ヴィルタス・クヮルテットによるベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番(終楽章《大フーガ》版)
力に満ちた「大フーガ」も
美の極致「カヴァティーナ」も、
全楽章に渡り生き生きと奏できった
このクヮルテットならではの名演
「いわき芸術文化交流館アリオス」を拠点に活動するヴィルタス・クヮルテットによる『大フーガ』を伴うベートーヴェン後期の大曲・第13番。コロナウィルスが猛威を振るう直前の2020年2月に録音されました。
2008年の結成以来折に触れてベートーヴェンを取り上げ四重奏全曲を演奏しているヴィルタス・クヮルテットが満を持してリリースする注目盤。
圧倒的な『大フーガ』はもちろん、各楽章それぞれで彫の深い音楽が生き生きと鳴り響き、この作品の面白さに改めて気づかせてくれます。
作曲当時、前衛的過ぎて不評を買った『大フーガ』の差し替え用に書かれたアレグロ楽章も最終トラックに収録。こちらもまた魅力的なフィナーレで、苦しみを力強く乗り越え美しい力にあふれた世界にせんとするクヮルテットの意志が全曲に渡り込められているかのようです。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 作品130(終楽章《大フーガ》版)
1. アダージョ・マ・ノン・トロッポ ― アレグロ
2. プレスト
3. アンダンテ・コン・モート・マ・ノン・トロッポ(ポコ・スケルツォーソ)
4. ドイツ舞曲風に:アレグロ・アッサイ
5. カヴァティーナ:アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ
6. 終楽章:《大フーガ》 Op.133
7. アレグロ
【演奏】
ヴィルタス・クヮルテット
[メンバー]
三上 亮(ヴァイオリン)
對馬佳祐(ヴァイオリン)
馬渕昌子(ヴィオラ)
丸山泰雄(チェロ/リーダー)
【録音】
2020年2月28・29日(ライヴ録音)
いわき芸術文化交流館アリオス、音楽小ホール
※日本語帯・解説付
<ヴィルタス・クヮルテット PROFILE>
2008(平成20)年、チェロ奏者の丸山泰雄と福島県いわき市に新しく開館したいわき芸術文化交流館アリオスとの共同プロデュースにより、同館を拠点に活動を開始。毎年の定期演奏会のほか、弦楽アンサンブル・ワークショップ、学校や病院・高齢者福祉施設などへの訪問演奏、また、いわき市内各地域の文化施設と連携し、ホール以外の会場にて公開リハーサルやコンサートを行うなど、音楽を通じた地域交流事業を展開、名実ともにいわきアリオスのレジデント・クヮルテットとしての活動を行っている。
東日本大震災発生の後、2011年11月に東京都小金井市および宮城県仙台市での演奏会を開催。2012年3月11日、震災後一年となる特別な日に、定期演奏会をいわきアリオスにて開催。2013年4月より、いわき市民有志とともに「いわき室内楽協会」を設立し、年間を通じて弦楽四重奏のほか様々な楽器の組み合わせによるコンサートを企画・開催。第2回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞受賞。
2014年2月、初のCDとなる「Descending Dragon」をALM Recordsよりリリース。同年5月に「ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭」に出演したのを皮切りに、各地のラ・フォル・ジュルネ音楽祭に出演。また、東京・小金井のほか、仙台・札幌でも定期的に演奏会を行うなど意欲的に活動している。2015年より2018年まで、神奈川・相模湖交流センターにて、「ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏シリーズ」を開催。いわきでは、2018年10月から新たに《ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲》全15 曲に着手したほか、2019年からは相模湖交流センターで「2人の天才~モーツァルトとメンデルスゾーン」と題した6回の演奏会シリーズが進行中。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年06月16日 00:00