスティーヴ・ガッドら、時代が求めた豪華な顔ぶれ
3.ジャケット・デザインが2種類存在

前回ご紹介いたしましたマッコイ・タイナーより、3つほど年が若く、60年代後半からメキメキのその才能を開花させていたピアニストがチック・コリアでした。マッコイが2020年3月に亡くなりましたが、その約1年後、2021年2月にチックも亡くなってしまったのは残念でなりません。

今回紹介するのはチック・コリアがピアニスト、作編曲家として充実期を迎えていた70年代後半の傑作です。70年代初頭にリターン・トゥ・フォーエヴァーを結成し、大成功を収め、その後幅広い音楽性で独自のオリジナリティを発揮、本作では80年代以降のエレクトリック・バンドでの活動の布石ともいえる世界が展開されています。

全曲チックのオリジナル曲で、曲調も多彩です。メンバーにはリターン・トゥ・フォーエヴァーの盟友であるサックス、フルートのジョー・ファレル、ビル・エヴァンスとの共演で名を馳せていたベースのエディ・ゴメス、そして多岐にわたるジャンルへのレコーディングで活躍し、人気フュージョン・グループ“スタッフ”のドラマーとしての不動の地位を築いていたスティーヴ・ガッドという、時代が求めた豪華な顔ぶれになっています。

ちなみに本作は音楽以外によく話題にあがるのがジャケットです。
オリジナル・デザインと別バージョンのデザインが存在します。現在は楽隊の人形がデザインされたオリジナル・ジャケですが、発売当時作者の許可を得ていなかったため、日本盤や欧州盤ではこちらの“カエル”ジャケットに差し替えて発売されたという経緯があります。その後90年代のCD化でも日本盤は“カエル”で再発されていましたが、2000年代に入ってからの再発時からオリジナル・ジャケットに変更になっています。

CCK

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ガッドのドラム・ソロが圧巻の“サンバ・ソング”。

このアルバムはジャズなのか、フュージョンなのか?そんな議論になりそうなサウンドが全編に溢れています。チックはエレクトリック・ピアノとアコースティック・ピアノの両刀使い、ゴメスのベースはアコースティックで限りなくストレート・ジャズのテイスト、しかし、ドラムスはスティーヴ・ガッドゆえ、クロスオーヴァーなプレイも炸裂、とそんなところが随所にあります。ただ、じっくり聴きこむと、ジャズであり、フュージョンでもある、非常にユニークな音楽になっていることがわかります。
その一例がこの“サンバ・ソング”で、アルバム中10分にわたる熱演を繰り広げているナンバーです。
テーマからリズム的に変化に富む展開に引き込まれますが、やがてサンバ・ビートになって、メンバーのソロが始まり、本気のプレイで演奏はテンションが上がりっぱなしになります。チックのピアノのリズム的解釈もすごいですが、必聴なのはガッドのドラムスです。
サンバ・ビートをキープしながら、巧みに入れこむフィルインの多彩さはガッドならではの引き出しの多さゆえ、そしてテーマ回帰後にチックのピアノのヴァンプに合わせて1分以上にわたる閃光のようなドラムス・ソロ。この前年の1977年には、ステーリー・ダンの“エイジャ”をレコーディングし、ワンテイクで決めたと神格化されているドラムス・ソロを聴かせていますが、そんなことを考えながら聴くとあらためてその非凡なテクニックに圧倒されます。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)