レコードで聴きたい「和ジャズ」特集
松本浩・市川秀男カルテット『メガロポリス』
コンセプトは<東京>。変貌を遂げてゆく巨大都市を、鋭い感性と創造性に満ちた演奏で描き切る。ここに日本のジャズの新次元は開かれた。
「売れなくても良いから、文化の匂いのするレコードを作ろう。日本人による日本人のジャズをやってほしい」。ディレクターの言葉を受け、松本浩は本作『Megalopolis』を録音することを決意する。コンセプトは<東京>。機内から眼下に見た、急速に変貌を遂げてゆく東京の光景にインスピレーションを得て制作に取り掛かった。松本、市川秀男、稲葉国光、日野元彦の4人は互いの顔や動きが見えるように円形にセッティングし、あえて細かい打ち合わせはせずに録音に臨んだという。組曲風の大作「都会の一日」、失われたものへの憧憬を描いた「ノスタルジア」、都市を俯瞰するような爽快さと昂ぶりがある「メガロポリス」、ほろ苦いアンニュイが滲む「セレナーデ」、内奥を抉るような「都会のいらだち」。巨大都市とそこに住む人々を、鋭い感性と創造性に満ちた演奏で描いた傑作である。オリジナルはビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
山下洋輔トリオ、沖至トリオ、大野雄二トリオ、笠井紀美子『トリオ・バイ・トリオ・プラス・ワン』
山下洋輔、沖至、大野雄二、笠井紀美子。後にも先にもない顔合わせによる驚愕のジャズ・ワークショップ。日本のジャズはかくも鋭利で独創的だった。
山下洋輔トリオ、沖至トリオ、大野雄二トリオ、そして笠井紀美子。3組のトリオに1人のヴォーカリストで、トリオ・バイ・トリオ・プラス・ワン。1970年に行われたジャズ・ワークショップの実況録音で、オリジナルはビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた。ミュージシャンの並びを見るだけで、只ならぬ空気が漂ってくる特別な作品だ。時代の寵児としてシーンを先導していた山下。1960年代半ばに大阪から上京し注目を集めていた沖。しなやかな音楽性でモダン・ジャズからニュー・ジャズまでをこなしていた大野。そして、今まさに花開こうとしている笠井。それぞれの演奏が強力で魅力的なことは言わずもがな、本作には、後にも先にもない沖トリオ+大野トリオ+笠井の7人編成による演奏が収録されていることに注目したい。改めて日本のジャズがいかに独創的だったのかを思い知る、弩級の2枚組である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
宮沢昭カルテット『木曽』
「木曽」「浅間」「白馬」「飛騨」。原風景に思いを馳せ、心象と情感を丹念に音楽に織り込んでゆく。本作は、宮沢 昭が到達したひとつの極みである。
本作は1970年、ビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた。「われわれは日本人なんだから、日本人にしか出来ない奴をつくらなきゃならないと思う」。この時期の宮沢 昭の言葉である。宮沢が日本人にしかできない作品をつくろうとしたとき、自身の原点=生まれ育った故郷をモチーフに選ぶのは必然だったろう。長野県の松本市で生まれ、ましてや釣りに親しんだ宮沢にとって「木曽」「浅間」「白馬」「飛騨」はまさに原風景である。森山威男の怒涛のドラム、荒川康男の豊潤なベース、佐藤允彦の零れるようなピアノ、そして、情感をそのまま音塊にしたような宮沢のサックス。生まれ育った土地に対する郷愁や賛美、また大自然に対する憧憬や畏敬。宮沢は自身の根源見つめ、思いとイメージを真摯に丹念に音楽に織り込んでゆく。宮沢が到達したひとつの極み。それが本作『木曽』である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
