WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.146
ジョン・コルトレーン『ジャイアント・ステップス』(1960)
ジョン・コルトレーン(ts)
トミー・フラナガン(p)#1~5、7
ウィントン・ケリー(p)#6
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)#1~5、7
ジミー・コブ(ds)#6
1959年5月4、5日、12月2日録音
曲目:
01.ジャイアント・ステップス
02.カズン・マリー
03.カウントダウン
04.スパイラル
05.シーダズ・ソング・フルート
06.ネイマ
07.ミスターP.C.
【アルバム紹介】
1.毎年9月23日はジョン・コルトレーンの誕生日
2.アトランティック・レーベルでの最初のリーダー・アルバム
3.難曲で知られるタイトル曲はじめ全曲コルトレーンのオリジナル
前回はビル・エヴァンスの命日の二日後ということで、ゆかりの傑作をご紹介しましたが、今回はその誕生日が本記事の前日である9月23日というジョン・コルトレーンの名盤を取り上げます。
加えて2021年は生誕95年の記念年にあたるアニバーサリー・イヤーとなります。
本作はジョン・コルトレーンにとってはアトランティック・レーベルに移籍後の最初のリーダー・アルバムであり、このアルバムがレコーディングされる前月はマイルス・デイヴィス・クインテットのメンバーとして、マイルスの名作『カインド・オブ・ブルー』のセッションに参加していました。
新天地での第一歩となったアルバムゆえ、楽曲は全曲自身のオリジナル。
そして“コルトレーン・スタンダード”となったタイトル曲やバラードの“ネイマ”、スイング感溢れる“ミスターP.C.”といった代表曲を収録しています。
メンバーはメインとなるのが、名盤請負人の異名を持つピアニスト、トミー・フラナガン、ベースにはマイルス・バンド等でも活動をともにした名手ポール・チェンバース、そしてドラムスには名演の影にこの人あり、のアート・テイラー。
“ネイマ”だけは、ベースは同じながら、ピアノにはウィントン・ケリー、ドラムスにはジミー・コブという『カインド・オブ・ブルー』のセッションに参加していたメンバーが顔を揃えています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
名曲にして難曲“ジャイアント・ステップス”。
本作のタイトル曲はジョン・コルトレーンの代表曲であるだけでなく、コルトレーンの音を敷きつめたようなプレイ・スタイルである“シーツ・オブ・サウンド”による名演が聴ける1曲でもあり、しかも高速ビートの上でのプレイのため、ソロの展開が終始スリリングなものになっています。
そう感じさせる大きな要因は曲のコード進行によるところが大きく、テーマの16小節の中で目まぐるしく転調が続き、それにあわせてソロをとるのは相当のテクニックがないと途中で息切れしてしまうほどです。
そんな風に思いながら、ここでのコルトレーンの見事なソロをじっくり聴いてみてください。
まさに「神」です。
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タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2021年09月24日 10:00