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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.133

キース・ジャレット・トリオ『スタンダーズ VOL.1』(1983)

KJ

キース・ジャレット(p)
ゲイリー・ピーコック(b)
ジャック・ディジョネット(ds)

1983年1月、ニューヨーク、パワー・ステーションにて録音

曲目:
01.ミーニング・オブ・ザ・ブルース
02.オール・ザ・シングス・ユー・アー
03.イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
04.ザ・マスカレード・イズ・オーヴァー
05.ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド

【アルバム紹介】
1.キース・ジャレットの最強ピアノ・トリオの記念すべき第1作
2.ベースがゲイリー・ピーコック、ドラムスがジャック・ディジョネットという鉄壁のメンバー
3.有名スタンダード・ナンバーが三人の手にかかると、聴いたことのないような斬新な演奏に様変わり

マイルス・デイヴィス・バンドの出身、というと少々意外に思えるピアニストといえば、前回ご紹介しましたチック・コリアがその一人、そして今回のキース・ジャレットがもう一人になります。しかも二人同時に参加していた期間があり、その時は2人ともピアニストではなくキーボーディストとして加わっていました。

その後、キース・ジャレットはソロとして活動を始め、このコーナーの第1回目でとりあげた傑作『ケルン・コンサート』といった名盤を世に送り出し、70年代のジャズ・シーンでその名声を確立しました。
そして80年代、最強のピアノ・トリオとして活動を始めることになったのが、スタンダーズ・トリオで、その記念すべき第1作が本作となります。

ベースがゲイリー・ピーコック、ドラムスがジャック・ディジョネット(マイルス・バンド出身)という鉄壁のメンバーによるピアノ・トリオで、これまで数多くのジャズ・ミュージシャンに演奏されてきたはずのスタンダード・ナンバーがこの三人の手にかかると、それまで聴いたことのないような斬新な演奏に様変わりし、それが絶大な人気を誇った理由でした。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
80年代の最高の名演となった“オール・ザ・シングス・ユー・アー”。

スタンダード曲としては定番中の定番であるこの曲ですが、このスタンダーズ・トリオの演奏は間違いなく80年代に入って演奏された最高の演奏といえるものです。
演奏はテーマ・メロディの中間部分である、コード進行の流れがメジャー調で明るくなるあたりから、キース・ジャレットのソロ・ピアノで始まります。続いて、頭に戻ってテーマを演奏するところでベース、ドラムスが加わり、さらっとテーマ・メロディを提示後、キース・ジャレットの神がかり的なソロが展開されます。独特の唸り声を伴いながら、次々と繰り出されるフレージングは圧巻です。
やがてベース・ソロに移行し、徐々にテーマに回帰してゆきます。そして最後は音量を落とし、静かに筆をおくような形で演奏を終えてゆきます。
1983年に本作で産声をあげたスタンダード・トリオはその後、30年以上に渡って活動をつづけましたが、2014年にその終止符を打ちました。またキース・ジャレットは健康上の理由により、2018年より演奏活動を続けることが困難な状態にあり、2020年にはベースのゲイリー・ピーコックが死去し、ジャズの歴史の中で、ひとつの時代が終焉を迎えたという気がしてなりません。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年06月18日 10:00