杉本喜代志『Babylonia Wind』
身を任せることを躊躇うほどに深く妖しいグルーヴ。時代の中心を鋭く射抜いてきたギタリスト、杉本喜代志。その最高到達地点がここだ。
日野皓正が熱望し、石川晶が惚れ込んだギタリスト、杉本喜代志。先鋭的で多彩なサウンドはモダン・ジャズでもジャズ・ロックでも常に最前線に立ち、時代の中心を鋭く射抜いてきた。その音楽表現の頂点のひとつを捉えたのが本作『バビロニア・ウインド』であることに異論はないだろう。市川秀男の波紋のように広がるエレピ、池田芳夫の豊満でいながら抑制の効いたベース、日野元彦の粒立ちの良い推進力の強いドラム、植松孝夫の野趣と艶を兼ね備えたサックス、そして一閃する杉本の鋭角なギター。深海をたゆたうような「Babylonia Wind」から繊細で儚い余韻を残す「Hieroglyph」まで聴き通したとき、その表現の多様さに目を瞠り、グルーヴの深さに慄くだろう。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
猪俣猛とサウンドリミテッド『Drum Method』
この疾走感、この高揚感。行き止まりを知らない男、猪俣猛が変幻自在のスティック・ワークでグルーヴの限界を突き抜ける。
常に時代を見据え新たな地平を切り拓いてきた名ドラマー、猪俣猛が、ジャズ・ロック黄金期に放ったもうひとつの傑作。『メソード』シリーズの1枚として制作されたいわゆる教則レコードなのだが、その音楽性はあたかも聴く者を挑発するかのように猛烈にファンキーでグルーヴィ。日本のジャズ・ロック発展の一翼を担った名グループ、サウンド・リミテッドを率い、変幻自在のスティック・ワークでグルーヴの限界を突き抜ける。「Runaway Child」や「Smack Water Jack」といったカヴァー曲から、アレンジでも参加している盟友・前田憲男作曲の「Sleeper」や「Seven Four」、また圧倒的な迫力で迫るドラム・ソロ「Drum Concert」まで、多彩な選曲を隙のない高密度のグルーヴで埋め尽くす。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
原信夫とシャープス&フラッツ『Little Giant』
八木正生、山屋清、前田憲男、佐藤允彦という、錚々たる作・編曲家を迎えての冒険的ビッグ・バンド・ジャズ。これぞシャープス・アンド・フラッツの最高傑作。
多彩な活動と際立つ音楽性で日本のビッグ・バンド・ジャズのシーンを牽引してきた、原信夫率いるシャープス・アンド・フラッツ。長きに亘るキャリアのなかで多くの作品を残したが、なかでも代表作のひとつと目されるのが本作『Little Giant』だ。オリジナルは1970年にビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた。注目すべきは八木正生、山屋清、前田憲男、佐藤允彦という、錚々たる作・編曲家の参加。それぞれのオリジナル曲に加え、シャープス・アンド・フラッツと縁の深いオリヴァー・ネルソンの曲も独自の編曲で聴かせる。冒険的なほど緻密な編曲と、それを実現させる高い演奏クオリティ。「Little Giant」のヒップさ、「Dark Horse」の力強さ、「Orbit 8:11」先鋭さ、「Flexibility」の洒脱さ・・・。程よい緊張感をともなったダイナミックな演奏に魅了される。シャープス・アンド・フラッツの実力と魅力が最大限に引き出された傑作である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
鈴木宏昌『ハイ・フライング<Clear Purple Vinyl>』
