WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.144
キャノンボール・アダレイ『マーシー・マーシー・マーシー』(1967)
ナット・アダレイ(cor)
キャノンボール・アダレイ(as)
ジョー・ザヴィヌル(p, el-p)
ヴィクター・ガスキン(b)
ロイ・マッカーディ(ds)
1966年10月20日、ロサンゼルス・キャピトルでスタジオ・ライヴ録音
曲目:
01.イントロダクション~ファン
02.ゲームズ
03.マーシー・マーシー・マーシー
04.スティックス
05.ヒッポデルフィア
06.サック・オー・ウー
【アルバム紹介】
1.アルト・サックス奏者キャノンボール・アダレイの60年代後半の傑作ライヴ
2.オーディエンスを入れたスタジオでのソウル・ジャズ・パフォーマンス
3.ピアノのジョー・ザヴィヌルが書いた、あのヒット・ナンバーを収録
テナー・サックス奏者の名盤が続きましたが、今回はアルト・サックス奏者の名盤をご紹介します。 “チャーリー・パーカーの再来“とも呼ばれてシーンに登場した名プレイヤーのキャノンボール・アダレイの1966年録音の傑作ライヴ盤になります。
初発売時、ライナーにはシカゴのクラブでのレコーディング、と書かれていましたが、実際にはロスのキャピトル・スタジオでオーディエンスを招いて行われたパフォーマンスだったもの、として現在では知られています。エネルギッシュで勢いに溢れたソウル・ジャズ的な熱演が展開されています。
メンバーは弟のナット・アダレイがコルネット、ベースはヴィクター・ガスキン、ドラムスはロン・マッカーディ、そして注目なのはピアノおよびエレクトリック・ピアノが、後に人気フュージョン・グループのウェザー・リポートを結成するジョー・ザヴィヌルであること。
楽曲はアダレイ兄弟とジョー・ザヴィヌルのオリジナルで構成されており、ザヴィヌルの書いた3曲目、タイトル曲である“マーシー・マーシー・マーシー”はビルボードのチャートを上る大ヒットを記録しました。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ソウルフルなヒット・ナンバー“マーシー・マーシー・マーシー”。
ジョー・ザヴィヌルが書いたこの曲はビルボードのホット100で最高位11位を記録し、ソウルフルなヒット・ナンバーとして一躍有名になりました。その後、この曲に歌詞をつけたバージョンがシカゴのポップ・ロック系バンド、バッキンガムスにカヴァーされ、トップ5ヒットとなり、追ってヴォーカル・カヴァーが多く生まれるきっかけになりました。
本作を聴くとわかりますが、熱狂的なオーディエンスの掛け声の中で演奏されるこの曲はアルバム中でも強烈なインパクトを持って伝わってくるナンバーになっております。
ジョー・ザヴィヌルはここではエレクトリック・ピアノを演奏しており、それがこの曲に独特のフィーリングを漂わせています。
臨場感あふれるライヴ盤はジャンルに関わらず存在しますが、本作は間違いなく1960年代後半のソウル・ジャズの熱気を存分に伝えるジャズ名盤といえます。
国内盤SHM-CD(一般普及盤)
輸入盤CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2021年09月10日 10:00