鈴木弘「ロマンス」、稲垣次郎「ブリーズ」の黒幕、鈴木宏昌が、豪華メンバーを集め、クロスオーヴァー・サウンドを極めた傑作。
ジャズはもとより、歌謡曲、映画、テレビ、CMなど広く日本の音楽界で活躍した作・編曲家/鍵盤奏者、鈴木宏昌。60年代末から70年代半ば、最も先鋭的だった時代の日野皓正、石川晶、稲垣次郎らの作品に深くかかわりその手腕を発揮。常に時代の一歩先を進んだその革新性が、総決算的に発揮されたのが76年録音の本作。若き日の村上ポンタ秀一、岡沢章、高中正義も参加したプレ・フュージョン/クロスオーヴァーの傑作。
◆◆◆◆◆
猪俣猛とサウンドリミテッド『Sounds of Sound L.T.D.<クリア・ヴァイナル>』
烈火のドラムが時代を焦がす。若き才渦巻くサウンド・リミテッドを従え、猪俣猛がジャズ・ロック黄金期の到来を高らかに告げる。
的確なスティック・ワークと時代を見据えた音楽性で日本のジャズ・シーンを牽引したドラマー、猪俣猛。1960年代終わりに、当時隆盛を極めつつあったブラス・ロックに影響を受けサウンド・リミテッドを結成。
「ジャズとロックの融合を目指し、若いミュージシャンを集めてヴァイタリティのある音楽をやりたい。このグループはモダン・ジャズという小さな枠におさまらない、スケールの大きなグループにしたい」と語り、新機軸を打ち出す。
そのファースト・アルバムにして代表作となったのが本作『サウンド・オブ・サウンド・リミテッド』(1970年)だ。象徴的な1曲として寵愛される「テーマ~ムスターシュ」を筆頭に、全編に躍動感と熱気が溢れる傑作である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS/DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
石川晶とカウント・バッファローズ『Electrum<クリアオレンジ・ヴァイナル>』
1970年、ジャズ・ロック街道のど真ん中を邁進していた石川晶が、混沌とした時代の空気を見据え"その先のジャズ"に挑んだ意欲作。言うなれば、石川晶が最も深く、鋭くジャズを抉(えぐ)った瞬間、それが本作『エレクトラム』だ。研ぎ澄まされたグルーヴのなか、鎬を削りながら高みへと駆け上るミュージシャンたち。暴風が駆け抜けるような大作「Electrum」、いくつものベクトルが複雑に交錯する「Revulsion」、澄明な夜明けを思わせる美曲「Speak Under My Breath」など、息を吐く暇もない密度で迫る。佐藤允彦と鈴木宏昌、ふたりの天才ピアニスト/作・編曲家の参加も見逃せない。石川晶の最高傑作との呼び声も高い作品がここに甦る。ビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚。
text by 尾川雄介(UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
高瀬アキ・トリオ『ソング・フォー・ホープ(7月下旬~8月中旬発売予定)<限定盤>』
高瀬アキが1981年11月にヨーロッパ・デビューを果たしたベルリン・ジャズ・フェスティバルで出演した時に録音したライヴ音源ECMと並ぶドイツの最重要ジャズ・レーベル、エンヤ・レコードから1982年にリリースされた人気作品。抒情的なピアノで板橋文夫「Watarase」や福居良「Early Summer」に匹敵するJジャズのピアノ作品名曲「Song For Hope」収録。
◆◆◆◆◆
原信夫とシャープス・アンド・フラッツ、山本邦山『New Jazz in Japan』
日本を代表するビッグ・バンド、原信夫とシャープス&フラッツが、人間国宝・尺八奏者、山本邦山とタッグを組んだ日本の古謡や民謡をジャズ・アレンジした1968年話題作が、71年以降初めての再発。前田憲男による変幻自在のビッグ・バンド・ジャズ・アレンジが尺八の新境地を開いた名盤。
◆◆◆◆◆
『Sensational Jazz '70 Vol.1/2』
1970年前後の日本のジャズ・シーンは最高に面白い。ハード・バップの煩悶、ジャズ・ロックの台頭、フリー・ジャズの顕在化。新たな音楽や価値観が次々と生まれ混沌を極め、気鋭のミュージシャンがメーターを振り切る速度で走り抜けた。その姿と熱気を封じ込めたライヴ音源として名高いのが本作『Sensational Jazz '70 Vol. 1/2』だ。1970年4月30日の渋谷公会堂。稲垣次郎、猪俣猛、石川晶というジャズ・ロック三銃士が揃い踏み、高木元輝や沖至といったフリー・ジャズ・ミュージシャンが遂に表舞台に立ち、宮間利之や日野皓正といった本流を支えるミュージシャンが"その先"へと足を踏み出す。最凶のジャズ・ロック・ライヴ音源とも言われるサウンド・リミテッド「Mustache」を筆頭に、煙が立ち昇るような熱い演奏が並ぶ。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
福居良『Mellow Dream』
『Scenery』の約1年後に録音されたセカンド・アルバム。繊細でいながら情感豊かなプレイは健在だが、本作ではそこに力強さも増していて、福居の描き出す世界がより明瞭な輪郭と立体感をもって迫ってくる。甘美で切ない旋律に心打たれる「Mellow Dream」や躍動感と疾走感が溢れる「Horizon」など、眩いほどの快演が並ぶ。また、前作では1曲のみだったオリジナル曲が本作では3曲になっており、より一層福居の音楽性を堪能できるのも嬉しい。その成熟と内容の充実を鑑みると、ファースト・アルバムを凌ぐ名作と言っても良いだろう。惜しくも2016年に他界した福居良。繊細なタッチ、豊潤な音色、美しい楽想。彼が見せてくれた"心地良い夢"に深い感謝を。
◆◆◆◆◆
板橋文夫『渡良瀬 ~ECHO~』
現在の世界的な和ジャズ・ブームの火付けとなった重要な楽曲であり、ジャズ・ピアニスト板橋文夫の代表作「渡良瀬」。この曲の未発表作品や自主盤のみのリリースとなっていた超マイナー・テイクを集めて作られたベスト・オブ渡良瀬の決定盤シリーズ第一弾が遂にリリース。
◆◆◆◆◆
稲垣次郎とソウル・メディア『女友達』
稲垣次郎がはじめてヴォーカルをフィーチャーし、ニューロックを大胆に取り入れた作品。
妖しく黒光りするロック・グルーヴが唸りをあげる。
日本ジャズ界の異端児、稲垣次郎の作品の中でも特に異彩を放つジャズ・ロック作品がついにアナログリイシュー。初めてサミーと沢田靖司のヴォーカルをフィーチャーし、バックには佐藤允彦、水谷公生、柳田ヒロらを迎えて展開する、妖しく黒光りするロック・グルーヴ。
オリジナル発売日:1971年10月01日
◆◆◆◆◆
稲垣次郎とソウル・メディア『ヘッド・ロック』
火を吹くブロウ、鳴り止まないビート、切り裂くギター。
レジェンド稲垣次郎による、和ジャズ・ロックを象徴する作品。
日本におけるジャズ・ロック発展の中心となったミュージシャンのひとり、稲垣次郎。既存のジャズに限界を感じていた稲垣が一気にジャズ・ロックに舵を切ったのが1970年録音の本作。冒頭の「ザ・ヴァンプ」からラストを飾る「ヘッド・ロック」まで、持てるアイデアと情熱を注ぎ込んだ弩級の曲が並ぶ、息を吐く暇もないジャズ・ロック・ショウケース。日本のジャズ史において圧倒的な存在感を放つ異端にして傑作。
オリジナル発売日:1970年12月10日
◆◆◆◆◆
森山威男『スマイル』
日本的情緒が溢れる名曲「ワタラセ」がはじめて収録された1960年代後半から山下洋輔トリオでフリー・ジャズ界を席巻し、近年ではKYOTO JAZZ SEXTETと共演するなど、新旧多くのファンに愛されるジャズ・ドラマー森山威男。盟友・板橋文夫を擁したカルテットで80年に録音されたこのアルバムは、日本的情緒が溢れる名曲「ワタラセ」がはじめて収録されたことでも有名。他に、豪快に疾走する「エクスチェンジ」、美しくも物悲しい「グッドバイ」など、全曲が聴きどころで、静と動が有機的に絡まりあうスケールの大きな演奏が楽しめる日本ジャズ史上屈指の名盤。
オリジナル発売日
:1981年03月25日
◆◆◆◆◆
猪俣猛とサウンドリミテッド 『New Rock In Europe』
1969年の暮れに結成されたサウンド・リミテッドは、猪俣猛の意気込みを反映するかのように1970年に入って立て続けに3枚のアルバムを録音する。その3作目に当たるのが『New Rock In Europe』である。ビートルズやドノヴァン、またニノ・ロータなどヨーロッパのミュージシャンの曲を中心に構成された本作。水谷公生の揺らめくギターに魅了される「Something」やタイトなグルーヴがエキサイティングな「Barabajagal」など聴きどころは多いが、同グループのレパートリーである猪俣のオリジナル「Mustache」の再演が嬉しい。『Sounds Of Sound L.T.D.』と『Sensational Jazz Vol. 1/2』に続く3度目の録音となるが、ここでのヴァージョンはアルバム全体の雰囲気を濃縮したかのように艶やかでサイケデリック。猪俣の手掛けるジャズ・ロックが新たな次元へと突入したことを知らしめる記念碑的作品である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
友寄隆生 『DAH NAH』
沖縄出身のテナー・サックス奏者、友寄隆生。1960 年代の終わりは東京で渡辺貞夫に師事、帰郷後は若手ミュージシャンの育成にも情熱を注ぎ、沖縄ジャズ界のリーダー的存在とし活躍した。1979年録音の本作は友寄の初にして唯一となったリーダー作。タイトルの『ダーナー』は沖縄の方言で「ああ」や「とうとう」といった意味合いを持つ感嘆詞である。友寄は録音当時43 歳、すでに20 年以上のキャリアを持っていた。躍動感溢れる「Movement」、凛としたエキゾチシズムが漂う「Kirisame」、与論島の砂浜をモチーフにした「Merabi Samba」など、鮮やかにして艶やかなテナー・サックスに聴き惚れる。沖縄のジャズの貴重な記録にして、日本のジャズの奥深さを知らしめる傑作である。
text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
鈴木勲トリオ/カルテット 『BLOW UP』
最強メンバーによる好演奏、洗練されたジャケット・デザイン、オーディオ・ファンも認める高音質と三拍子揃った、TBMレーベルの代表作品かつ日本ジャズ史上の宝物(シリーズ監修:塙耕記氏より)
◆◆◆◆◆
中本マリ 『MARI NAKAMOTO III』
鈴木勲(b)と渡辺香津美(g)という至高のデュオをバックに迎え、スウィートなハスキー・ヴォイスでしっとりと唄う、哀愁のヴォーカリスト・中本マリのTBM第3弾。(シリーズ監修:塙耕記氏より)
◆◆◆◆◆
土岐英史カルテット 『TOKI』
"ララバイ・フォー・ザ・ガール"で魅せる熱いソプラノ・ソロ、"ダークネス"での哀愁のアルト・ソロなど、演奏・作曲、双方で存在感を示した土岐英史のデビュー作品。(シリーズ監修:塙耕記氏より)
◆◆◆◆◆
石川晶 『Back To Rhythm』
和ジャズ、レア・グルーヴの名盤がクリアライムイエロー・カラーヴァイナルで再リリース!一打のドラムに全身が痺れるこの快感。日本が生んだ超絶ファンキー・ドラマー、石川晶がグルーヴのワンダーランドを駆け巡る!
◆◆◆◆◆
高柳昌行ニュー・ディレクション・ユニット『Mass Hysterism In Another Situation』
大前キッド・アイラック・ホールの自主企画アナザー・シチュエーション・シリーズ第20回(1983年8月14日)公演を収録。鳴り止まぬドラムの連打とフィードバック・ノイズ…、マス・プロジェクション(集団投射)による壁のような音魂が延々と続く阿鼻叫喚の演奏である。複数のエフェクターを介したフィードバックを放出する高柳昌行、そして同様にフィードバックの発信に終始する飯野晃のギターが、増殖と分離を繰り返し軋んだトーンを発する。
◆◆◆◆◆
中村達也『Locus』
日米で精力的に活動していた中村達也が、金井英人、深町純らと1984年に残した激レア盤『Locus』がリイシュー!パーカッシヴなラテン・ナンバーからアンビエント・ナンバーまで収録し、〈BBE〉の人気和ジャズ・コンピ〈J Jazz〉シリーズにも楽曲が収録されるなど、内容は折り紙付き!
◆◆◆◆◆
宮沢昭カルテット『SEA HORSE』
日本ジャズ界が生んだ伝説のテナー・サックス奏者、宮沢昭(1927-2000)の貴重極まりないライブ・アルバムを初アナログ化。
◆◆◆◆◆
岡沢章『ギリシャについて書かれた本』
ファーストコール・ベーシスト岡沢章のもうひとつの顔は希代のソウル・シンガーだった!自身のベースを含む、稲垣次郎とソウル・メディアが繰り出すファンキーなグルーヴに乗るソウルフルなヴォーカル。70年代和モノ・ソウルの隠れ名盤。 紹介ページはコチラ≫
◆◆◆◆◆
Ann Young&大野雄二トリオ『As Well Be Spring』
アメリカ出身のクラブ・シンガー、アン・ヤングが1975年の来日時に録音したファースト・アルバム。バックを務めるのは大野雄二、池田芳夫、岡山保義のトリオ。艶やかで躍動感に満ちた絶対的名演「Speak Low」の収録で、国内外を問わず求められて久しい傑作である。耳目は同曲に集まりがちだが、軽やかでいて端正な「Old Devil Moon」、たおやかで美しい「Autumn In New York」、切々と訴える「Don't Explain」など、本作には情感豊かに歌うアン・ヤングの魅力が詰まっている。そして、その魅力を最大限に引き出し、引き立てる、アレンジと演奏がまた絶品。大野雄二の貴重なピアノ・トリオ・ワークのひとつとしても注目される作品だ。 text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
◆◆◆◆◆
「和ジャズ・オリジナル・マスターワークス・コレクション第1弾」
オリジナルマスターテープから蘇る珠玉のセッションたちが最新リマスターで完全復刻!和ジャズ・オリジナル・マスターワークス・コレクション第1弾!
◆◆◆◆◆
板橋文夫トリオ『涛』
強烈な個性とヴァイタルなプレイで注目を集めていたピアニストが放った、全曲オリジナルのデビュー・アルバムがLPで復刻。
◆◆◆◆◆
山下洋輔トリオ『April Fool~キャシアス・クレイの死ぬ日』
「家畜人ヤプー」出版、ネッシー騒動、オリバー君フィーバー、アントニオ猪木×モハメドアリなどをプロデュースした戦後最大の'虚業家'康芳夫を全権プロデューサーに、「話の特集」編集長矢崎泰久が構成した世紀の奇盤、オリジナル盤どおり50年ぶりLP発売。
◆◆◆◆◆
藤井貞泰トリオ+1『Like A Child』
1977年発表、藤井貞泰の隠れ名盤がついに登場。近年人気急上昇の森山浩二がドラムス、パーカッション、ヴォーカルで参加。
◆◆◆◆◆
スティーヴ・マーカス+稲垣次郎とソウル・メディア『サムシング』
東西を代表するジャズ・ロック・サックス・プレイヤーによる歴史的セッション音源を収めた1971年作がLPリイシュー。
◆◆◆◆◆
富樫雅彦『Session In Paris Vol. One "Song of Soil"』
富樫雅彦、ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデンのセッション音源を収めた1979年作がリイシュー。
◆◆◆◆◆
富樫雅彦~高柳昌行『Pulsation』
富樫雅彦と高柳昌行という日本のフリージャズ界を牽引してきた2人が1983年にking records傘下のPaddle Wheelから発表した「Pulsation」が初アナログ盤復刻!
◆◆◆◆◆
富樫雅彦カルテット『Speed and Space: The Concept of Space in Music』
高木元輝(tenor saxophone & bass clarinet, cornpipe)、佐藤允彦(piano, gong)、池田芳夫(bass, electric bass)、富樫雅彦(drums, vibes, bells, gong, percussion)による富樫雅彦クワルテットの1969作がアナログ復刻。
◆◆◆◆◆
三橋貴風&山屋清『尺八 海の詩』
原信夫とシャープス&フラッツ出身の作編曲家、山屋清が1970年代に手がけた一連の民謡クロスオーバー・シリーズの端緒となった作品にして、日本を代表する尺八奏者、三橋貴風のデビュー・アルバム。
◆◆◆◆◆
富樫雅彦+高木元輝『Isolation』
映画『略称・連続射殺魔』のための音楽。富樫雅彦と高木元輝が挑んだのは"即興演奏の極限"だった。1969年、日本のフリージャズの真実がここに。
◆◆◆◆◆
弘田三枝子『IN MY FEELING』
ジャズ・ヴォーカルのスタンダード5曲とオリジナル作品5曲で構成された1977年3月発売作を復刻。編曲は、1曲を除き鈴木宏昌が手掛け、ミュージシャンには鈴木宏昌、岡沢章、江藤勲、松木恒秀、杉本喜代志、市原康、村岡建、ラリー須永らが参加。
◆◆◆◆◆
三橋貴風/山屋清『尺八 山の詩』『尺八 里の詩』
原信夫とシャープス&フラッツ出身の作編曲家の山屋清、日本を代表する尺八奏者である三橋貴風が1970年代に生み出した民謡クロスオーバー2タイトルがアナログ・リイシュー。
◆◆◆◆◆
原信夫とシャープス&フラッツ+1(本田竹彦)『エレクトロニクス!』
迫力のビッグ・バンド・サウンドの上を気持ちよく転がるエレピの音色! ジェスロ・タルの「ブーレ」、BS&Tの「スピニング・ホイール」、ビートルズの「カム・トゥゲザー」など、当時最新のロック・ヒット作品を取り上げているほか、「BREIT KOPT」「TUMBLIN! TUMBOURINE!」などキラリと光るオリジナル曲も素晴らしく、聴き応え十分の作品。
◆◆◆◆◆
宮本典子 ウィズ 鈴木勲『プッシュ』
1978年リリース、宮本典子のファースト・アルバムであり、ジャズ~クロスオーヴァー要素が最も強いアルバム。演奏は鈴木勲のほか、笹路正徳、秋山一将、唐木裕治、土肥晃、樋沢達彦、横山達治が参加。
◆◆◆◆◆
生活向上委員会ニューヨーク支部『Seikatsu Kojyo Iinkai』
梅津和時と原田依幸。この二人の歴史的〈オフノート〉がついに明らかに。1975年に自主製作され初回500枚のみ頒布された幻のアルバムが、遂にLP復刻。 紹介ページはコチラ≫
◆◆◆◆◆
『WaJazz: Japanese Jazz Spectacle Vol.II - Deep, Heavy and Beautiful Jazz from Japan 1962-1985 - The King Records Masters - Selected by Yusuke Ogawa (Universounds) 』
「WaJazz: Japanese Jazz Spectacle」シリーズの第2弾となる今回は、キングレコードの1962年~1985年までのカタログに焦点を当てた内容。鈴木勲、横田年昭、宮沢昭、村岡建、清水靖晃、富樫雅彦、ジョージ大塚らの音源を収録。
◆◆◆◆◆
山屋清『虚無僧の世界』
虚無僧が吹いた曲をテーマに、鬼才・山屋清が、尺八琴古流の名手として、国内だけでなく国際的にも活躍している三橋貴風をフィーチャーして作り上げた、重厚なクロスオ―ヴァ―・サウンド。
◆◆◆◆◆
『WaJazz: Japanese Jazz Spectacle Vol. I - Deep, Heavy and Beautiful Jazz from Japan 1968-1984 - The Nippon Columbia masters - Selected by Yusuke Ogawa (Universounds)<Black Vinyl>』
燃えるようなハード・バップからフリー・ジャズ、内省的なサックス・ソロ、重厚なビッグ・バンド・サウンドまで、、、日本のジャズ・スペシャリストである尾川雄介氏(UNIVERSOUNDS)が、日本コロムビアのアーカイヴから日本独自の"和ジャズ"を集めた必須のコレクション。稲垣次郎、村岡実、鈴木弘、山本邦山、猪俣猛らを収録。
◆◆◆◆◆
弘田三枝子『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』
鈴木宏昌、石川晶、村岡建、直居隆雄、松木恒秀、岡沢章、江藤勲、市原康といった日本ジャズをリードするトップ・メンバーとともに制作された時代の熱気がつたわるファンキーな名盤。
◆◆◆◆◆
山本邦山+シャープス&フラッツ『こきりこ節/安来節』
アルバム『ビューティフル・バンブー・フルート』より、洗練の極みとも言える超絶グルーヴィなアレンジ/演奏による「こきりこ節」と「安来節」が7インチ・カット。これぞ民謡とジャズ・ロックの奇跡の邂逅。
◆◆◆◆◆
河野康弘『ローマ・イン・ザ・レイン』
ファースト・アルバム『ピース』の録音から2年。ライヴ録音となる本作では、より焦点の定まった力強い自己表現がなされている。ピアノ・トリオ+ヴィブラフォンという編成も見事にはまり、熱気と瑞々しさを合わせ持つまさに入魂の演奏。
◆◆◆◆◆
横田年昭とビート・ジェネレーション『高翔』
美しいメロディと躍動するリズム。そこは何人たりとも侵すことのできない気高き音楽世界。横田年昭 "幻"の名盤がレコードでリイシュー。
◆◆◆◆◆
ザ・フリーダム・ユニティ『サムシング』
モダン・ジャズも、ジャズ・ロックも、フリー・ジャズも、まとめて飲み込んだようなサウンドはあまりにも先鋭的で筆舌に尽くし難い。フリーダム・ユニティ『サムシング』がレコードでリイシュー。
◆◆◆◆◆
森山威男『グリーン・リヴァー』
和ジャズ最強ドラマーの一人、森山威男が1984年のドイツで大暴れ!ニュルンベルグで行われたジャズ祭に井上淑彦、榎本秀一、望月英明を従えハードコアなピアノレス・カルテットで出演した猛烈なライヴ作品。
◆◆◆◆◆
鈴木宏昌 『海のトリトン オリジナル・サウンドトラック』
ジャズやロックなど様々なジャンルのテイストを汲んだ革新的なサウンドで構築されたサウンドトラック。演奏も、市川秀男・江藤勲・寺川正興・杉本喜代志・石川晶・日野元彦など往年の名手たちが参加。
◆◆◆◆◆
日野皓正『ピース・アンド・ラブ』
アメリカから帰国後に日野皓正が、新クインテットを結成して制作した作品。日本のミュージシャンに加えレジー・ワークマンも招いた、荘厳で力強い一枚。
◆◆◆◆◆
村岡実『尺八ロック~村岡実グルーヴィ・トラックス E.P.』
グルーヴィ極まりないエレキ・ベース、サンタナも真っ青な飛び交うラテン・パーカッション、暴力的なまでにファンキーな電子オルガン、まさかの超尺ドラム・ブレイク、そしてそれらをねじ伏せるかのような迫力満点の村岡実の尺八。昭和国産ポピュラー音楽のエグ味だけを高純度で掬い上げたかのような“和製レア・グルーヴ”最深部をご堪能あれ。
◆◆◆◆◆